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王陽明

王陽明
王陽明(1472~1529)は、中国明代の儒学者、思想家であり儒学の一派、陽明学を提唱した。もともとは明の官学であった朱子学を学び、科挙合格後、官僚の道を歩みながら勉学を続けていた。その後、宦官との対立で僻地に左遷され、思索を重ねるにつれ朱子学に批判的姿勢を持つようになり、新学説である陽明学を打ち立てた。著書『伝習録』等に書かれている陽明学の思想の根本は「心即理」(「性」・「情」をあわせた心そのものが「理」であるという倫理実践原理)、「致良知」(誰もが先天的にもつ良知に従えばその行動は善である)、「知行合一」(「知・認識」と「行・体験」は不可分のものである)等のキーワードに集約されると言ってよいだろう。以上のキーワードからも分かるように、王陽明は単なる「思索の人」ではなく行動の人でもあったのだ。「10MTVオピニオン」では、中国哲学者でありながら西洋哲学にも詳しい東京大学東洋文化研究所教授の中島隆博氏が、王陽明とその思想について解説。特に、朱子学との比較において「啓蒙」の問題に着目。朱子学が内面の自己啓蒙について限界に突き当たったのに対し、陽明学では内面の自己啓蒙に徹し、一種の強烈な独我論を展開するに至ったと述べている。東アジアでは近代に入って自我の問題に直面した時、陽明学を内面の啓蒙に貢献できるものとして導入し、西洋近代化への精神的足がかりとした。

戦前、井上哲次郎は吉田松陰を「陽明学者」と位置付ける

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収録日:2015/02/26
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中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

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収録日:2014/12/19
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中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

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グローバル化時代の資本主義の精神(4)日本の近代資本主義~渋沢栄一から福澤諭吉まで
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収録日:2014/11/07
追加日:2015/05/28
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

朱子学と陽明学の違いは…王陽明の「心学」は一種の独我論

東アジアにおける近代の啓蒙~儒教と近代(4)王陽明の転換~陽明学の誕生と変遷
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収録日:2014/10/07
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中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

仏教を超え内面に向かう「啓蒙」へ! 朱熹が採った道とは?

東アジアにおける近代の啓蒙~儒教と近代(3)仏教から新儒教へ~朱熹と朱子学
宋代に朱熹が築いた「朱子学」とは、何だったのか。後に東アジアの近代的啓蒙に色濃く影響することになる宋代・明代の「新儒教」の発生以前にさかのぼり、儒教と啓蒙の絡まりをひもとく。(全4話中第3話目)
収録日:2014/10/07
追加日:2015/01/30
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

儒教は東アジアの近代的な啓蒙にとって目障りな存在だった

東アジアにおける近代の啓蒙~儒教と近代(2)浅い啓蒙と深い儒教
胡適や福沢諭吉が目指した「浅い啓蒙」にとって、「儒教」はどうも目障りな存在だったようだ。浅い啓蒙と深い儒教の相容れない関係を、中島隆博氏が説く。(全4話中第2話目)
収録日:2014/10/07
追加日:2015/01/29
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授