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カリフ

カリフ
 カリフ(caliph)は「代行者」「後継者」を意味するアラビア語のハリーファ(khalifa)のなまったもの。ムハンマドの後継者の意味で、イスラム教団の最高指導者を指す。661年に第4代目カリフ・アリーが暗殺され、イスラム世界はスンニ派とシーア派に分裂した(正統カリフ時代の終焉)。スンニ派とシーア派はそれ以来続いているが、カリフの権威に従うのは次第にスンニ派のみとなった。16世紀初頭より、オスマン帝国では世襲によるスルタンがカリフを兼ね、1923年のトルコ革命によりオスマン帝国が解体するまで、カリフ制は存続した。2014年、イラク・シリア両国にまたがる地域を掌握した過激派組織ISが、支配地域における国家としての独立と、指導者のアブー・バクル・アル=バグダーディーのカリフ即位を宣言したことから、「カリフ」の言葉に注目が集まった。  「10MTVオピニオン」では、歴史学者で中東問題の日本における第一人者でもある山内昌之氏が、カリフ制度の変遷を追い、イスラム特有の精神性を解説している。

モスル陥落で終焉が近づくイスラム国の今後

ポスト・モスルの中東情勢(1)ISはこのまま消えるのか
2017年7月10日、イラクのアバディ首相は、モスルがIS(イスラム国)の支配から解放されたことを宣言した。未曾有のテロ組織ISは明らかに弱体化しつつあり、中東情勢に新たな局面が開かれたことは間違いない。ISの...
収録日:2017/07/21
追加日:2017/08/16
山内昌之
東京大学名誉教授

アサド大統領の最大の政治責任は国家存続を危うくしたこと

中東の火種・シリア(3)世界革命史から見たアサド
アサド大統領の暫定政権残留をめぐって、国際世論が二分している。そもそもアサド大統領の最大の政治責任はどこにあるのだろう。シリア問題の世界史的意味をめぐって、歴史学者・山内昌之氏が、18世紀フランス...
収録日:2016/02/10
追加日:2016/03/21
山内昌之
東京大学名誉教授

イスラムでは許しがたい火刑を断行したIS

「イスラム国」の本質と将来(3)「イスラム国」は、組織か「国家」か
イスラムとは、信仰共同体であると同時に国家であるという特徴を持ち、「イスラム国(IS)」はこの点を巧みに利用しカリフ宣言を行った。しかし、2015年1月を契機に、中東の人々がISに抱いてきた印象は...
収録日:2015/02/16
追加日:2015/03/03
山内昌之
東京大学名誉教授

2014年12月に報道された日本への危険なシグナル

「イスラム国」の本質と将来(1)「イスラム国」は、もはや対岸の火事ではない
中東・イスラム史研究の第一人者・山内昌之氏は、「イスラム国(IS)」の出現は大局的に見れば、中東の政治の枠組みのリアリティを変えてしまったと解説する。ISの影響力が中東の域を超えて拡大しつつある今...
収録日:2015/02/16
追加日:2015/03/01
山内昌之
東京大学名誉教授

7世紀のハワーリジュ派とISとの比較

「イスラム国(ISIL)」日本人殺害事件に際して~ハワーリジュ派とイスラム国
「イスラム国(ISIL)」事件で変化したのは中東の意識ではなく、日本自身の中東への関与姿勢ではないか、と歴史学者・山内昌之氏は問いかける。「中東で愛される日本」という建前や欧米とは一線を画する安心...
収録日:2015/02/16
追加日:2015/02/25
山内昌之
東京大学名誉教授

トルコ大統領選とISによるイスラーム国家の樹立

トルコ大統領選とISIL
10MTVではおなじみの歴史学者・山内昌之氏が、2014年6月22日から7月5日のトルコ研究調査から戻られた。クリミア半島と中東。今最も激震する両地域に挟まれているのが、トルコ共和国である。現地の...
収録日:2014/07/17
追加日:2014/08/08
山内昌之
東京大学名誉教授

イスラム教スンニ派とシーア派の違いとは?

イスラム教におけるシーア派とスンニ派の違い
世界三大宗教の一つであるイスラム教は、シーア派、スンニ派の二派に大別されるが、その二派の最も特徴的な違いは何なのか? 何を発端としてその違いは生じたのか? イスラム地域研究の第一人者である山内昌之...
収録日:2014/05/22
追加日:2014/06/12
山内昌之
東京大学名誉教授