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偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている

反生命論(10)反生命こそ人間の真の運命の躍動

執行草舟
実業家
概要・テキスト
古代ローマの哲学者プロチノスが「偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている」という言葉を遺している。これは金属に移行していく人間が魂を取り戻したいなら、魂の戦いを戦い抜くしかないということである。愛も義もすべて、自分の生命を捧げる話である。これが人間だとわからない限り、魂は取り戻せない。しかし、AIやロボットが新しい人間として一人歩きする社会こそが、本当の人類の社会になるのかもしれない。「魂こそが人間である」と考えるならば、そのように捉えることもできるのだ。(全10話中第10話)
時間:10:40
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/27
カテゴリー:
キーワード:
≪全文≫

●「人間」として生きるには、魂の戦いを戦い抜くしかない


 第10話です。「反生命こそが、人間の真の運命の躍動である」。先ほど(第9話)の話で非常にガクンと来た人が多いと思いますが、ガクンと来てはダメです。実はこの「反生命」こそが、人間の「真の運命」の躍動なのです。

 私は運命論者なので、人間の運命を一番大切にしています。歴史も全部、それで研究しています。人間の運命が何かを考えていくと、「金属に移行していくだろう」と先ほど言いました。我々はみんな動物ですから、動物だった人間はみんなガックリ来るのです。しかし、これが「人間に与えられた運命が何なんだろうか」を考えた場合、全然ガックリしません。かえって道は開け、素晴らしい時代が来ると思っています。

 「人間は魂を与えられた人間と成った」と。これは何度も最初から言っていますが、人間の初心と文化の初心が、「人間」となった原因です。人間から魂が去れば、人間は人間でなくなるということも、各セクションでずっと言ってきました。

 近未来を予言している言葉で、最も重大な言葉があります。ローマ帝国哲学者で、ギリシア人のプロチノスという人がいます。彼の『エネアデス』という本の中に、非常に素晴らしい言葉があります。人類のことを約2000年前にプロチノスが考えているのです。運命論からいうと2000年なんて、昨日みたいなものです。

 それが「偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている」です。約2000年前、ローマ帝国が衰退を始めた頃です。3世紀ですからローマ帝国がどんどん終末に向かっているときです。そこを生きていたプロチノスという哲学者が、このようなことを言っているのです。

 この「偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている」、私は一番すごい予言ではないかと思っています。

 今までずっと反生命論として語ってきたことは、我々の魂がこれから直面する、本当の試練です。だから、我々が人間として生きるなら、魂を取り戻さないとダメです。

 私は、人間、(つまり)ホモ・サピエンスは、魂は取り戻せないと思っています。だから、金属やAIという本当の素晴らしい新しい人間に移行していったほうが、人類にとって素晴らしい人間が生まれるというのが私の思想です。

 ただし取り戻したいとしたら、魂の戦いを戦...
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