断熱から考える一年中快適で健康な住環境
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
気密なき断熱は無力…冬の寒さ対策に気密が不可欠な理由
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(6)気密の必要性と断熱改修の効果
前真之(東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授/博士(工学))
冬の寒さ対策において欠かせないのは実は断熱だけでない。もう一つのキーワードが「気密」である。残念なことだが、日本の家は断熱・気密性が不足しているという前氏。本当に冬暖かく、足元から快適に過ごしたいという場合には、気密が非常に大事で、「気密なき断熱は無力」だという。いったいどういうことなのか。新築だけでなく建築済みの建物にもできる断熱対策についてと合わせて解説する。また最後に、シリーズを通して伝えてきた建築における断熱の重要性について、おさらいをして講義を締めくくる。(全6話中第6話)
時間:12分46秒
収録日:2024年6月20日
追加日:2024年9月15日
≪全文≫

●気密なき断熱は無力――断熱と同様に不可欠な「気密」


前 これまで、断熱の重要性を繰り返しお伝えしてきました。断熱は本当に大事な性能で、冬も夏も不可欠な性能ですけれど、断熱だけすれば冬に暖かくなるのかというと、それは少し違うということになります。

 先ほど、窓が弱い、床が弱いということが冬の寒さの原因であるということをお伝えしました。これは断熱が足りないと、熱が勝手に出入りしてしまう、外の冷たい熱が下にどんどん入ってくるからというのもあるのですけれど、もう1つ、外の冷たい空気がどんどん侵入してきてしまうことも大きな原因なのです。

 だから先ほどから出てきている、こういったエアコンを付けても少しも室内が暖まらないのです。

 これは断熱性能が足りないということはもちろんあるのですけれど、実は「気密」性能が足りないのです。とくに窓周りや床のところの気密が足りません。なので、外の冷たい、重たい空気が好きなように入ってきてしまって、足元を冷やしているということがあるわけです。特にこれはエアコンで暖房する場合に問題になります。

 これは、コンピュータでエアコンの空気の流れを解析したものになっております。エアコンというのは高い場所にあって、そこから暖かい空気を吹き出すということを行います。エアコンの吹き出す暖かい空気は軽いのです。ですので、初めはエアコンの吹き出した暖かい空気は軽くて、上のほうに溜まっていって、そして十分に上のほうが溜まると、最後、ようやく足元まで暖かい空気が届くということになるわけです。

 建物の断熱性能、気密性能が十分あれば、このように暖かい空気がどんどん室内に溜まっていって、上のほうから溜まっていって、最後は足元まで暖まるということが期待できるわけなのです。

 たいへん残念ですけれど、日本の家はこういう断熱・気密性がないわけです。ですので、実際の家ですと、先ほどの高気密の家は左側になるわけですけれど、日本の多くの家は右側の低気密の家ということになります。低気密の家は隙間がいっぱい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫