●断熱性能を確認できる「省エネ性能ラベル」
これまで断熱がどれだけ大事か、断熱が冬と夏にどのように働くかというメカニズムとその効果について見てきました。それでは、断熱はどれくらいまでやればいいのかということについて考えてみたいと思います。
ここでヒントになるのが、2024年4月から始まった省エネ性能ラベルというものになります。以前から、国土交通省は住宅の断熱性能を高めるということを行ってきたわけですけれど、その断熱性能を、なかなか今までは家を買う人、借りる人、どれくらいの買う家、借りる家に断熱性能があるのか分からなかったわけです。2024年の4月から、この分譲・建売住宅や賃貸住宅について、この表示をなるだけ行いなさいということになりました。
この省エネ性能ラベルには、いろいろな内容があるわけですけれど、一番注目していただきたいのが、Bの断熱性能というところになります。
Bの断熱性能というところは、レベル1からレベル7というものです。このレベル1からレベル7は、国土交通省が決める、左上の外皮平均熱貫流率の中で、断熱等級1から7というものに対応しております。いずれにしろ、断熱等級1から7というものとレベル1から7というものは、ほぼ同じだと思っていただいて大丈夫です。
そして、国土交通省はこのレベル4を、2025年度に義務化するとしています。そしてレベル5を、2030年度までに義務化します。新しく建てる新築住宅においては最低限度でもレベル4、レベル5の断熱をやりなさいということを義務化するということになっております。
けれど、では義務化されていない、これまでに建てられた家で、この断熱性能がどのようになっているかということです。
こちらも国土交通省の調査です。住宅ストックの断熱性能についてです。たいへん残念ですが、日本においては、この断熱の強化が正直あまりしっかり行われていなかったということになります。
ですので、先ほど、2025年から義務化されると申し上げたレベル4に該当する、現行基準を満たす家はストックの18パーセ...