経験学習を促すリーダーシップ
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なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
松尾睦(青山学院大学 経営学部経営学科 教授)
人の成長にとって、弱点の克服よりも重要なのは強みを伸ばすことだ。ではいかにして自分の強みに気づいていけばいいのか。指導者はどのようにしてそれを気づかせ、支援していけばいいのか。ピーター・ドラッカーの話をはじめ、経営学、心理学、哲学など分野をまたいで指摘される「強み」の重要性を、経験学習の観点から掘り下げる。(全4話中第4話)
時間:10分13秒
収録日:2025年6月27日
追加日:2025年10月1日
≪全文≫

●なぜ強みが大事なのか


 それではPart 3です。強みを伸ばす指導ということで、育て上手の、先ほど(第3話で)出てきた方々です。

 平井コーチや本田さんは、成功の振り返りの中に強みを見いだしています。うまくいったということは、その人の持っている能力が生かされているということが多いと思います。「これはやっぱり君はこういうところに力があるよね」と言って、それをもっと使おうよというのが強みの活用です。もっとそのレベルをアップさせようという指導をするとさらなる成功(につながります)。

 これは最近のZ世代といわれている、叱られ慣れていないといわれていますけれど、そういう世代に効果的だと思います。

 うまくいったことをなぜうまくいったのかなとか、もっとうまくいくためにはどうしたらいいのだろうとか(というのは)、実は厳しい指導ですよね。次もうまくいって、「もっとうまく成果を上げなさい」と実は言っているのだけれど、成功しているから、本人はけっこういい気分になっている。だから、あまりハラスメントと受け取らないはずだし、自分の力をアップできるとか、上司や先輩もそれを狙っていると分かるので、気持ちよくストレッチができるということでしょうか。もちろん人によると思いますけれど、そういう意味では活用ができるのではないかと思います。

 では、なぜ強みが大事なのかというと、いろいろな人が言っているのですけれど、ピーター・ドラッカーが「マネジャーの第1の務めは、人材の強みを引き出すことである」と言っています。

 ドラッカーさんはユダヤ系ですね。私の推測なのですけれど、ドラッカーの本を読んでいると、弱みではなくて強みに着目しろと(いうようなことが)、やたらと出てくるのです。なぜだろうと思ったら、『ユダヤ人』という新書がありまして、別の人が書いているのですけれど、その人の本の中で、ユダヤ人の家庭の一般的な育て方のアプローチというものがあって、子どもに才能を見つけたら、(そこに)徹底的に投資するらしいのです。音楽でピアノの才能があったら、ピアノをめちゃくちゃ練習させる。金融や数学の才能があったら、数学(の教育)にめちゃくちゃ投資する。なぜかというと、ユダヤ人...

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