外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中国の「国進民退」に危機感…これからの日中関係を読む
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(5)日本外交の進むべき道
小原雅博(東京大学名誉教授)
日本周辺での有事の可能性が叫ばれる中、日米関係を重視しながらも、隣国・中国とはどうやって関係を築いていくべきか。習近平政権以前の中国の在り方から振り返りながら、これからの中国との付き合い方を考える。また、シリア問題を議題にして、中東情勢を踏まえながら日本外交の進むべき道を模索する。講義終了後の質疑応答編。(2025年4月15日開催:紀伊国屋書店本店トークイベントより、全5話中第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:14分18秒
収録日:2025年4月15日
追加日:2025年10月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●日米同盟を堅持しつつ、中国と継続的な対話を


【質問】
 日中関係について。中国は隣国であり、経済関係では重要だが、一方、中国国内でのスパイ容疑による日本人逮捕や、尖閣諸島海域への中国船侵入などの問題がある。中国に対して今後、どういう外交対応をしていけばいいのか。

小原 おっしゃることは、すごくよく分かりますし、多くの日本の国民の中にある問題意識だと思います。日本の外交にとって一番大事なのは日米同盟で、アメリカですが、同時に、中国は引越しのできないお隣の国であり、かつ軍事的にも経済的にも台頭し、今やアジアの中心にあるわけです。今、中国の経済力は、GDPで計れば日本の4倍以上になっている。そして中国には日本企業が3万社以上出ている。投資もものすごく行われている。こういう中で、アメリカ、中国との関係をどうしていくのか。

 特に今、米中関係が悪くなってきて戦争になるかもしれないという中で、日本はその狭間に置かれているわけです。つまり、アメリカと一緒になって中国と対立だけしていればいいという地理的な位置にはない。地政学的には非常に微妙な立場に置かれているわけです。だから、問題は山ほどあります。言いたいこともあるし、実際に言っています。先ほど言ったように、最前線にある北京の大使館の大使以下とは毎日のように、向こう側のカウンターパートと話をしていますし、私も実際にアジア大洋州局にいたときはそういうことをやりました。

 どこまでそれがメディアに出ているかということについては、この本(『外交とは何か 不戦不敗の要諦』)を読んでいただいたら分かるように、交渉事はなかなか外には出せない。互いに合意したことは外に出せますが、その間のやりとりは第三国が絡んできたりといろいろなことがあるので、出せない部分がある。だから、国民の中には「本当にきちんとやっているのか」という思いがあるということだと思います。

 皆さんの問題意識はものすごくよく分かっていて、なんとかそこを変えていかなければいけない。ただ、「内政干渉」という言葉があるように、基本的に一国の主権国家の中でどのような政治体制ができていて、どのように政策が遂行されているかということについて、影響力を与えることはなかなか難しいところがある。

 それでも、例えば日本だけではなくて、日本とヨーロッパ、アメリカが一緒になる。あるい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ