人生と仕事観
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企業理念でも何でも「信じる」ことは全部勇気の問題
人生と仕事観(4)勇気をもって初心に返れ
考察と随想
対談 | 執行草舟田村潤

5.なぜ「キリンのビールが最高」という信念を持てるのか
2025年10月10日配信予定
6.タイトル未定
2025年10月17日配信予定
7.タイトル未定
2025年10月24日配信予定
8.タイトル未定
2025年10月31日配信予定
9.タイトル未定
2025年11月7日配信予定
10.タイトル未定
2025年11月14日配信予定
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どの会社も「理念」とは、創業のときの「初心」である。一番美しいのも初心であり、初心に返ることが重要である。創業のときに何を思い、何をしたかを調べ、それらを土台にすることで、組織はバラバラにならずに済む。初心を信じるには、見えないものを信じる勇気も必要になる。会社の理念を信じられない人は、勇気がないともいえる。勇気は伝統の中から生まれるものであり、そこから「誇り」も生まれてくる。昔の家庭は誇りを大事にしていた。戦後の民主主義や悪平等によって、そうした誇りを大事にする教育も失われてしまった。その結果、現代人は勇気を失ってしまったのである。(全10話中第4話)
時間:11分13秒
収録日:2025年7月4日
追加日:2025年10月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●「最後の一人になっても立ち上がる」勇気はどこから出てくるか


田村 私の場合、幸運だったのは、入社したときの上司が非常に尊敬できる先輩だったことです。自分にとって、その方がキリンビールの代表選手なのです。「その方に評価されたい」という思いがあった。「ああいう人になりたい」というのが、やはりよかったです。

 「最後の一人になっても立ち上がろう」という勇気は、そこから出てきたと思います。やはり「何かを信じる」ということですね。理念は信じられないけれど、そこを信じる。そのためには自分を信頼する。

執行 理念は、根本的にはどこの会社でも個人でも同じだと思います。つまりは初心です。

田村 そうですね。

執行 何かを「よし、やるぞ」と思ったときの初心です。だから、「初心に返る」ということです。初心には理由がありません。どんな人間でも初心が一番美しくて綺麗なのです。だから、必ずそこに返らなければダメです。

 結婚だってそうです。「この人と結婚したい」と思ったときの気持ちが初心です。初心を大切にしている人は幸福な人生を送れるし、忘れた人は不幸になるというだけです。企業も一緒です。

田村 そうですね。

執行 私がなんとか企業経営を続けられるのは、初心に返らない日はないからです。経営を続けるだけでも、初心に戻らなければならない。現世は必ず1日でズレるのです。起こることが全部そうですから。だから、理念とは初心です。

田村 その初心を見つけるのが大変なのです。(キリンビールは)100年以上の企業でしたから、「初心はここにある」と発見するのに1年以上かかりました。

執行 企業なら理念の中に入っています。「理念」として掲げられたものは、作った人の初心ですから。

田村 それが言葉でしか残っていないのです。

執行 言葉でいいのです。

田村 そこで何が行われたかを知らないといけない。

執行 それは本を読んだり、いろいろです。

田村 先輩に聞いたりして。

執行 そうです。

―― 何が行われたかが大事なのですね。

田村 そのときの経営者が、どういう気持ちで何をやったかです。どれだけの勇気をふるったのか、世の中のために。

執行 会社や学校もそうですが、初心はけっこう引き継がれています。悪いほうの初心も。学校の校風も、創業の頃からの校風は、けっこう100年以上……。

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