人生と仕事観
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「喜んでもらいたい」が自由を生み、自由が勇気を生む
人生と仕事観(9)売上と自由と勇気
人間は忙しいときほど、エネルギーが出る。忙しいときほど新しいことを始めるのは、人間の生命エネルギーである。また、そのとき、「自分たちで決められる」という自由があれば、勇気も湧いてくる。ただし、企業の場合、そこには理念という軸が必要である。「あれしろ、これしろ」という指示待ちの中から勇気は湧いてこない。自由から、勇気は湧いてくるのだ。そして自由は、「多くの人に喜んでもらいたい」という願いから生まれる。「喜んでもらう」は非常に主観的なことだが、多くの人に喜んでもらえば、売上げは上がる。そのためには売り上げがあがるように価値を伝えないと何にもならない。数字と理念を両立させる方法は必ずあるのだ。(全10話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分23秒
収録日:2025年7月4日
追加日:2025年11月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●「指示待ち」からは勇気は生まれない


執行 私の知り合いでも「本を書きたい」と言う人がたくさんいますが、制約がない人もいます。例えば金持ちで、働く必要もない人。そういう人は、一切できない。

 やはり何かで決められた人です、書けるのは。私もそうで、書く時間もほとんどない。最近思うのは、会社を経営していて暇がないから、本が書けたのです。あれ本当に暇だったら、考えに考えて、結局書けないと思います。

 私の場合、会社経営を1日中やっているし、いろいろなお客さんとも会うから、夜の1時間とか日曜日ぐらいしか書けない。

田村 人間の生命エネルギーは、そういうところにあるのです。私は高知支店にいたとき、すごく忙しかったです。でもそのときにピアノの練習を始めたり、新しいことをやりました。

執行 ピアノをやっていたと。

田村 一番忙しいときにやっていました。

執行 暇になったら、やらないでしょう。

田村 やらない。

執行 みんなそうなのです。忙しいときに旅行もするし、いろんなことをしている。サラリーマンで見ると、みんな「定年になったら、どこへ行く、あそこへ行く」と言っていますね。でも、私の父も含めて、定年後に旅行などを楽しんでいる人を見たことがありません。

田村 生命を燃やすかどうかなのです。だから「ワークライフバランス」は間違っています。二つに分けるのは。

執行 そうですね。

―― 「自由」は捉えようがたくさんあるので、何か確立した定義があったほうがいいように思います。

執行 グレン・グールドの理論が、私は一番響きます。

―― しかもグレン・グールドは演奏者ですから、作曲した楽譜があります。楽譜を弾かなきゃいけないわけです。

執行 決められたものを。それを88鍵の中で全て表現しなければならない。「自分の人生はこの中にしかない」と言っていた。自分が自分として他人に訴える、表現するものは、全部ここに封じ込められている。私は感動しました。27歳のときに会いましたが、75歳の今日になるまで、いつでも思い出すので、相当響いたのです。

田村 もう一つ、自由の側面として、勇気と関係していると思います。当時のメンバーと話をすると、まず「自由だった」ということを挙げるのです。「完全に自分たちで何でも決められた」と。理由は、軸があったからです。頂点を理念にする。その軸があっ...