人生と仕事観
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なぜ「キリンのビールが最高」という信念を持てるのか
人生と仕事観(5)覚悟こそ幸福への条件
考察と随想
対談 | 執行草舟田村潤

6.仕事には「意味」が不可欠だが、数字は「意味」にならない
2025年10月17日配信予定
7.「貧」をバカにしない社会を取り戻すには歴史と伝統を学べ
2025年10月24日配信予定
8.制約を乗り越えていくことでこそ「真の自由」が得られる
2025年10月31日配信予定
9.タイトル未定
2025年11月7日配信予定
10.タイトル未定
2025年11月14日配信予定
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最後は「自分がやるんだ」という覚悟があれば、大変なことでも本人は「大変」と感じないものである。その覚悟は何かというと、勇気である。ただ最近のキーワードは「勇気」ではなく「幸せ」。誰かのために行動して役に立てば、自分の存在価値も感じられ、結果として人間の幸せと企業の業績の向上を両立させられる。これは昔から続く老舗がやってきたことでもある。グローバル経済は売上げしか見ていないが、昔ながらの理念に価値を置くと、商売への見方は全然違ってくるのである。たとえば他社のビールより「キリンのビールを飲んだほうが幸せになれる」という信念が持てるのも、「キリンこそが最高のビールをつくる」という覚悟からなのだ。(全10話中第5話)
時間:10分23秒
収録日:2025年7月4日
追加日:2025年10月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●覚悟を決めれば、やるのは「大変」ではない


―― 田村先生の場合、キリンに対する誇りがあったわけですね。

田村 ありました。

―― 企業としてのキリンは、立派な会社だと。「これどう守るか」というものがあったと。以前の講義でもお話しいただきましたが、田村先生が一番苦しかったのは、アサヒビールとの競争の時期でした。「キリンはこれでいいのか」と、多分お考えの中にあったと思います。そういう中で執行先生がおっしゃるように、勇気がむしろ湧いてきた部分もあると思います。そのあたり、今振り返っていかがですか。

執行 同じですよね。

田村 そうですね。最後はもう「自分がやるんだ」という覚悟。これはそんなに大変なことではなかったのです。あるとき「ああ、そうだ。そう考えればいいんだ」と。

執行 やるときは大変ではないのです。「大変だ」と思っているうちは、できません。大変ではないからやる。そうでしょう?

田村 そうですね。

執行 私もよく「独立するので大変だったでしょう」と言われますが、大変ではないのです。

田村 決めるだけなのです。

執行 自分で「やろう」と決めて。全然大変ではない。大変だったら多分できなかった。

田村 そうでしょうね。

執行 「大変」は他人が言うだけだから。

田村 そう。決めただけです。決めると、いろいろな障害が出てきます。これを乗り越えればいいだけです。乗り越えられなかったら、別のやり方を考えてやっていく。

執行 それだけのことです、決めてあれば。では決めるのは何かというと、先ほどの「勇気」です。何かの勇気。私の場合、例えば企業の独立というのは、つまらない話になってしまうけれど、勇気は自分の命を捨てる覚悟があるかどうか。そういうことです。そういう覚悟ができると、人生はいかなる状況でも、独立したりできるのです。失敗したら、私の場合はですが、死ぬしかない。

田村 「しょうがない」ということです。

執行 もう、しょうがない。そういう状況になれば、そうだということです。逆に言うと、そういう状況になって独立しているから、大変ではないのです。ここが、わりと通じないところです。だから、「大変」と思っている人は、ダメです。多分やらないと思います。

田村 私の部下は、最後は4000人ぐらいになりましたが、ほとんど全員が言っていたのが「すごく楽だった」...