中東のパラダイムシフト
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イスラエルが危惧するイラン・米国の融和
中東のパラダイムシフト―米国・イラン・イスラエル
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
いま中東各国間において、従来の関係性や同盟のあり方が変化していると、歴史学者・山内昌之氏は指摘する。そこには、目先の利害関係や脅威だけではなく、歴史的、宗教的意味を持った対立があり、それぞれの関係性に影響を与えているのだという。山内氏の歴史家としての眼が、中東各国関係性のパラダイムシフトの深層に及ぶ。(シリーズ講話第3話目)
時間:19分00秒
収録日:2015年3月11日
追加日:2015年3月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●変化を見せる中東各国間の関係性

 
 皆さん、こんにちは。引き続き、中東において起きている地域の権力構造の変化、あるいはパラダイムシフトの問題について、今日はお話ししてみたいと思います。

 そのことをあえて言葉に表すと、同盟と関係性の変換とでも言えますでしょうか。つまり、各国が結んでいる関係性が変化し、各国の間で結ばれている同盟のあり方が変わってきているということです。


●イランをめぐるアメリカ・イスラエル間の変化

 
 今、現実的にこれをエピソードと見るか、あるいは、恒久的な現象として見るかによって違いもあると思います。しかし、少なくとも現時点において仮にこれがエピソードであったとしても、大変重要な現象は、やはりアメリカとイスラエルの関係が、オバマ大統領とネタニヤフ首相のもとで変化しているということだと思います。

 アメリカの内外に張り巡らされているイスラエル・ロビーという、イスラエル国に対する支援団体、あるいは、支援者のネットワークは、1948年にイスラエルが建国されて以来、大変強いものがありました。このイスラエル・ロビーの本拠地は、もちろんアメリカでした。ところが、アメリカの上下両院の合同の議会におきまして、イスラエルのネタニヤフ首相が招かれて演説をするという時に、合衆国大統領のオバマ氏が出席しないという事態になったのです。これは、アメリカ史上未曽有の、そして、異例な事態です。また、ネタニヤフ氏のホワイトハウスへの儀礼的な訪問も、その接見を受け付けないという、エピソードとしてはもうこれ以上ないといったような行為が、最近行われたばかりです。

 これは、いわばアメリカ国内におけるイスラエルのあり方に対する違いが顕在化したということで、ひいて申し上げますと、アメリカとイランとの関係の変化に基づいているわけなのです。ご承知のように、アメリカのオバマ政権は、今イランを必死に核査察の対象とし、本格的な核武装を阻止するために、ウランの限定的な濃縮の高度化に同意しようとしています。しかし、これは限りなく本格的な核武装への道だということで認めないのが、イスラエルの立場です。こうしたイランの問題をめぐって、アメリカとイスラエルが争っているということなのです。


●イスラエルが危惧するイラン・アメリカの融和

 
 もう一つ、イスラエルには、イランについて警戒す...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子