己の損得を超えろ~上甲氏自身の人生の葛藤
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「条件がそろったら決断する」と言っている人は決断しない
己の損得を超えろ~上甲氏自身の人生の葛藤
上甲晃(志ネットワーク代表)
松下政経塾で14年間、塾頭などを務め人材を育成してきた上甲晃氏が言いたかったのは、たった一言「己の損得を超えろ」だという。これは、政経塾の卒業生だけでなく、自身に向けた言葉でもあった。現在、志ネットワーク代表である上甲氏は、54歳の時、松下電器産業を退社し、独立する道を決断する。その時、「己の損得を超えろ」はどんな意味を与えたのか。上甲氏がその時の真意を語る。(2015年3月20日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演より、全8話中第2話目)
時間:13分24秒
収録日:2015年3月20日
追加日:2015年4月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●14年間言い続けた「己の損得を超えろ」


 松下政経塾では14年間、いろいろ言ってきましたけれども、集約していえば、私が言いたかったことは、ただこの一言だったのではないかと思うのです。

 「己の損得を超えろ」

 特に政治家は自分の選挙のためなら侃侃(かんかん)なのです。あるいは、自分の出世のためなら人を蹴落とすことも平気でやります。ですから、私は政治家に向かっては「己の損得を超えろ」と言うのです。せめて政経塾の卒業生は、日本のこと、地域のことを本当に真剣に考えなければいけない。そういう意味において「己の損得を超えろ」ということを大変やかましく教えてきました。私はこの一言だけを言い続けてきたように思います。そして、もっと大きな損得を考えられる人間になれ、ということを言い続けてきました。

 その私に、松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社、以下「松下電器」)の本社に帰って来いという命令が下ったのは平成8年のことでした。「君ももう14年にもなるし、いつまでも松下電器の社員が政経塾を運営しているのもよくないだろう」ということで、本社に転勤の命令が下ったのです。

 同期入社の面々が集まってきて、皆こう言いました。「お前、本社に帰るのか。運がいいな」。なぜ運がいいのか、聞いたところ、当時、昭和39年入社までが重役になっており、今年はわれわれ昭和40年入社組が重役になる時だというのです。そういうタイミングで外から帰ってくるのが一番有利だと言われました。事実、私の前任の塾頭も松下電器の本社に帰って、重役になりました。「お前、出世競争の先頭に立ったな」と言われ、思わずぐらっと来ました。松下電器に入った限り重役になるのも悪くないな、と思ったのは事実です。けれども、次の瞬間にはっと気が付いたのです。

 私が14年間言い続けてきたことは何だったのだろう。

 「己の損得を超えろ」
 「自分の出世ばかり考えるな」

 あれほど偉そうに、あれほど立派なことを言い続けてきた私が、自分のことになると、さっさと松下電器に帰って出世競争に目の色を変えている。これでは申し開きが立たんな、と思いました。「何を偉そうなことを言っているんだ。自分を見てみろよ。出世競争に目の色を変えているやないか。何だ、あれは口だけか。何だ、あれは立場上、言っていただけか」と思われたのでは、私の14...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦