欧州から見たアベノミクス
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欧州のアベノミクスへの高い関心は「日本病」への憂慮から
欧州から見たアベノミクス(1)EUが抱える課題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
千葉商科大学学長・島田晴雄氏によれば、今ヨーロッパはその深い悩みゆえに、アベノミクスに強い関心を示している。第一次世界大戦後に欧州が掲げた理念、同じようにリーマンショックの打撃を受けながら、日本やアメリカにできてヨーロッパに出来なかったことなどに言及し、ヨーロッパから見たアベノミクスを語る。(全3話中第1話目)
時間:14分05秒
収録日:2015年3月31日
追加日:2015年5月11日
≪全文≫

●パリのシンポジウム開催の経緯


 フランスにあるフランス国際関係研究所(IFRI)では、日本の外務省が後援して、日欧の相互理解促進のためのアクティビティをこの数年続けてきています。その中で、最近フランスを中心にヨーロッパのintellectualな皆さんがアベノミクスに大変強い興味を持っており、アベノミクスとは何なのかということを、ぜひ日本の専門家にしっかり説明してもらいたい。皆で議論して理解ができれば、一段と相互理解が進み、お互いに役に立つこともあるのではないか。このような趣旨で、パリでシンポジウムが開催されることになったそうなのです。

 私はそのようなことが進んでいるとは知らなかったのですが、ある日、外務省から「こういうことだから、シンポジウムに行ってくれないか」と連絡がありまして、大変興味はあったのですが、予定を見たらびっしり詰まっていたのです。そこで、秘書がアポイントを調整して2日半ほど空けてくれて、結局行くことになりました。フランスの研究所も外務省も非常に喜んで、「ぜひやってくれ」と言ってくれました。

 パリにはたった1泊しかできず、しかも往復とも12時間ずつの飛行機でしたから少々ハードな旅でした。現地に着いたらすぐに外務省の人が迎えに来てくれて、その足で会議場に入り、すぐ会議が始まったのです。


●ヨーロッパで高まるアベノミクスへの関心


 「アベノミクスの三つの矢のうち、第一の矢と第二の矢はフランスの人は割合よく知っている。けれども、第三の矢がどうなっているかちっとも分からないので、そこを中心に話してくれ」と司会者から言われ、「はい、分かりました」と答えました。ですが、「そうは言っても、第一の矢、第二の矢がどういうことになっているのかも言わないと、第三の矢の意味が分からないので、簡単にブリーフィングしますよ」ということで始まりました。

 そもそも、なぜヨーロッパの人たちがここにきてアベノミクスに非常に興味を持っているのか、ということが、実は私にとっての興味だったのです。皆さん、本当にかなり強い興味を持っていて、かなり一生懸命、記事も読んでいます。日本でも『フィナンシャル・タイムズ(FT)』を読まれる方がいらっしゃるかと思いますが、3年前には想像もつかなかったほど、FTはいま日本の経済分析、報道をしていますし、時々大きな記事も出ていま...

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