日本企業のグローバル化
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
本質は投資会社?コテコテの日本企業・三井物産
三井物産~純日本企業的な社風と本質、成長課題
大上二三雄(MICG代表取締役)
個性的な形で進む日本企業のグローバル化について、企業コンサルタントとして豊富な経験を持つエム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役・大上二三雄氏が解説するシリーズ。企業紹介の最後は、グローバルな総合商社というイメージが定着している三井物産株式会社。しかし、大上氏は「実はコテコテの日本企業」「総合商社としてのベンチマークがグローバルにない」と言う。果たして同社の本質とはいかなるものか?(シリーズ第2話目)
時間:5分25秒
収録日:2015年1月30日
追加日:2015年5月7日
≪全文≫

●実はコテコテの純日本企業


 このシリーズの企業紹介の最後に、三井物産株式会社を取り上げてみたいと思います。

 三井物産というと、皆さんは非常にグローバルな企業というイメージをお持ちかもしれません。ですが、私の知る三井物産は、本当にコテコテの日本企業です。例えば、聞いてびっくりするのは、毎月1回か数カ月に1回か忘れましたけれど、業後に食堂で誰でも参加していい飲み会をやっているというのです。いる役員は基本的に皆出席して、社長も出れば、会長も出ます。そこでは、フライドチキンなどをつまみにビールを飲みながら、とにかくワイワイガヤガヤ一緒に語り合い、そこに結構社員が集まってきて、楽しく飲んでいるという、今どき珍しいことをやっているのが、三井物産です。

 また、事業部制を導入しています。今でも一応事業部制になっていますけれども、事業部制というのは、どうも全社的な一体感としてよくないということで、必ずしも欧米流のアカウンタビリティが徹底した経営ではなく、むしろ「やりたいならやってみろ」というぐらいの感じで、いろいろな事業展開をやっているという会社です。


●本質は投資会社、バークシャー・ハサウェイに近い


 莫大な資源からの利益があるからこそできる余裕の経営なのかもしれませんが、そういった余裕が、例えば最近も、投資したマレーシアのヘルスケアの企業が上場して、数百億単位の利益(マレーシアのIHH:2015年3月末時点の投資含み益は2000億円超に上る)を上げていましたが、そのような投資の好循環につながっている会社だと思います。

 そういう意味で、三井物産は、総合商社ということで、ベンチマークするモデルがなかなかグローバルにはないと言われていますが、私は、ひょっとしたら、ウォーレン・バフェットの投資会社であるバークシャー・ハサウェイに近いのではないかなと見ています。決して資源のメジャーではない、そういう会社です。


●課題は本社コストも、54歳の新社長を抜擢できる健全さに期待


 ただ、この会社の課題も、やはり日本の会社であるがゆえに、共通的な本社コストです。日本企業ですから、やはり余剰な人員を抱えていくのです。そうすると、抱える場所が結局本社しかなくなってきますので、どうしても本社コストが高くなります。これが、この会社をグローバルで見たときに、やはり競合の中で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
プロジェクトマネジメントの基本(4)スケジュール・マネジメント
スケジュール管理で重要な「クリティカル・パス法」とは
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎