日本企業のグローバル化
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ロシュグループに自ら嫁いで傘下に入った中外製薬の勇気
中外製薬~外資連邦経営の中で行う企業改革
大上二三雄(エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役)
個性的な形で進む日本企業のグローバル化について、企業コンサルタントとして豊富な経験を持つエム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役・大上二三雄氏が解説するシリーズ。今回は、大手医薬品メーカーである中外製薬株式会社。他企業とは非常に対照的な同社のグローバル化とは?(シリーズ第4話目)
時間:4分42秒
収録日:2015年1月30日
追加日:2015年5月18日
≪全文≫

●今後の存立基盤を求めるために自らロシュグループの傘下に入る


 前回、武田薬品についてお話ししましたが、今度は、非常に対照的なグローバル化に取り組んでいる企業ということで、中外製薬株式会社の例を紹介したいと思います。

 中外製薬は、もともと日本の優良な中堅製薬会社でしたが、製薬業界がグローバル化していく中で、自分たちのこれからの存立基盤をどこにどう求めていくのかという選択に直面しました。

 おそらく、グローバルの製薬企業から、いろいろと買収などの打診があった結果だと思いますが、中外製薬は、1800年代末につくられた、もともとはスイスの製薬会社であるロシュグループの一員になることにしました。具体的には、60パーセントの株をTOBによりロシュに持ってもらい、残りの40パーセントはマーケットに持ってもらう。ですから、日本での上場を維持するかたちで、ロシュの連邦経営の中に入っていきました。


●緊張感の中で連邦経営の一員に


 ロシュは、中外製薬以外にも、ジェネンティックやその他いろいろな製薬企業をグローバルの連邦経営の中に取り込んでいく非常に包摂力の高い企業で、やはりそこが選択の基準になったと思います。

 ただ、一方で成果を出していかないと、100パーセント株を持たれ、経営権を完全に失い、いろいろな小改革を上から押し付けられるようになりかねません。そういった意味で、中外製薬は、非常に緊張感のある状況で、グローバルなロシュという連邦の中の一員をやっているのです。


●現状は奏功も、今後は海外進出や世代交代がカギ


 それが非常に功を奏していると思われるのは、中外製薬の抗がん剤などのパイプラインの中で結構いい薬が出てきていまして、結果、それがロシュグループのグローバルな販売ルートで素早く全世界に売られていくことが、中外製薬のいい決算に跳ね返ってくるのです。そのような緊張感が非常に効果的に作用して、今のところはうまくいっているという事例だと思います。

 そういう意味で、武田薬品がさまざまなグローバル企業を買収し、一気に自らを変えていくというようなグローバル化を選んだのに対し、自らアイデンティティーを持ち続け、自分たちの仕組みを維持したまま、連邦経営の中に飛び込んでいき、徐々に自分たち自身の改革を進めていくという選択肢を選んだ結果が、今のところ非常によく出て...

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