平和ボケ日本人への警句―「常在戦場」
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
帰らざる橋、キリングフィールド―戦いを忘れた日本人
平和ボケ日本人への警句―「常在戦場」
行徳哲男(日本BE研究所 所長)
日本BE研究所所長・行徳哲男氏は、子息を強い子に育てたいという思いで約30年前に韓国の38度線を訪れたという。そこで偶然、目にした言葉から「常在戦場」への思いを強くした行徳氏。その忘れがたい言葉を自ら書にしたため、行徳氏が平和ボケしている日本に喝を入れる!
時間:6分36秒
収録日:2014年12月26日
追加日:2015年7月16日
≪全文≫

●息子を強くするため38度線に連れて行く


行徳 私事になりますけれど、私の息子のことをお話ししようと思います。なんとか、息子に強くなってもらいたいと思って、中学一年生になった時に、実は、韓国に息子を連れて行ったのです。それには訳がありまして、38度線に入れることでした。あそこはその当時、戦場と呼ばれていまして、もう30年ほど前のことです。弾が飛んでくるわけですから、そのような所に息子を入れようとしても、中国政府は許可をしないのです。

―― なるほど。つまり、先生は「常在戦場」ということを息子さんに教えるため、最初に朝鮮半島の38度線に入ろうとされたのですね。そして、その時、ある将軍が書いたという掛け軸を目にされたと。

行徳 実はその掛け軸を持ってきているのです。

 私の息子は、当時まだ随分と子どもでしたから、肩にカメラを担いで、まるで観光気分だったのです。そこで、許可は下りたのですが、条件があると言うわけです。それは、私と息子が戦場に入って弾に当たって死ぬ、あるいはけがをしたとしても、国際法上の申し立ては一切しないというものでした。ですから、日本でどのような保険に入ってきても、戦場ですから使えないということです。その書類にサインしてもらえるのであればご案内します、ということでしたので、サインをして北側に向かったわけです。


●着いた場所は南北を分ける「帰らざる橋」


行徳 それまで、私の息子はカメラを担いで観光気分でした。ところが、そんなものが片っ端から砕かれていくわけです。大体、道路にやたらと橋桁があるのです。橋もないのに橋桁だけあるわけです。私は、「何ですか。このような道路の真ん中に橋桁がたくさんありますけど」と聞いたら、それは全部爆薬でした。つまり、ボタンを一つ押すことによって、その橋桁を全て爆破し、戦車を通れないようにするためだったのです。

 それは、真夏の猛烈な暑い日でした。クーラーの効いた車は用意してもらえませんから、窓を開けて走るわけです。そこは地雷の中を縫って行っているため、もしタバコを外に捨てて、その火が地雷の雷管に当たったら、一瞬で車がふっ飛びます。

 そのような中で、息子はだんだん緊迫し始め、そして、着いた場所があの「帰らざる橋」でした。もう25年ほど前にベルリンの壁はなくなりましたけれど、まだ韓半島には、汚れてしまいまし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男