リーダーのための感性哲学「煩悩を生きる」
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
美しさや気高さは過ちを犯した人でなければ出てこない
リーダーのための感性哲学「煩悩を生きる」
行徳哲男(日本BE研究所 所長)
われわれは「なぜ?」を問い過ぎる、と日本BE研究所所長・行徳哲男氏は言う。「なぜは要らない。ただ目の前の煩悩を食らうべし」と喝破する行徳氏の真意は「感性=紛れもない私」を取り戻すことにある。氏の目を通した弥勒菩薩、親鸞、田中角栄、キルケゴール、そしてナポレオンと内蔵助のリーダー比較論は、感性の弱り切った現代人へのカンフル剤である。
時間:12分29秒
収録日:2014年12月26日
追加日:2015年7月30日
≪全文≫

●若者よ、弥勒菩薩の美しさに触れてこい


―― 先生はよく「京都に行ったら、広隆寺で弥勒菩薩を見てこい。あの美しさは、罪を犯したものでないと分からん」と言われていますね。

行徳 広隆寺の仏像は、本当にきれいです。いいですよ。何とも言えないですね。

―― 先生に言われてから、弥勒菩薩を見に広隆寺へ行くようになりましたが、やはりすごいですね。

行徳 そうですか。大仏とは全く違う、等身大の魅力があります。私は弥勒菩薩には本当に救われます。ですから今、若者たちにも何かあったら「弥勒菩薩の所へ行ってこい」と言っています。

―― 弥勒菩薩を発見して、そのことを最初に言ったのは外国人でしたね。ブルーノ・タウトでしたか?

行徳 それは、ドイツのカール・ヤスパースです。

―― カール・ヤスパースでしたか。やはり一流の人が見ると分かるということですね。

行徳 しかも、この像は作者不明ですから、誰が彫ったか分からないのです。

―― なるほど。先生はこの像を初めて見た時、ヤスパースのように思われたのですね。

行徳 そうですね。ヤスパースは、このようなことを言っています。「自分は30年間、世界中の美術品や彫刻を見て回ったけれど、この菩薩に勝る美しさと気高さを持った像はどこにもなかった。人間が達しうる最高の気高さと最高の美しさを持った像が、この弥勒菩薩だ」と。


●親鸞と田中角栄に通じる「悪の研究」


行徳 しかし、「この美しさや気高さは、過ちや罪を犯した人間でなければ出てこない」とも言っています。悪の研究をしないと、善は決して分からないですからね。

―― やはり対象物のところにまで行かないと、見えないものがあるのでしょうね。人間としての体験量が少ないと分からない。

行徳 見えないのです。親鸞の言葉にも「悪人なおもて往生す」とあります。善人が救われるのであれば、悪人こそ救われていいということです。

―― 「悪人正機説」ですね。やはり悪の研究をして、そこが見えない間は、いいことや役に立つことはできないのですね。

行徳 悪の研究は大事です。その点では、やはり田中角栄さんあたりが、いい意味でも悪い意味でも、日本の真の宰相といえる最後の人物だったでしょうね。田中さんを見ていると、紛れもなく「私を生きた」人だと分かります。良かろうが良くなかろうが、です。

―― 良かろうが良くなか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
西郷南洲のリーダーシップ(1)薩長同盟と江戸城無血開城
江戸城無血開城で日本の危機を救った西郷隆盛の問題解決力
田口佳史
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツ・アカデミー
教養とリベラルアーツの違い…一般教養からWhy、Howへ
曽根泰教
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(3)害なき利とコミュニティの時代
強欲資本主義は死んだ…他者を助けることのできる他者を助ける
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将