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DATE/ 2017.06.14

知ってる?市販の目薬の正しい使い方

視神経を酷使する現代人にとって、目薬はありがたい存在。疲れたら休ませれば治りますが、そうは言っていられずに目薬に頼りたくなるときがありますよね。眼科医にかかれば安心できますが、そんな暇もないと市販薬ですませている方も多いことと思います。

では、日常的にさしているその目薬、どんなものかちゃんとわかってさしていますか。深く考えずに使っている目薬も、選び方や使い方を間違えると、かえって目に良くないのです。でも今から見直せば大丈夫! 長期間使うには注意すべき目薬について、確認してみましょう。

市販の目薬は本当にだめなのか

 目薬にはさまざまな種類があります。総合的に効く一般点眼薬、ものもらいや結膜炎に効果を示す抗菌性点眼薬、涙に似た成分で作られていて目にうるおいを取り戻してくれる人口涙液など、症状によって選べるようになっています。とはいえ種類が豊富すぎて、とりあえずこれでいいかな、と買ってしまいたくなりますよね。

みなさんは市販の目薬は良くない、という噂を聞いたことはありませんか。病院で処方されるものと薬局で買えるものが何となく違うのだということはわかりますが、決定的なところはどこで分けられるのでしょうか。

市販の目薬の多くは、防腐剤が含まれています。これは長く使えるようにするためです。一般点眼薬は、3か月を目安に使うように書かれています(実際のところ、最近は防腐剤濃度が薄くされているため1か月で使い切ることを推奨しているようです)。もし防腐剤が入っていなければ、1週間ほどで使い切らなくてはいけません。

防腐剤の入った目薬は日常的に使用すると、目の表面を傷つけてしまうおそれがあります。特に気をつけなくてはならないのがドライアイの人。涙が出にくいと、防腐剤が流れていかず、目の中にとどまってしまいます。コンタクトレンズを使用している人もレンズに防腐剤が付着し、角膜を傷つけてしまう可能性があります。

もう一つ注意すべき成分が、血管収縮剤というもの。目の充血をとってくれる目薬に入っています。あの赤みをとってくれるなんて頼もしい味方のはずですが、実は目の中ではこんなことが起きているのです。

 血管収縮剤は、その名の通り血管をせばめ、細くすることによって一時的に充血を治してくれます。しかしそれは本当に治っているわけではありません。血管が収縮することによって目に送られる酸素量が減ってしまった、と気づいた人間の体は、酸素や栄養を何としても送り込もうと頑張ります。その結果血管が太くなってしまいます。するとかえって充血がひどくなってしまう危険性があるのです。

 だからといって、血管収縮剤が入っているから必ずしもだめなわけではなく、日常的に使わない、コンタクトレンズをしているときはさらに酸素量が少なくなるため使わない、ということを頭に置いておくことが大切です。コンタクトレンズをされる方はコンタクトレンズ用の目薬がありますので、それを使うのが一番良いですね。

手軽に買えても薬です

 こうしてみると、市販の目薬を使うのもためらってしまいますよね。でもすべてが悪いというわけではないのです。かすみ目を改善するために必要なビタミンが入っていたり、かゆみによる炎症を防ぐマレイン酸クロルフェニラミンが入っていたり、と症状によってそれぞれ必要な成分が入っているわけですから、ちゃんと選んで必要なときに必要なだけ使えば市販のものでも良い効果を得られるのです。

 また、涙に似せて作られた人口涙液については、一週間ほどしか使用期限がないようなものに関しては、比較的安心に使えます。目薬も薬ですから、やみくもに使うのではなく選び方も使い方も考えていくことで、これからの大切な目を守っていきたいですね。

<参考サイト>
・大阪梅田のワタナベ眼科 目薬のお話
http://www.jpncl.com/c25.htm
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