テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.11.25

脱サラに失敗する人の共通点と末路

 「脱サラ」とは「脱サラリーマン」の略語です。ブラックな環境に見切りをつけて「いざ転職」であればそれほどリスクは少ないですが、「脱サラ」となると話が違ってきます。ただ会社を辞めることが「脱サラ」ではないんですね。この点が重要です。雇用されているという働き方を改め、独立して事業や商売を行い、新たな生活基盤を築いていくことを求められます。

 サラリーマンを脱して、起業するということは、収入や給料が売上げとなることを意味します。給与はそれなりに保証されますが、売上げに保証はありません。今回はそんな、脱サラからの失敗についてフォーカスしてみましょう。

脱サラすることのメリット、デメリット

[脱サラするメリット]

・自分の意志で時間を使えるようになる
・場所を選んで働くことができる
・固定された人間関係に悩まされることがなくなる
・収入制限がなくなり可能性が拡がる
・自分が本当にやりたい仕事に打ち込める

[脱サラするデメリット]

・経済的に不安定になる可能性
・あらゆる面で責任が問われ、自己責任が基本
・社会的な信用が乏しい状態からのスタート
・経理処理など全て自分で行わなければいけない

脱サラ失敗の末路

 脱サラすることのメリットは、限りない自由です。その代償は、限りない不自由としての経済的な困窮にみまわれます。資金が底をついて「自己破産」という末路も。

 自己破産をすると、借金は全額免除されますが、20万円以上の生活必需品以外の資産は全て没収になります。また、金融機関から5年~7年程度借り入れができなくなります。

 借金や保証人などで関わっている親族にも迷惑が及びます。配偶者や子どもがいる場合は離婚の原因ともなり、一家離散となる可能性もでてきます。

 なお、会社で失敗する場合と違い、社会で失敗したという烙印によって信用が失われ、思うような再就職も難しくなるでしょう。

 経済的不自由さは犯罪に手を染めるばかりでなく、自死に至るケースも少なくありません。

なぜ失敗するのか、失敗する人の共通点

 会社を辞めることをゴールにするようなケースは失敗の一里塚です。現状のサラリーマン環境から逃避的に脱サラする場合、雇用が打ち切られるなどやむをえない状況からといった消極的な理由からの脱サラは失敗する可能性が高いです。上述したデメリットからのリスクを軽減するための準備が足りないことが失敗の要因になるからです。失敗する人の共通点としては、独立への意志だけでなく、計画と準備の不足があげられます。

 しっかりとした目標設定と入念な情報収集からの準備なくして、脱サラの成功は勝ち得ません。ちなみに、起業からの事業継続は難しく、1年で半分以上の事業が潰れてしまうというデータもあります。10年間続く事業は僅か6%といわれています。また、死にものぐるいで頑張るだけでは、どうにもならないことがあります。そんなどうにもならない時のために必要なのが脱サラ生活を撤退するボーダーラインです。最悪の事態に陥らないよう、ギリギリ踏みとどまり、次の転換ができるような準備もしておきたいところです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本は再エネが難しい!?再エネ比率が高い国との相違点

日本は再エネが難しい!?再エネ比率が高い国との相違点

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(3)電力の部分最適と全体最適

サステナブルな電力の供給と消費が求められる現代社会。太陽光発電のように電力の生産拠点が多元化する中で、それぞれの電力需給と国全体の電力需給のバランス調整が喫緊の課題となっている。実はヨーロッパなどの「再エネ比率...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/04/27
岡本浩
東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者
2

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教

ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
橋爪大三郎
社会学者
3

イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折

イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(2)ChatGPT開発秘話

仕事をはじめさまざまな生活シーンで多様な役割をこなすチャットボットとなった「ChatGPT」。OpenAIが公開したこのサービスが世界中を驚かせるまでには、その創業に携わったサム・アルトマンとイーロン・マスクの対立など紆余曲...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/26
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
4

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか

普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
山内昌之
東京大学名誉教授
5

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元

日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
釘貫亨
名古屋大学名誉教授