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単身赴任が招く危機…浮気・離婚の実情とは?
4月から人事異動で単身赴任という方、またそのご家族も少なからずいることでしょう。最近では、単身赴任向けサービスを展開する引越し業者もありますし、単身赴任男性専用の食事付きマンションも人気だと聞きます。少しさかのぼりますが、単身赴任がピークとなった時期でもある平成16年の時点で厚生労働省が発表した調査では、約2割の一般企業に単身赴任中の社員がおり、従業員が1000人以上の規模の大企業になると、その8割に単身赴任をしている社員がいるとのこと。その後も増加傾向にあり、多くのサラリーマン世帯に「単身赴任」という運命が訪れる可能性があるのです。
家族と遠く離れて生活し仕事をする単身赴任は、本人にとっても家族にとっても寂しく不安ですが、そんな中でも一番の心配事といったら、やはりパートナーの「浮気」ではないでしょうか?
今回は実際に単身赴任を経て、浮気や離婚に直面した男女に、実情を取材してみました。
日本人にこの離婚の割合があてはまるかどうかは微妙ですが、実際に単身赴任経験のある夫を持つ女性4人にお話を聞いてみたところ、全員夫が「浮気していた確信がある」「あやしいと思う行動があった」と教えてくれました。
具体的に夫のどんな行動で浮気を知った、または疑ったのかと聞いてみたところ、「赴任先の部屋に行ったら、料理をしない夫なのに鍋に煮物があった」「初めは月に2度は自宅に帰って来たのに、半年後には2カ月に1度くらいに減り、あやしいと思って問いつめたら白状した」「自宅に戻っているとき、”早く帰ってきてね”と女性からメールが来た」、といった浮気騒動があったといいます。
しかし、その後4人のうち3人は、「出来心だったのかも」「寂しかったのかもしれない」と折り合いをつけて夫婦関係を立て直し、いまも離婚せずに続いています。このほかに「単身赴任終了後は関係が切れているから許した」という女性もおり、いずれにしても、単身赴任先での夫の浮気には「仕方ない」と目をつむる妻が多々いるようです。
・Tさん(42歳・マスコミ)
震災後、子どもの健康などを考えて、東京から妻の故郷である福岡に転居。夫は会社を辞めずに、単身赴任で東京勤務を続け定年後に福岡で暮らす予定だった。はじめは毎週末帰っていたが、そのうち妻から「今週は予定があるから無理して帰らなくてもいいよ」と言われることが増え、それに甘えていたら、最終的には離婚を切り出される。妻が地元の同級生と再会し恋愛関係になり、離婚してそちらと再婚したいとのことで別離に。
・Sさん(46歳・食品メーカー)
仙台から東京へ転勤になったが、子どもの学校問題や新居を建てたばかりだということもあり、単身赴任に。東京勤務が1年過ぎたころから妻が仕事を始め、子どもの世話という名目で実家には妻の両親が入り浸るように。月に1度は戻っていたが、家庭に自分の居場所がないような感覚になり、足が遠のくようになってしまった。仕事が順調な妻は職場の男性と浮気もしており、夫は「居なくても平気」な状態に。離婚を言い渡された。
このように、TさんもSさんも、単身赴任終了後に帰る場所がなくなってしまうという結果に。家族のために選択した単身赴任で、こんな悲しい末路に陥るとは思ってもみなかったことでしょう。ふたりが口を揃えて言っていたのは、「もっと頻繁に帰っていれば良かった」ということ。
単身赴任といったら「夫の浮気」というのがよくあるケースだと思いきや、妻側の浮気が原因での離婚も増えているようです。ひとり遠くで仕事をする夫も大変ですが、その帰りを「待つ」妻の試練も相当なもの。残された妻の方が寂しさを感じやすく浮気に走ることもあるでしょうし、自宅に住み、仕事も安定していれば「夫がいなくても大丈夫」と思うようになってしまうのも、わからないでもない気がします。
しかし「居なくても平気」になるのは、一緒に居ない時間を長く経てこそ。時間やお金、体力も必要ですが、少し無理をしてでも帰宅をする機会を増やし、家族とコミュニケーションをとること以上に、最良な対策はないかもしれませんね。
<参考文献・参考サイト>
・『人の心はひと言で操れる』(内藤誼人著、PHP研究所)
・平成16年就労条件総合調査結果の概況(有配偶単身赴任者対策より)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/04/4-4.html
家族と遠く離れて生活し仕事をする単身赴任は、本人にとっても家族にとっても寂しく不安ですが、そんな中でも一番の心配事といったら、やはりパートナーの「浮気」ではないでしょうか?
今回は実際に単身赴任を経て、浮気や離婚に直面した男女に、実情を取材してみました。
妻たちに聞く「単身赴任夫は浮気した?」
妻である女性側からすると、監視の目がなく自由のきく単身赴任先での夫の浮気は、同居している状態よりもリスクが高いと思うのは当然。心理学者の内藤誼人さんは著書『人の心はひと言で操れる』のなかで、「ノースカロライナ大学のロナルド・リンドフス博士の調査によると、離れて暮らす夫婦は、3年以内に離婚する割合が、一緒に住んでいる夫婦よりも2倍も多いそうだ。」と、調査結果に触れています。しかし、アメリカの場合、単身赴任自体がレアなケースで、夫の転勤に帯同するのがほとんど。単身赴任を選択する時点で家庭がうまくいっていない場合も多いのかもしれません。日本人にこの離婚の割合があてはまるかどうかは微妙ですが、実際に単身赴任経験のある夫を持つ女性4人にお話を聞いてみたところ、全員夫が「浮気していた確信がある」「あやしいと思う行動があった」と教えてくれました。
具体的に夫のどんな行動で浮気を知った、または疑ったのかと聞いてみたところ、「赴任先の部屋に行ったら、料理をしない夫なのに鍋に煮物があった」「初めは月に2度は自宅に帰って来たのに、半年後には2カ月に1度くらいに減り、あやしいと思って問いつめたら白状した」「自宅に戻っているとき、”早く帰ってきてね”と女性からメールが来た」、といった浮気騒動があったといいます。
しかし、その後4人のうち3人は、「出来心だったのかも」「寂しかったのかもしれない」と折り合いをつけて夫婦関係を立て直し、いまも離婚せずに続いています。このほかに「単身赴任終了後は関係が切れているから許した」という女性もおり、いずれにしても、単身赴任先での夫の浮気には「仕方ない」と目をつむる妻が多々いるようです。
夫たちに聞く「妻からの離婚勧告の原因は?」
一方で、単身赴任から浮気、そして離婚へ至ったケースも。単身赴任をしていた男性2人からその顛末を伺いました。・Tさん(42歳・マスコミ)
震災後、子どもの健康などを考えて、東京から妻の故郷である福岡に転居。夫は会社を辞めずに、単身赴任で東京勤務を続け定年後に福岡で暮らす予定だった。はじめは毎週末帰っていたが、そのうち妻から「今週は予定があるから無理して帰らなくてもいいよ」と言われることが増え、それに甘えていたら、最終的には離婚を切り出される。妻が地元の同級生と再会し恋愛関係になり、離婚してそちらと再婚したいとのことで別離に。
・Sさん(46歳・食品メーカー)
仙台から東京へ転勤になったが、子どもの学校問題や新居を建てたばかりだということもあり、単身赴任に。東京勤務が1年過ぎたころから妻が仕事を始め、子どもの世話という名目で実家には妻の両親が入り浸るように。月に1度は戻っていたが、家庭に自分の居場所がないような感覚になり、足が遠のくようになってしまった。仕事が順調な妻は職場の男性と浮気もしており、夫は「居なくても平気」な状態に。離婚を言い渡された。
このように、TさんもSさんも、単身赴任終了後に帰る場所がなくなってしまうという結果に。家族のために選択した単身赴任で、こんな悲しい末路に陥るとは思ってもみなかったことでしょう。ふたりが口を揃えて言っていたのは、「もっと頻繁に帰っていれば良かった」ということ。
単身赴任といったら「夫の浮気」というのがよくあるケースだと思いきや、妻側の浮気が原因での離婚も増えているようです。ひとり遠くで仕事をする夫も大変ですが、その帰りを「待つ」妻の試練も相当なもの。残された妻の方が寂しさを感じやすく浮気に走ることもあるでしょうし、自宅に住み、仕事も安定していれば「夫がいなくても大丈夫」と思うようになってしまうのも、わからないでもない気がします。
しかし「居なくても平気」になるのは、一緒に居ない時間を長く経てこそ。時間やお金、体力も必要ですが、少し無理をしてでも帰宅をする機会を増やし、家族とコミュニケーションをとること以上に、最良な対策はないかもしれませんね。
<参考文献・参考サイト>
・『人の心はひと言で操れる』(内藤誼人著、PHP研究所)
・平成16年就労条件総合調査結果の概況(有配偶単身赴任者対策より)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/04/4-4.html
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