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DATE/ 2017.05.22

警察官が語る「職務質問されやすい」人の特徴

 国会での共謀罪(テロ等準備罪)に対する論議が今ひとつ盛り上がりませんが、警察による職務質問に関する注目度は上昇しています。

 警察官による見回りや警備、職務質問などが強化されていくと、今のようにのんびり「職質なう」とのツイートもできなくなるでしょう。

 今回は、職務質問の現状について、調べてみました。

あなたは「職質」された経験がありますか?

 これまでで最も大規模な調査は2013年6月。インターネット上のアンケートサイトであるリサーチパネル(会員数156万人)が行なった「警察から職務質問を受けたことはありますか?」とのアンケート調査(回答総数:35,113件)に、72.9%が「ない」、27.1%が「ある」と答えています。

 「自転車の無灯火」は、警察官に呼び止められやすい状況ナンバーワンのようですが、何も心当たりがないのに警察官に呼び止められ、嫌な思いをしたことがある人は少なくありません。「職質」の経験者は、性別でいうと男性が圧倒的に多いようです。職務質問にあいやすいタイプはあるのか? と考える前に、まず職質とは何かを法律から見ていきましょう。

職務質問の法的根拠とは?

 職務質問は、戦前の日本では「不審尋問」と言われていました。まさにその通り、「不審者かどうか」「犯罪を起こそうとしているのではないか」という疑いのもとに、警察官が市民を呼び止め、身分証明や荷物確認を行なおうとする行為です。

 この行為は、警察官職務執行法第二条1項に「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。」と定められています。

 2項には、質問をすることが本人に対して不利になるとき、あるいは質問によって交通妨害が起こりそうなときには、付近の警察署や派出所、駐在所に「同行すること」を求めることができる、とあります。あくまでも「同行を求めることができる」だけで、呼び止められた側には拒否する権利があります。それを定めたのが3項です。

 法律から見ると、受けた側が職質と思っている「自転車の無灯火」は、交通検問の一種とみなすことができそうです。

職質された有名人たち

 俳優・声優・タレントなどの芸能人には、意外に職務質問された体験を持つ人が多いのが分かっています。

 例えばKDDIの「au三太郎」シリーズのCMで金太郎役の印象が強い、俳優の濱田岳さん。彼は1月29日放送の日本テレビ系「おしゃれイズム」で、職質に関するエピソードを語りました。

 濱田さんは長ズボンを履いていると「どうも調子出ない」というほどの半ズボン派。しかし、寒い冬場に半ズボンを履いて歩いていると、やたらに職務質問を受けることに気づきました。そこで、試しに半ズボンの下にレギンスを履くようにした途端、「めっきり呼び止められなくなった」とのことです。この「季節に合わない」服装は、薬物の乱用による知覚異常が疑われたものと思われます。

 映画「百円の恋」で日本アカデミー賞助演男優賞を獲得した俳優の新井浩文さんは、「現役の俳優部で職質されてる回数、日本で一番の自信ある」と、ツイッターでぼやいています。FRIDAYでの女優さんとの交際発覚記事で「ボサボサ頭のヒゲ面男」と報じられた外見は、警察官のアンテナをことのほかくすぐるよう。本人によると、「だいたい年4回くらい職質されている」と、かなりの確率を記録しています。

 ベテラン声優として「キン肉マン」などもこなしている神谷明さんは2016年5月、「足早に歩いていた」という理由で職務質問を受け、持ち物を調べられた経験をツイート。警視庁牛込署から「振り込め詐欺防止アドバイザー」を委嘱されたばかりだった神谷さんは、警官の「怪しい(感じであろうとなんであろうと)と思えば、相手の言うことなど聞く耳を持たないという態度」に対して、「善意が踏みにじられた気がしております」とブログ上で嘆いています。

職質されやすい人の特徴はあるの?

 では、実際に「職質にあいやすい」タイプはあるのでしょうか。不審者の共通点をリスト化しているのは、警視庁地域指導課で職務質問指導第1班に所属する高橋明子さんです。リストは、「靴が汚い」「(猛暑でもないのに)汗だくになっている」などの10項目があり、2-3項目が該当すれば、声をかける基準にしているとのこと。

 警察や警察関係機関向けの教本などを制作・販売する立花書房の電子書籍では「不審者発見のポイント」として、警察官があいさつの言葉をかけたときに、うつむく・目をそらす・目を合わせようとしない、といった目の動きをする人物は要注意と教えます。

 また、警察官が声をかけた際に、立ち止まる・反転逃走する・急に店(または路地)に入る・通り過ぎてから振り返る・聞こえないふりをする・鞄を抱え込む・逆に質問してくる(道を聞くなど)場合も、不審者の確率が高いということです。

 不意の職務質問は面倒ですが、拒否したり避けようとすればするほど疑惑は強くなる一方なので、素直に協力するのがよさそうです。

<参考サイト>
・警察から職務質問を受けたことはありますか?
https://research-panel.jp/rpdr/view.php?eid=255641
・職務質問される「怪しい」人の基準 即座に解放される術とは?
http://www.iza.ne.jp/topics/events/events-9663-m.html
・「職質プロ」の女性警官 靴の汚さや汗だくが声かけの基準に
https://www.news-postseven.com/archives/20160204_381752.html
(10MTV編集部)