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DATE/ 2017.08.22

失敗しないクリーニング店の選び方

 みなさんがクリーニング店を選ぶときの基準は何ですか?値段、近さ、クオリティなど、ポイントはさまざまでしょう。昨今ではお店でクリーニングをする自家洗い店や、提携工場でクリーニングをする取次店に、ネット宅配店など新たな業務形態も加わって選択肢も広がっています。それによって価格競争はさらに激化し、コスト重視で選ぶ人が増えるのはうなずけます。しかし、価格だけでお店を選んでしまってよいのでしょうか。思った通りの仕上がりが得られなかったり、対応によってはトラブルが起きてしまうこともあるので注意が必要です。

 トラブルといっても、お店に悪意があるわけではなく、単に事故が起きてしまうこともあります。ケースによってはお金で解決できることもあるでしょう。しかし、ビンテージものや特別な思い出のある洋服など、お金では修復できない洋服も扱うのがクリーニングです。トラブルに巻き込まれることなく、またそれによって悲しい思いをしないためにも、消費者側が賢く、信頼できるお店を選ぶことが大事です。

信頼できるクリーニング店を選ぶには?

 まず、われわれ消費者にも簡単にできる「信頼できるお店かどうか」を見極める方法をお教えしましょう。それは受付の対応を見ること。衣服を預ける際に、しみやほつれ、ボタンの有無などを確認できていれば、受け取りのときに「あった、ない」でトラブルが起こる可能性はぐんと減ります。また料金や処理方法をきちんと説明してくれるか、預かり証を発行してくれるか、などのポイントもあわせて、いい店か悪い店かを判断するとよいでしょう。

 「Sマーク」を表示しているお店を選ぶのもひとつ。このマークを表示しているお店は「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業しており、事故が起きた際には「クリーニング事故賠償基準」に基づいて賠償してくれます。「クリーニング事故賠償基準」は消費者保護のためにつくられたものなので、万が一のときでも安心です。

 また「LDマーク」のお店もよいでしょう。「LDマーク」は各都道府県のクリーニング生活衛生同業組合加盟店に表示されており、事故の際には「クリーニング事故賠償基準」に基づいて対応してくれます。このようにトラブルが起きたときの対応のことを考えて、「Sマーク」「LDマーク」のお店を選ぶという方法もあります。

クリちゃんは信頼できるクリーニング店のシンボル

 ほかにも関東地方限定ではありますが、「クリちゃんマーク」のお店を目印にするというのもあります。オレンジと赤のにこにこマークに見覚えはありませんか。そう、あれが「東京都クリーニング生活衛生同業組合」のシンボルマークなのです。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県の1都4県のクリーニング組合加盟店で使用されています。

 クリちゃんマークの歴史は古く、誕生は1975年前後。1973年のオイルショックによる需要減少や、大手チェーン店などの進出による低価格競争などに悩んでいた小規模事業者たちが「安心と信頼」をPRするために作り出したもの。つまり「信頼されるクリーニング店」の象徴なのです。

 また、クリちゃんマークのお店は自家洗いのお店が多く、専門的な知識とともに応対してもらえる可能性が高いのもメリットです。東京都クリーニング生活衛生同業組合のホームページでは、お住まいの地域のクリちゃんマークの店舗を検索できるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。

<参考サイト>
・東京都クリーニング生活衛生同業組合
http://www.tokyo929.or.jp/consumer/929.php
・東京くらしWEB
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/
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