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DATE/ 2017.10.30

節約にならない?カフェのマイボトル持参

 スターバックスコーヒー、エクセルシオール・カフェなどは20円引き、タリーズコーヒーは30円引き、上島珈琲店では50円引き、コンビニエンスストアでも、ローソンで10円引きなど、様々な場所で「マイボトル割」が行われています。

 自分でコーヒーや紅茶を入れるボトル(タンブラー)を持参することによって、一杯数十円安くなるというものです。おしゃれだし倹約にもなると使っている人もいますが、実際のところどうなのでしょう。

エコ意識と倹約

 PRESIDENT Onlineのコラム「スタバ『マイボトル』の人は浪費家だった エコ意識は高いが節約意識は低い」では、賢くないマイボトルの使い方をする人たちを「マイボトルバカ」と疑問視しています。

 マイボトルを持ち歩く意識のある人の中には、例えば、「スターバックスのロゴ入りのものが良い」など、カフェブランドにこだわってボトルを選んでいる人が多いとのこと。また、1000円台から機能的なボトルもある中、カフェブランドボトルは3000円以上するものが多く、デザイン性重視で肝心の機能性(重さ、断熱性など)に欠けるという視点から、倹約になっていないのではと疑問を投げかけているのです。

 デザインとブランドにこだわることは気持ちとして理解しつつも、エコ意識をさらに進めて倹約に徹するのであれば、安価で機能的なマイボトルを購入して、コーヒーを美味しくいただくのが、消費者にとって賢いやり方でしょう。

マイボトルから、マイバッグ、マイ箸へ

 とはいっても、カフェ・チェーンがブランド戦略に基づいて販売する高価なマイボトルを購入し使用することは、確かに倹約にはなっていませんがエコへの貢献ということで否定されるものではありません。

 スーパーでお買い物するときにマイバッグを使用し無償のレジ袋は使わない、外食の時もマイ箸を持参して割り箸などを使わないという習慣は、社会的に少なからず拡がっています。2008年に千趣会が調査した『ベルメゾン生活スタイル研究所 スタイルモニターレポート Vol.23』によると、マイバッグを持っている人は92.1%、マイ箸を持っている人はほぼ4人に1人という結果がレポートされています。

 大型のレジ袋(10g)を1日1枚利用していた人が、マイバッグの利用に切り替えた場合、年間3.6kgのごみ削減となり、原油約6.7リットルの節約(レジ袋1枚=18.3ml)、CO2約14.6kg削減(レジ袋1枚=CO2が40gとして計算した場合)=ブナの木約1.3本の吸収量に相当するといいます。

 倹約も意識しつつ、エコへの貢献できるような、生活スタイルが望まれるところです。

<参考サイト>
・PRESIDENT Online スタバ「マイボトル」の人は浪費家だった エコ意識は高いが節約意識は低い
http://president.jp/articles/-/22872
・千趣会:『ベルメゾン生活スタイル研究所 スタイルモニターレポート Vol.23』
http://www.senshukai.co.jp/main/top/pdf/080620_nextmybag.pdf
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