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要注意!「お風呂でスマホ使用」の感電リスク
浴室でのスマホ使用で感電死
浴室は家のなかで最もリラックスできる場所です。湯船につかりながら読書を楽しむ人も少なからず、今では、動画を観たり、ゲームをプレイしたりと、浴室でタブレットやスマホコンテンツを楽しんでいるという話をよく聞くようになりました。かつては、ジップロックなどビニール袋で防水対策をして浴室に持ち込む方法がありましたが、最近のスマホは防水が標準となっていることもあり、より持ち込みやすくなっているといってよいでしょう。
2017年7月、そんな浴室でのスマホ使用で感電死というニュースが報道されました。亡くなったのはテキサス州の14歳の少女です。シチュエーションとしては、遺体のそばには携帯、充電ケーブル、延長コードが確認され、コンセントから延長コードで充電しながら浴室でスマホを使用していたようです。
最新の防水スマホは故障のリスクを大幅に軽減
「浴室での読書あるある」ですが、読書しながらウトウトして、本を水没させてしまうことがあります。ふやけた本は元にもどりませんが、最新の防水仕様のスマホであれば、完全ではないようですが故障のリスクが大幅に軽減された仕様になっています。スマホの防水・防塵性能を表わす指標として、「IP67」や「IP65/IP68」といった表現が使われています。これは、「国際電気標準会議(IEC)」が規定した防水・防塵性能の等級を表わし、「日本工業規格(JIS)」も準拠採用しています。
「IP」のあとに続く2ケタの数字のうち、前の数字(第一特性数字)が防塵性能の等級を表わし、後の数字(第二特性数字)は防水等級を表わしています。
ちなみに、Apple社のiPhone 8/8 Plusは「IP67」です。防塵に関する等級が「6」で、防水に関する等級が「7」となり、そのWikipediaの解説によると、粉塵が中に入らない(耐塵形)、一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)仕様となります。
こうした防塵防水仕様となると、浴室で使いたくなる気持ちもよくわかります。
世界で起こっているお風呂での感電死
米国少女の痛ましいケースは、スマホ単体であれば、内蔵電池の電圧的に感電することはなかなかありませんが、漏電のリスクを知りつつも、プラグからの延長コードの破損を見落として事故感電したようです。一般的な感電による人体への影響は、20mA程度で身体が痙攣をおこし、呼吸困難となり(電気が流れ続けると死亡)、100mAで致死的といわれています。日本のコンセントから得られる交流100Vが漏電し濡れた人体に触れると50mAを超える電流が体内に流れることになるので、死のリスクはいうまでもないでしょう。ましてや、米国は120V、欧州では200Vを越える電圧です。
同様の感電死は、2015年モスクワで、2017年2月にフランスの18歳少年、3月にはイギリスの男性と、充電をともなう風呂使用で報告されています。
米国少女のニュースが日本でこれほどまでに取り上げられたのは、「これは誰にでも起こりえること。誰にもこんな思いはさせたくない」と、遺族がFacebookで注意喚起を呼びかけ、数千回シェアされたことによります。
浴室ではくれぐれもスマホ単体での使用に留め、コンセントからはもとよりチャージャーも含めて、充電しながらの使用は厳重に慎みましょう。
<参考サイト>
・ウィキペディア:電気機械器具の外郭による保護等級
https://ja.wikipedia.org/wiki/電気機械器具の外郭による保護等級
・いしゃまち:感電は命の危険も!体に与える影響や対策を紹介
https://www.ishamachi.com/?p=49924
・ウィキペディア:電気機械器具の外郭による保護等級
https://ja.wikipedia.org/wiki/電気機械器具の外郭による保護等級
・いしゃまち:感電は命の危険も!体に与える影響や対策を紹介
https://www.ishamachi.com/?p=49924
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