社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
40代以上の中高年が転職に失敗してしまう理由
終身雇用も崩壊して久しい今日この頃、誰もが転職や再就職に無縁とは言い難い世の中です。40代、50代の働き盛りでも会社が倒産、リストラなどで離職の憂き目に追い込まれる方も少なくありません。
転職業界では、かつては35歳限界説なるものが囁かれていましたが、昨今では労働人口自体が減ってきて、もっと上の年齢層も雇うようになり始めているとか。それでも中高年の転職、再就職は若い人よりは難しいといわれていますが、年齢だけがネックではないとの指摘も出ています。
求職者個人の年齢や職種、経験、時期的な問題、運などもあって、一概にこうという答えは導き出せませんが、実際に転職・再就職を経験した人に話をうかがってみました。
企業で秘書を務めていた50代女性のケースです。寿退社で家庭に入り、その後子どもが自立したから何かできることはないかと再就職先を探したとのことでした。しかし、離職期間が長いのもあり秘書としては求人がないと、考え方を変えたそうです。秘書としてではなく、秘書の経験を活かせる方法はないかということで、裕福な高齢者がメインの客層である仏具屋での仕事が決まりました。彼女の元重役秘書の丁寧な対応が接客能力に高く評価されたそうです。
就職支援関連で働く方々が唱えるのは、履歴書を書くよりもまず自分に何ができるのか、冷静に分析してみるようにとのことでした。自分はこの職については詳しい、あるいはこれしかできないとの思い込みから応募の間口を狭くしてしまい、結果的になかなか就職できないというパターンがよく見られるそうです。前職で学んだことを他で活かせる道がないか調べてみるのも成功への助けになるかもしれません。
予想外の展開に、何が原因だろうかと話し合ってみると、クライアントの言葉にBさんも呆れかえってしまったとのことでした。なんとこの男性、挨拶もなく入室し、面接官が促すよりも先に椅子に座ってふんぞり返っていたそうなのです。あたかも、お前のような若造に俺の度量が測れるのかと言わんばかりに…。
中高年の再就職希望者が敬遠される理由は、プライドの高さではないかと言われています。はじめの挨拶と横柄な態度でみそをつけて、せっかく面接にこぎつけたのに、チャンスを失ってしまうケースはしばしば起きているそうです。毎日何人も出会う面接官からすれば、「初見の印象の悪さ」=「人物評価」にせざるを得ないとか。当たり前の話ですが、しっかりとした挨拶と誠実な態度をとるように、とBさんからのアドバイスでした。
結局Fさんはもう少し頑張ってみようと内定を辞退したそうです。以前の職場もモラハラ的人間関係の悪さに辟易したのに、同じようなところに勤めて同じような理由で辞めることになったら目も当てられませんとのことでした。
企業側が社員を選ぶように、雇われる側も企業を選ぶ権利があります。ようやく得た内定であったとしても、相手側に不信感を覚えた時には思い切って辞退をする勇気も必要のようです。ようやく再就職した先がブラック企業で心身ともに疲弊しつくしてしまったら元も子もありません。
一寸先が読めないこんな時代だからこそ、「明日は明日の風が吹く」の精神で、自分を追い詰めすぎないような自己管理も大切だとのアドバイスでした。終身雇用の復活は夢のまた夢かもしれませんが、どんな年齢でも再出発のチャンスが巡ってきやすい時代が来てほしいものですね。
転職業界では、かつては35歳限界説なるものが囁かれていましたが、昨今では労働人口自体が減ってきて、もっと上の年齢層も雇うようになり始めているとか。それでも中高年の転職、再就職は若い人よりは難しいといわれていますが、年齢だけがネックではないとの指摘も出ています。
新卒とは違うという意識を持って業界&自己分析を
年齢だけがネックではない、と言っても実際に求人広告サイトを見てみると年齢制限の縛りがあるのは否めません。となれば、狭い門へ大勢の希望者が集まってくるのも必然でしょう。ライバルは多いけれど家のローンや生活費、老後の貯金など背負っているものもたくさんあり、給料は一定ラインから下げたくないが、どこかで妥協しなくてはいけないのではないか…就労条件について悩む方はかなり多いようです。求職者個人の年齢や職種、経験、時期的な問題、運などもあって、一概にこうという答えは導き出せませんが、実際に転職・再就職を経験した人に話をうかがってみました。
企業で秘書を務めていた50代女性のケースです。寿退社で家庭に入り、その後子どもが自立したから何かできることはないかと再就職先を探したとのことでした。しかし、離職期間が長いのもあり秘書としては求人がないと、考え方を変えたそうです。秘書としてではなく、秘書の経験を活かせる方法はないかということで、裕福な高齢者がメインの客層である仏具屋での仕事が決まりました。彼女の元重役秘書の丁寧な対応が接客能力に高く評価されたそうです。
就職支援関連で働く方々が唱えるのは、履歴書を書くよりもまず自分に何ができるのか、冷静に分析してみるようにとのことでした。自分はこの職については詳しい、あるいはこれしかできないとの思い込みから応募の間口を狭くしてしまい、結果的になかなか就職できないというパターンがよく見られるそうです。前職で学んだことを他で活かせる道がないか調べてみるのも成功への助けになるかもしれません。
能力もキャリアもあるのに3分で面接が失敗に終わった訳とは
次はキャリアコンサルタントのBさんからうかがった話です。その日のクライアントは、ある有名企業を退職した、再就職希望の50代男性でした。経歴もアピールポイントも十分、雇用側にも良い人材ではと送り出すと、面接開始予定時刻の3分後にクライアントから電話。「たった今、面接が終了した。他の会社を探した方が良いと断られた」と嘆息していたそうです。予想外の展開に、何が原因だろうかと話し合ってみると、クライアントの言葉にBさんも呆れかえってしまったとのことでした。なんとこの男性、挨拶もなく入室し、面接官が促すよりも先に椅子に座ってふんぞり返っていたそうなのです。あたかも、お前のような若造に俺の度量が測れるのかと言わんばかりに…。
中高年の再就職希望者が敬遠される理由は、プライドの高さではないかと言われています。はじめの挨拶と横柄な態度でみそをつけて、せっかく面接にこぎつけたのに、チャンスを失ってしまうケースはしばしば起きているそうです。毎日何人も出会う面接官からすれば、「初見の印象の悪さ」=「人物評価」にせざるを得ないとか。当たり前の話ですが、しっかりとした挨拶と誠実な態度をとるように、とBさんからのアドバイスでした。
時には内定を蹴る勇気を、頭もスタンスも切り替えて
40代での再就職に四苦八苦した経験のある女性Fさんからはこんな話をうかがえました。失業保険の給付期間も折り返し地点が迫ったある日、ようやく内定の通知が届きました。喜んだのもつかの間、先日面接に訪れた際の社内の雰囲気が頭をよぎったそうです。どんよりと湿ったような重苦しさが漂うオフィス、観葉植物もオリーブ色の絨毯も社員たちもどこか暗く見えて…ここって社員同士のコミュニケーションはとれているのだろうか。結局Fさんはもう少し頑張ってみようと内定を辞退したそうです。以前の職場もモラハラ的人間関係の悪さに辟易したのに、同じようなところに勤めて同じような理由で辞めることになったら目も当てられませんとのことでした。
企業側が社員を選ぶように、雇われる側も企業を選ぶ権利があります。ようやく得た内定であったとしても、相手側に不信感を覚えた時には思い切って辞退をする勇気も必要のようです。ようやく再就職した先がブラック企業で心身ともに疲弊しつくしてしまったら元も子もありません。
腐らず、焦らず、ためらわず。
前出のBさんは言います。「面接まで行って落ちたとしても、あなたという人間が不合格だったのではありません。企業の需要にマッチしなかっただけです。事実面接官をしていた頃は、惜しい人だけれど今回求めている人材タイプではないと不採用にするケースもしばしばありました」一寸先が読めないこんな時代だからこそ、「明日は明日の風が吹く」の精神で、自分を追い詰めすぎないような自己管理も大切だとのアドバイスでした。終身雇用の復活は夢のまた夢かもしれませんが、どんな年齢でも再出発のチャンスが巡ってきやすい時代が来てほしいものですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
東洋思想を研究する中で、50年間追求してきた命題の解を得たと田口佳史氏は言う。また、その命題を得るきっかけとなったのは松下幸之助との出会いだった。果たしてその命題とは何か、生涯の研究となる東洋思想とどのように結び...
収録日:2024/09/19
追加日:2024/11/21
次の時代は絶対にアメリカだ…私費で渡米した原敬の真骨頂
今求められるリーダー像とは(3)原敬と松下幸之助…成功の要点
猛獣型リーダーの典型として、ジェネラリスト原敬を忘れてはならない。ジャーナリスト、官僚、実業家、政治家として、いずれも目覚ましい実績を上げた彼の人生は「賊軍」出身というレッテルから始まった。世界を見る目を養い、...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/20
冷戦終焉から30年、激変する世界の行方を追う
ポスト冷戦の終焉と日本政治(1)「偽りの和解」と「対テロ戦争」の時代
これから世界は激動の時代を迎える。その見通しを持ったのは冷戦終焉がしきりに叫ばれていた時だ――中西輝政氏はこう話す。多くの人びとが冷戦終焉後の世界に期待を寄せる中、アメリカやヨーロッパ諸国、またロシアや同じく共産...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/06/27
遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19