社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
街の寂れた「金物屋」はなぜ潰れないのか?
外観がボロボロで、明らかにお客さんが入っていなくて、どうやってあのお店は経営しているんだろうと不思議に思ったことはありませんか。たとえば、紳士服店や呉服屋さん、理髪店、定食屋などなど、いろいろと思い浮かぶ業種があると思いますが、今回取り上げるのは金物屋さんです。
アマゾンをはじめとするネットショッピングが浸透し、大型のホームセンターが林立するいま、街の金物屋さんが生き残っていくのは至難のわざです。では、いったいどうやって稼いでいるのか。金物屋さんのサバイバル経営術に迫ります。
金物屋さんが位置する商店街自体がシャッター街化し、衰退していったことも廃業増加の大きな理由とされています。つまり、金物屋さんは現在にいたるまでもう数十年も苦境に立たされていることになります。まさにサバイバル時代を戦ってきたわけです。
そのほかにも地縁の強みを生かし、学校指定業者となって、ある程度まとまった数の清掃用具などを納品して利益を出しているお店もあります。
それまで培ってきた本業のテクノロジーを最大限に活用できるフィールドを発見し、成功をおさめています。他方、写真フィルムにこだわり続けたコダックは倒産の道を歩むことになりました。要するにどこにこだわりを見出すかの違いです。
ポイントは地元の「住民」だけが顧客ではないということ。この戦略をとることによって、先述した商店街のシャッター街化など環境に振り回されない経営を行うことができます。
地域の便利屋になるにしても、ネット販売に力を入れるにしても、既存のやり方にこだわらず新しい戦略をどんどん取り込んでいくことがサバイバルの秘訣と言えそうです。
金物屋さんを揺るがす激動は、私たち個人の身にも迫っています。現代は、ひとつのテーマや方法にこだわり続けていては仕事も生活も成り立たない、いわば多極化の時代です。ぜひぜひ金物屋さんのサバイバル経営術を活用してください。
アマゾンをはじめとするネットショッピングが浸透し、大型のホームセンターが林立するいま、街の金物屋さんが生き残っていくのは至難のわざです。では、いったいどうやって稼いでいるのか。金物屋さんのサバイバル経営術に迫ります。
1982年には2万店以上あった
いわゆる街の金物屋さんは80年代以降、ホームセンターの増加とともに大きく減少してきました。経済産業省の「商業統計表」によると、1982年には2万店以上もあった金物小売業のお店が2007年にはおよそ8千ほどにその数を減らしています。金物屋さんが位置する商店街自体がシャッター街化し、衰退していったことも廃業増加の大きな理由とされています。つまり、金物屋さんは現在にいたるまでもう数十年も苦境に立たされていることになります。まさにサバイバル時代を戦ってきたわけです。
強い金物屋さんは地域の便利屋さん
廃業を余儀なくされた金物屋さんと、生き残っているものたちにはどんな違いがあるのでしょうか。まず第一に言えるのは、強い金物屋さんは金物業を専門にしていないという特徴があります。合鍵の作製やドアや窓の修理など、できるかぎり手広く地域の便利屋さんの役目を担っています。そのほかにも地縁の強みを生かし、学校指定業者となって、ある程度まとまった数の清掃用具などを納品して利益を出しているお店もあります。
富士フィルムとコダックの命運
企業の大小にかかわらず、こうした新展開ができるかできないかが、その命運を左右します。たとえば、写真フィルムの大手の富士フィルムはデジカメの普及にともない売上が大幅に減少してきたことを受け、化粧品業界に進出しました。それまで培ってきた本業のテクノロジーを最大限に活用できるフィールドを発見し、成功をおさめています。他方、写真フィルムにこだわり続けたコダックは倒産の道を歩むことになりました。要するにどこにこだわりを見出すかの違いです。
地域住民だけが顧客ではない
地域に利を見出すものもあれば、急速に発達をしたネット通販の波に乗って生き残っている金物屋さんもいます。建築金物や園芸用品などをネット販売するケースもあるようです。ポイントは地元の「住民」だけが顧客ではないということ。この戦略をとることによって、先述した商店街のシャッター街化など環境に振り回されない経営を行うことができます。
地域の便利屋になるにしても、ネット販売に力を入れるにしても、既存のやり方にこだわらず新しい戦略をどんどん取り込んでいくことがサバイバルの秘訣と言えそうです。
金物屋さんを揺るがす激動は、私たち個人の身にも迫っています。現代は、ひとつのテーマや方法にこだわり続けていては仕事も生活も成り立たない、いわば多極化の時代です。ぜひぜひ金物屋さんのサバイバル経営術を活用してください。
<参考サイト>
・商業統計の長期時系列データに見る 業種別商店数の増減とその要因
https://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.136_Minami.pdf
・商業統計の長期時系列データに見る 業種別商店数の増減とその要因
https://www.hosei.ac.jp/fujimi/riim/img/img_res/WPNo.136_Minami.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
史料読解法…江戸時代の「全国の藩校ランキング」を探る
歴史の探り方、活かし方(6)江戸時代の藩校レベルを分析
江戸時代の藩校に関する研究は多いが、当時は藩ごとに小国家を形成していたため、学力水準を全国で比較したものは見当たらない。では、あえて「全国藩校ランキング」を考えるとすると、どの藩の藩校が「トップ校」になるのだろ...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/29
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた主な要因として、二つのオウンゴールを挙げる島田氏。その一つとして台湾のモリス・チャン氏によるTSMC立ち上げの話を取り上げるが、日本はその動きに興味を示さず、かつて世界を席巻して...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/25
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07


