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20年前と比較して見る「ストレス解消法」
ストレス社会と言われはじめて久しい現代ですが、(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると、20年前と比べて毎日の生活でイライラやストレスをしばしば感じる人が増え、ストレス解消行動も変化しているといいます。どんなストレス解消法が増えたのか、注意することやその他の方法はないのかなどを調べてみました。
毎日の生活でイライラやストレスを感じる人の割合は、1998年の80%から2018年には78%へ微妙に減少しています。ただ、内訳を見ると、98年は「しばしば感じる」27%+「たまに感じる」53%の合計だったのが、2018年は「しばしば感じる」31%+「たまに感じる」47%。また、「ほとんど感じない」「全く感じない」人の合計は、1998年の20%(17%+3%)から、2018年には19%(15%+4%)と若干減っています。
「ストレス多め」と「全く感じない」の両極端が増え、「たまに感じる」「ほとんど感じない」という中間層は減っていることになります。時代背景や環境の変化として何が言えるでしょう。また、こうしたストレス認知度の変化とストレス解消法とは関連があるのでしょうか。
【1998年】
睡眠を充分とる(59%)
親しい人と話をする(44%)
趣味に熱中する(28%)
酒を飲む(27%)
好きなものを食べる(25%)
買い物をする(24%)
歩いたり、軽い運動をする(23%)
たばこを吸う(23%)
カラオケなど歌を歌う(17%)
テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする(15%)
音楽を聴く(11%)
ストレスを和らげる香りをかぐ(3%)
【2018年】
睡眠を充分とる(50%)
親しい人と話をする(44%)
好きなものを食べる(43%)
趣味に熱中する(29%)
酒を飲む(28%)
買い物をする(27%)
歩いたり、軽い運動をする(23%)
たばこを吸う(15%)
カラオケなど歌を歌う(13%)
ストレスを和らげる音楽を聴く(12%)
テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする(7%)
ストレスを和らげる香りをかぐ(5%)
順位まで入れ替わるほどの変化は、「好きなものを食べる」が5位から3位に浮上したことです。その他の目立った変化は、「睡眠を充分とる」が9%減少、「たばこを吸う」と「テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする)が、それぞれ8%減っています。
「ストレスが高い人ほど、趣味やスポーツをしてストレス発散するよりも、手近な食に解消法を求めるのは必然」と調査では分析。さらにこの20年の大きな変化として、インターネットの普及とスマホの登場を挙げ、情報機器の刺激により睡眠時間が削られたこと、さらにそれがストレス増大に結びついているのではないかと危ぶんでいます。
リサーチ・アンド・ディベロプメントでは、スマホの普及とコンビニ食材の充実に着目し、手軽なストレス解消に、コンビニで買える「好きなもの」を食べることが一役買っているのでは、としつつ、「手軽に食べることで誤魔化さず、適度な運動と十分な睡眠で心身ともに休めるようにすることが大切なのかもしれない」と呼びかけます。
本来、ストレスは「人生のスパイス」だと言われるように、快・不快の両面性があります。解消したいのは、ストレスそのものではなく、ストレスによる「不快な情動」であるはず。それらを鎮めるには、「休息型」「運動型」「親交型」「娯楽型」「創作型」「転換型」などのタイプが有効だと言われます。
空腹でないのに食べる行為は娯楽型として、たばこやお酒、ゲームやギャンブルと同じようにエスカレートしていくことが指摘されています。ときにはスマホを脇に置かないとできない「絵を描く」「音楽を演奏する」「庭いじりをする」「日曜大工をする」「料理を作る(ただし、食べるのは空腹になってから)」など、「創作型」のストレス解消に向かってみてはいかがでしょうか。人工的な環境から離れ、身近な自然にふれ、樹木などに接してみることもオススメです。
「スマホ断ち」をすれば、目の疲れが軽減して、おやつ代も減り、その結果ストレスも減るとしたら…、いいことづくめ。試してみても決して損はしないはずです。
ストレスを「しばしば感じる」人は4ポイント増
日々の生活につきもののストレス。感じる度合いは人によって違うと言われますが、この20年でどの程度変化があったでしょうか。毎日の生活でイライラやストレスを感じる人の割合は、1998年の80%から2018年には78%へ微妙に減少しています。ただ、内訳を見ると、98年は「しばしば感じる」27%+「たまに感じる」53%の合計だったのが、2018年は「しばしば感じる」31%+「たまに感じる」47%。また、「ほとんど感じない」「全く感じない」人の合計は、1998年の20%(17%+3%)から、2018年には19%(15%+4%)と若干減っています。
「ストレス多め」と「全く感じない」の両極端が増え、「たまに感じる」「ほとんど感じない」という中間層は減っていることになります。時代背景や環境の変化として何が言えるでしょう。また、こうしたストレス認知度の変化とストレス解消法とは関連があるのでしょうか。
睡眠・運動がダウン、アレだけアップの解消法で大丈夫?
ストレス解消行動の上位12項目を比較してみましょう。【1998年】
睡眠を充分とる(59%)
親しい人と話をする(44%)
趣味に熱中する(28%)
酒を飲む(27%)
好きなものを食べる(25%)
買い物をする(24%)
歩いたり、軽い運動をする(23%)
たばこを吸う(23%)
カラオケなど歌を歌う(17%)
テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする(15%)
音楽を聴く(11%)
ストレスを和らげる香りをかぐ(3%)
【2018年】
睡眠を充分とる(50%)
親しい人と話をする(44%)
好きなものを食べる(43%)
趣味に熱中する(29%)
酒を飲む(28%)
買い物をする(27%)
歩いたり、軽い運動をする(23%)
たばこを吸う(15%)
カラオケなど歌を歌う(13%)
ストレスを和らげる音楽を聴く(12%)
テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする(7%)
ストレスを和らげる香りをかぐ(5%)
順位まで入れ替わるほどの変化は、「好きなものを食べる」が5位から3位に浮上したことです。その他の目立った変化は、「睡眠を充分とる」が9%減少、「たばこを吸う」と「テニス・ゴルフ・エアロビクスなどスポーツをする)が、それぞれ8%減っています。
「ストレスが高い人ほど、趣味やスポーツをしてストレス発散するよりも、手近な食に解消法を求めるのは必然」と調査では分析。さらにこの20年の大きな変化として、インターネットの普及とスマホの登場を挙げ、情報機器の刺激により睡眠時間が削られたこと、さらにそれがストレス増大に結びついているのではないかと危ぶんでいます。
スマホ片手ではできない解消法を試してみよう
iPhoneの発売が2008年の夏。本格的に普及したのは2011年以降ですが、スマホを使いながら歩き、食べ、電車の乗り降りをするのは当たり前の風景になりました。リサーチ・アンド・ディベロプメントでは、スマホの普及とコンビニ食材の充実に着目し、手軽なストレス解消に、コンビニで買える「好きなもの」を食べることが一役買っているのでは、としつつ、「手軽に食べることで誤魔化さず、適度な運動と十分な睡眠で心身ともに休めるようにすることが大切なのかもしれない」と呼びかけます。
本来、ストレスは「人生のスパイス」だと言われるように、快・不快の両面性があります。解消したいのは、ストレスそのものではなく、ストレスによる「不快な情動」であるはず。それらを鎮めるには、「休息型」「運動型」「親交型」「娯楽型」「創作型」「転換型」などのタイプが有効だと言われます。
空腹でないのに食べる行為は娯楽型として、たばこやお酒、ゲームやギャンブルと同じようにエスカレートしていくことが指摘されています。ときにはスマホを脇に置かないとできない「絵を描く」「音楽を演奏する」「庭いじりをする」「日曜大工をする」「料理を作る(ただし、食べるのは空腹になってから)」など、「創作型」のストレス解消に向かってみてはいかがでしょうか。人工的な環境から離れ、身近な自然にふれ、樹木などに接してみることもオススメです。
「スマホ断ち」をすれば、目の疲れが軽減して、おやつ代も減り、その結果ストレスも減るとしたら…、いいことづくめ。試してみても決して損はしないはずです。
<参考サイト>
・リサーチ・アンド・ディベロプメント:「食べて、ストレス解消」20年で18ポイント増え4割に
https://www.rad.co.jp/report_list/20190130/
・リサーチ・アンド・ディベロプメント:「食べて、ストレス解消」20年で18ポイント増え4割に
https://www.rad.co.jp/report_list/20190130/
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