社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「No.1」の宣伝文句に見る日本と中国の違い
「お客様満足度No.1」「通販サイトで売り上げ〇週連続1位」「●●セレクション金賞受賞」などなど、宣伝文句は世に数ありますが、「1位か、いいな」と手に取る人もいれば、「押しつけがましい、嫌だな」と思う人もいるでしょう。実際のところ、こうしたフレーズは有効なのでしょうか?
好印象と悪印象、それぞれ細かく見ていくと、ポジティブな印象は「人気がある」「流行っている」「期待できそう」などがそれぞれ20%超。一方でネガティブな印象は「信ぴょう性に欠ける」「うさんくさい」がともに40%超、「売り込まれているように感じる」「押し付けがましい」も30%超でした。感じ方が割れていた好印象に対し、悪印象は特定の意見に回答が集まる結果となりました。
来日して6年目となる女性ガイドのRさんはこう語ります。「中国人は『売り上げ一位』みたいなフレーズが大好き。しかも『中国人のお土産第一位』よりも、『日本人の人気第一位』の方がより良い品だと考えているね。日本人の方が本当にいいものを知っていると思っているからね。ドラッグストアの『コスメのサイトで人気一位』みたいな商品を爆買いするお客さんは今でもよく見かけるよ」。
こうした「第一位」好きの理由はなぜなのでしょうか。インバウンドの講習を行うこともあるマーケターのLさんに話を聞いてみました。「中国人はお土産を渡す時『これはいいものですよ、こんなに評価されているものですよ』と強調することが大事です。日本人が『つまらないものですが…』と言って渡すのとは対照的ですね。そして『いいもの』であることの証明として、『第一位』は非常に効果的、という点が大きいと思います。逆に『無名だけど実は高性能』みたいなお土産はあまり好まれないですね、渡す時の箔付けになりにくいですから」。
日本人が疑り深くて中国人がピュア、というわけではなく、中国人には中国人なりのロジックがあって「第一位」を買っているというわけですね。こうした観点も念頭において、改めて宣伝文句を眺めてみるとまた違って見えてくるかもしれませんね。
「No.1」はうさんくさい?消費者の印象は
市場調査メディア「ホノテ」によると、7割超の回答者が「No.1表示」を「頻繁に見聞きする」と感じているようで、そうした表示を見聞きした際に「好感を持つことが多い」17%、「好感を持つこともあれば、不快感を持つこともある」54%、「不快感を持つことが多い」14%という分布でした。つまり、そうしたアピールが必ずしもプラスにならないというわけです。好印象と悪印象、それぞれ細かく見ていくと、ポジティブな印象は「人気がある」「流行っている」「期待できそう」などがそれぞれ20%超。一方でネガティブな印象は「信ぴょう性に欠ける」「うさんくさい」がともに40%超、「売り込まれているように感じる」「押し付けがましい」も30%超でした。感じ方が割れていた好印象に対し、悪印象は特定の意見に回答が集まる結果となりました。
中国人が「第一位」を好む真の理由とは
日本人はランキング好き、なんて言われたりしますが、安易に使うと逆効果にもなりうるということが垣間見える調査結果かと思います。一方でお隣の大国・中国も「第一位」が大好きなのはご存知ですか?在日中国人ガイドやマーケターに生の声を聞いてみました。来日して6年目となる女性ガイドのRさんはこう語ります。「中国人は『売り上げ一位』みたいなフレーズが大好き。しかも『中国人のお土産第一位』よりも、『日本人の人気第一位』の方がより良い品だと考えているね。日本人の方が本当にいいものを知っていると思っているからね。ドラッグストアの『コスメのサイトで人気一位』みたいな商品を爆買いするお客さんは今でもよく見かけるよ」。
こうした「第一位」好きの理由はなぜなのでしょうか。インバウンドの講習を行うこともあるマーケターのLさんに話を聞いてみました。「中国人はお土産を渡す時『これはいいものですよ、こんなに評価されているものですよ』と強調することが大事です。日本人が『つまらないものですが…』と言って渡すのとは対照的ですね。そして『いいもの』であることの証明として、『第一位』は非常に効果的、という点が大きいと思います。逆に『無名だけど実は高性能』みたいなお土産はあまり好まれないですね、渡す時の箔付けになりにくいですから」。
日本人が疑り深くて中国人がピュア、というわけではなく、中国人には中国人なりのロジックがあって「第一位」を買っているというわけですね。こうした観点も念頭において、改めて宣伝文句を眺めてみるとまた違って見えてくるかもしれませんね。
<参考サイト>
・「No.1表示」の広告等に関する意識調査|市場調査メディア ホノテ
https://honote.macromill.com/report/20190221/
・「No.1表示」の広告等に関する意識調査|市場調査メディア ホノテ
https://honote.macromill.com/report/20190221/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
次の時代は絶対にアメリカだ…私費で渡米した原敬の真骨頂
今求められるリーダー像とは(3)原敬と松下幸之助…成功の要点
猛獣型リーダーの典型として、ジェネラリスト原敬を忘れてはならない。ジャーナリスト、官僚、実業家、政治家として、いずれも目覚ましい実績を上げた彼の人生は「賊軍」出身というレッテルから始まった。世界を見る目を養い、...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/20
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
だべったら生存期間が倍に…ストレスマネジメントの重要性
新しいアンチエイジングへの挑戦(1)患者と伴走する医者の存在
「百年健康」を旗印に健康寿命の延伸とアンチエイジングのための研究が進む医療業界。そうした状況の中、本職である泌尿器科の診療とともにデジタルセラピューティックス、さらに遺伝子を用いて生物としての年齢を測る研究など...
収録日:2024/06/26
追加日:2024/10/10
石破新総裁誕生から考える政治家の運と『マカーマート』
『マカーマート』から読む政治家の運(1)中世アラブの知恵と現代の日本政治
人間とりわけ政治家にとって運がいいとはどういうことか。それを考える上で読むべき古典がある。それが中世アラブ文学の古典で教養人必読の書ともいえる、アル・ハリーリー作の『マカーマート』である。巧みなウィットと弁舌が...
収録日:2024/10/02
追加日:2024/10/19
遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18