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日本で働く外国人の「不満」ランキング
総合人材サービスのパーソル総合研究所が発表した「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査」の結果によると、【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10は、<正社員>と<パート・アルバイト>別で、以下のようになっています。
【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10
<正社員>
1位 昇進・昇格が遅い 28.6%
2位 給料が上がらない 28.2%
3位 給料が安い 25.6%
4位 明確なキャリアパスがない 23.8%
5位 無駄な会議が多い 20.8%
6位 残業が多い 19.0%
7位 評価の基準が明確でない 18.2%
8位 組織、上司の意思決定のプロセスがわかりにくい 18.0%
9位 行うべき業務の範囲が明確に定まっていない 17.8%
10位 組織、上司の意思決定が遅い 16.4%
10位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 16.4%
<パート・アルバイト>
1位 給料が上がらない 15.4%
2位 異文化習慣を理解してもらえない 15.2%
3位 明確なキャリアパスがない 15.0%
4位 給料が安い 14.4%
5位 自己裁量が少ない 14.0%
6位 研修の機会が少ない 13.2%
7位 時間に厳しい 12.4%
8位 昇進・昇格が遅い 11.8%
9位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 11.2%
10位 顧客の要求レベルが高すぎる 10.8%
※<正社員>n=500、<パート・アルバイト>n=500
【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10
<全体>
1位 給料が上がらない 21.8%
2位 昇進・昇格が遅い 20.2%
3位 給料が安い 20.0%
4位 明確なキャリアパスがない 19.4%
5位 自己裁量が少ない 14.8%
6位 研修の機会が少ない 14.2%
7位 異文化習慣を理解してもらえない 14.2%
8位 評価の基準が明確でない 14.0%
9位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 13.8%
10位 組織、上司の意思決定が遅い 13.0%
※<全体>n=1000
この結果のうち、日本で働く外国人の「不満」トップ3の「給料が上がらない」「昇進・昇格が遅い」「給料が安い」といった、いわゆる収入や待遇に直結する不満は働く日本人とも共通していそうですが、4位以降では日本企業の雇用のゆがみや、世界基準まで達していない未熟な点がうかがえてきます。
【外国人が感じている「不満」の割合と、企業が認識している割合のギャップ】
1位 給料が上がらない <企業意識>4.1% <外国人材本人の意識>21.8%
2位 昇進・昇格が遅い <企業意識>3.5% <外国人材本人の意識>20.2%
3位 給料が安い <企業意識>5.5% <外国人材本人の意識>19.4%
4位 明確なキャリアパスがない <企業意識>8.3% <外国人材本人の意識>20.0%
5位 自己裁量が少ない <企業意識>4.4% <外国人材本人の意識>14.8%
※<企業意識>(正社員、パート・アルバイト雇用企業の平均値)536、<外国人材本人の意識>1000
例えば、一番ギャップの大きい2位「昇進・昇格が遅い」では、<外国人材本人の意識>が20.2%に対し、<企業意識>つまり企業が認識している割合は3.5%と少なく、5倍以上ものギャップがあるという結果がでています。
【日本で働く外国人の孤独感】<全体>のトップ5順
1)私のことを、本当によくわかってくれる人はいない
<全体>24.3% <正社員>28.6% <パート・アルバイト>20.0%
2)私は、孤立しているように思う
<全体>22.1% <正社員>32.6% <パート・アルバイト>11.6%
3)私には仲間がいない
<全体>20.0% <正社員>25.8% <パート・アルバイト>14.2%
4)私には、頼りにできる人がいない
<全体>19.8% <正社員>27.2% <パート・アルバイト>12.4%
5)私は、だれからも無視されているように思う
<全体>18.0% <正社員>25.4% <パート・アルバイト>10.6%
特に、<正社員>に孤独を感じている傾向がみられます。2)「私は、孤立しているように思う」は30%を超えていますし、他の項目においてもすべて20%代の後半という、全体に高い割合を示しています。
孤独感が強い層は、仕事のパフォーマンスや会社満足度は低くなり、転職意向は高くなる傾向にあるとされています。
そして、解決へのための提案として「多くの企業は、外国人に対して“特別なことはしていない”と言うが、現在の外国人を受け入れるフェーズにおいては、それは“放置”に等しい。企業としては、外国人本人はもちろん、受け入れる日本人に対する支援も充実させることが望まれる」としています。
ビジネスパーソンの「不満」はたとえ最初はささやかなものであったとしても、放置しておけばやがて大きな問題となり、ひいてはビジネスで関わるすべての人々のやっかいな課題へとつながっていきかねません。一人ひとりのビジネスパーソンの「不満」が解消され、日本がどんな人にとっても真に働きやすい場所となるよう、迅速かつ組織的で個々に適した対応が求められます。
【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10
<正社員>
1位 昇進・昇格が遅い 28.6%
2位 給料が上がらない 28.2%
3位 給料が安い 25.6%
4位 明確なキャリアパスがない 23.8%
5位 無駄な会議が多い 20.8%
6位 残業が多い 19.0%
7位 評価の基準が明確でない 18.2%
8位 組織、上司の意思決定のプロセスがわかりにくい 18.0%
9位 行うべき業務の範囲が明確に定まっていない 17.8%
10位 組織、上司の意思決定が遅い 16.4%
10位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 16.4%
<パート・アルバイト>
1位 給料が上がらない 15.4%
2位 異文化習慣を理解してもらえない 15.2%
3位 明確なキャリアパスがない 15.0%
4位 給料が安い 14.4%
5位 自己裁量が少ない 14.0%
6位 研修の機会が少ない 13.2%
7位 時間に厳しい 12.4%
8位 昇進・昇格が遅い 11.8%
9位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 11.2%
10位 顧客の要求レベルが高すぎる 10.8%
※<正社員>n=500、<パート・アルバイト>n=500
日本で働く外国人“特有”の「不満」とは?
さらに、<正社員>と<パート・アルバイト>をまとめた<全体>での【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10は、以下のようになっています。【日本で働く外国人の「不満」ランキング】トップ10
<全体>
1位 給料が上がらない 21.8%
2位 昇進・昇格が遅い 20.2%
3位 給料が安い 20.0%
4位 明確なキャリアパスがない 19.4%
5位 自己裁量が少ない 14.8%
6位 研修の機会が少ない 14.2%
7位 異文化習慣を理解してもらえない 14.2%
8位 評価の基準が明確でない 14.0%
9位 技能・スキルが伸びる仕事ができない 13.8%
10位 組織、上司の意思決定が遅い 13.0%
※<全体>n=1000
この結果のうち、日本で働く外国人の「不満」トップ3の「給料が上がらない」「昇進・昇格が遅い」「給料が安い」といった、いわゆる収入や待遇に直結する不満は働く日本人とも共通していそうですが、4位以降では日本企業の雇用のゆがみや、世界基準まで達していない未熟な点がうかがえてきます。
日本で働く外国人と日本の企業意識ギャップ
さらに、日本企業の雇用のゆがみは、働く当事者間のゆがみをもはらんでいます。【日本で働く外国人の「不満」ランキング】<全体>のうち、トップ5の項目別に【外国人が感じている「不満」の割合と、企業が認識している割合のギャップ】をみると、以下のようになっています。【外国人が感じている「不満」の割合と、企業が認識している割合のギャップ】
1位 給料が上がらない <企業意識>4.1% <外国人材本人の意識>21.8%
2位 昇進・昇格が遅い <企業意識>3.5% <外国人材本人の意識>20.2%
3位 給料が安い <企業意識>5.5% <外国人材本人の意識>19.4%
4位 明確なキャリアパスがない <企業意識>8.3% <外国人材本人の意識>20.0%
5位 自己裁量が少ない <企業意識>4.4% <外国人材本人の意識>14.8%
※<企業意識>(正社員、パート・アルバイト雇用企業の平均値)536、<外国人材本人の意識>1000
例えば、一番ギャップの大きい2位「昇進・昇格が遅い」では、<外国人材本人の意識>が20.2%に対し、<企業意識>つまり企業が認識している割合は3.5%と少なく、5倍以上ものギャップがあるという結果がでています。
日本で働く外国人の「孤独感」ランキング
他方、日本で働く外国人の「孤独感」も大きな課題となっていますが、その結果が以下に表れています。【日本で働く外国人の孤独感】<全体>のトップ5順
1)私のことを、本当によくわかってくれる人はいない
<全体>24.3% <正社員>28.6% <パート・アルバイト>20.0%
2)私は、孤立しているように思う
<全体>22.1% <正社員>32.6% <パート・アルバイト>11.6%
3)私には仲間がいない
<全体>20.0% <正社員>25.8% <パート・アルバイト>14.2%
4)私には、頼りにできる人がいない
<全体>19.8% <正社員>27.2% <パート・アルバイト>12.4%
5)私は、だれからも無視されているように思う
<全体>18.0% <正社員>25.4% <パート・アルバイト>10.6%
特に、<正社員>に孤独を感じている傾向がみられます。2)「私は、孤立しているように思う」は30%を超えていますし、他の項目においてもすべて20%代の後半という、全体に高い割合を示しています。
孤独感が強い層は、仕事のパフォーマンスや会社満足度は低くなり、転職意向は高くなる傾向にあるとされています。
日本で働くビジネスパーソンの「不満」解消へ
パーソル総合研究所・主任研究員の小林祐児氏は、「日本人に最適化されてきたこれまでの日本企業の雇用のあり方、マネジメントの方法では、外国人にフィットしていないということだ。その結果、多くの不満を外国人は抱えるものの、職場にはそれを伝える相手も少なく、孤独感を深めていることが浮き彫りになった」と、問題点を整理しています。そして、解決へのための提案として「多くの企業は、外国人に対して“特別なことはしていない”と言うが、現在の外国人を受け入れるフェーズにおいては、それは“放置”に等しい。企業としては、外国人本人はもちろん、受け入れる日本人に対する支援も充実させることが望まれる」としています。
ビジネスパーソンの「不満」はたとえ最初はささやかなものであったとしても、放置しておけばやがて大きな問題となり、ひいてはビジネスで関わるすべての人々のやっかいな課題へとつながっていきかねません。一人ひとりのビジネスパーソンの「不満」が解消され、日本がどんな人にとっても真に働きやすい場所となるよう、迅速かつ組織的で個々に適した対応が求められます。
<参考サイト>
・パーソル総合研究所、日本で働く外国人の意識に関する調査結果を発表
外国人への日本人のマネジメントに問題があることが明らかに
https://rc.persol-group.co.jp/news/202002260001.html
・日本で働く外国人材の就業実態・意識調査 結果報告書
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/surveyofForeigners_3.pdf
・パーソル総合研究所、日本で働く外国人の意識に関する調査結果を発表
外国人への日本人のマネジメントに問題があることが明らかに
https://rc.persol-group.co.jp/news/202002260001.html
・日本で働く外国人材の就業実態・意識調査 結果報告書
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/surveyofForeigners_3.pdf
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