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親の老後…仕送りはするべきなのか?
高齢化社会を迎え、団塊の世代はいまや70歳代に入っています。年金暮らしをしている親に仕送りをしているひともいるのではないでしょうか。しかし現役世代も自分たちの生活で手一杯という人たちも多いはず。現役世代は親に仕送りするべきなのでしょうか。ここでは現状を整理しながら、親への仕送りについて考えてみましょう。
現在では、退職した世帯においては退職金の貯蓄が減り、年齢を重ねたことにより医療費もかかるようになっているかもしれません。一方、団塊ジュニア世代は年齢を重ねたことで収入がやや増えていると考えられますが、子供がいる場合、養育費が大きくなっているはず。つまり、仕送りの必要性はやや高まっている割に、子供世代の生活に余裕があるかと言えば、そうは言えない状況にあるのではないでしょうか。
また状況によっては親を扶養に入れることもできます。別居している親の所得が38万円以下で、子供と生計を一つにしているという条件はありますが、同居していなくても可能とのこと。この制度をうまく利用することができれば、税金が控除されます。この場合、確定申告の際に証明となる仕送りを証明する書類は必要です。また健康保険上でも扶養に入れることができるようです。この点に関してもいくつか条件があります。この辺りの情報はインターネット上にもさまざまな実例とともに紹介されています。ただ正確な情報は地域の役所に相談する方が確実かもしれません。
もし親の年金が少なくて生活できず、また自身も仕送りが厳しい状態にあるとすれば、生活保護の申請をするのも一つの手段です。こういった場合、まず地方公共団体の福祉事務所に相談しましょう。生活保護を受けたい本人だけでなく、家族が相談することも可能です。生活保護では生活費が保障されるだけでなく、医療費も免除されます。介護費用も自己負担分を扶助してもらうことが可能です。
日本国憲法第25条では「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定されています。このことを実現するために、社会は相互扶助の制度が整備されています。お金の問題は家族内だけでなんとかしなければならないという空気や、行政を頼るのは恥だといった意識はあります。しかし、これは社会構造や年金や医療などの福祉制度の問題でもあるはずです。老後資金がないという状況が発生したら家族内だけで抱え込む必要はありません。福祉事務所といった行政と関わりながら、ともに考える道は準備されています。
2010年時点での親への仕送り平均額は月64,000円
少し古い資料ですが、内閣府の資料によると平成22年(2010年)における仕送りの平均額は64,000円となっています。また、仕送りをしている割合は約1.4%と大変少ないです。10年前と言えば団塊の世代は定年から間もないので、仕送りの必要性は低かったと考えていいでしょう。しかし、ここからおよそ10年後の現在は少し状況が変わってきていると考えられます。現在では、退職した世帯においては退職金の貯蓄が減り、年齢を重ねたことにより医療費もかかるようになっているかもしれません。一方、団塊ジュニア世代は年齢を重ねたことで収入がやや増えていると考えられますが、子供がいる場合、養育費が大きくなっているはず。つまり、仕送りの必要性はやや高まっている割に、子供世代の生活に余裕があるかと言えば、そうは言えない状況にあるのではないでしょうか。
生活費であれば贈与税は非課税
お金を誰かに贈与する場合(財産を移転する場合)贈与税がかかります。しかし、相続税法では扶養義務者からの財産の移転に関して「贈与税がかからない場合」が想定されています。この中に、「生活費や教育費に充てるために通常必要と認められるもの」があります。つまり、生活に必要な資金であれば非課税です。しかし、預金目的や株式・不動産購入資金といったものになる場合は贈与税がかかるので要注意です。ただし贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり、いずれにせよ110万円までなら贈与税は非課税です。また状況によっては親を扶養に入れることもできます。別居している親の所得が38万円以下で、子供と生計を一つにしているという条件はありますが、同居していなくても可能とのこと。この制度をうまく利用することができれば、税金が控除されます。この場合、確定申告の際に証明となる仕送りを証明する書類は必要です。また健康保険上でも扶養に入れることができるようです。この点に関してもいくつか条件があります。この辺りの情報はインターネット上にもさまざまな実例とともに紹介されています。ただ正確な情報は地域の役所に相談する方が確実かもしれません。
生活保護も手段の一つ
親の年金が少なく生活が立ち行かない場合、子供は扶養する義務があります。もちろん、育ててもらった親に恩返しがしたい、親に苦しんでほしくないという気持ちを持つ人も多いでしょうし、これは当然の気持ちです。しかし、子供にその余裕がない場合に扶養義務があるかと言えば、そんなことはありません。もし、自身の生活に余裕がないままに仕送りをしていれば、共倒れが発生する可能性があります。それでは問題を大きくするばかりです。まず優先すべきは、自身の生活である程度の経済的自由を保つことです。もし親の年金が少なくて生活できず、また自身も仕送りが厳しい状態にあるとすれば、生活保護の申請をするのも一つの手段です。こういった場合、まず地方公共団体の福祉事務所に相談しましょう。生活保護を受けたい本人だけでなく、家族が相談することも可能です。生活保護では生活費が保障されるだけでなく、医療費も免除されます。介護費用も自己負担分を扶助してもらうことが可能です。
日本国憲法第25条では「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定されています。このことを実現するために、社会は相互扶助の制度が整備されています。お金の問題は家族内だけでなんとかしなければならないという空気や、行政を頼るのは恥だといった意識はあります。しかし、これは社会構造や年金や医療などの福祉制度の問題でもあるはずです。老後資金がないという状況が発生したら家族内だけで抱え込む必要はありません。福祉事務所といった行政と関わりながら、ともに考える道は準備されています。
<参考サイト>
親への仕送りの平均額は?親の老後資金について考える|マネードクターナビ
https://fp-moneydoctor.com/news/knowledge/remittance_to_the_parent/
親の年金が少ない時子供は仕送りすべきか|人生の達人
https://hapi-info.net/2019/10/02/shiokuri-01/
親への仕送りをする際に知っておきたいことを徹底解説します!|ほけんROOM マネー・ライフ
https://hoken-room.jp/money-life/8586
【FPが答える】別居の親への仕送りは贈与税の対象になりますか?LIFULL介護
https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/109/
別居の親を扶養に入れると節税に?ただし75歳以上は要注意|MONEY PLUS
https://media.moneyforward.com/articles/1437
親への仕送りの平均額は?親の老後資金について考える|マネードクターナビ
https://fp-moneydoctor.com/news/knowledge/remittance_to_the_parent/
親の年金が少ない時子供は仕送りすべきか|人生の達人
https://hapi-info.net/2019/10/02/shiokuri-01/
親への仕送りをする際に知っておきたいことを徹底解説します!|ほけんROOM マネー・ライフ
https://hoken-room.jp/money-life/8586
【FPが答える】別居の親への仕送りは贈与税の対象になりますか?LIFULL介護
https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/109/
別居の親を扶養に入れると節税に?ただし75歳以上は要注意|MONEY PLUS
https://media.moneyforward.com/articles/1437
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