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「がん」のステージはどのように決まるのか
インフォームド・コンセントの普及に伴い、十数年前まで日本では本人告知のされなかった“がん”の病名が検査後すぐに伝わるようになりました。がんは治る病気になってきて、「共に生きる」「共に働く」時代を迎えているからです。ここでは、がん告知に伴う“ステージ”について調べてみました。
国立がん研究センターの統計によると、2019年にがんで亡くなった人は37万6425人(男性22万339人、女性15万6086人)。このデータに基づくと、生涯でがんにより死亡する確率は男性4人に1人(26.7%)、女性6人に1人(17.8%)となっています。また、生涯でがんに罹患する確率は、男性65.5%、女性50.2%と、2人に1人はがんにかかるリスクがあるため、まさに他人事ではありません。
一方で、がんの研究と対策は目覚ましく進み、新しい診断・治療法の進歩や普及により、がん患者の5年生存率は向上し続け、現在ではがん全体で約6割が完治できると考えられるようになってきました。
検査の結果、がんと診断された場合、その進行の程度を客観的に示す指標として「病期(ステージ)」も知っておく必要があります。ステージは、がんが体の一部分にとどまったものなのか、広い範囲に広がっているのかを知る目安。これにより、治療方針が定められ、患者の希望やほかの病気の有無などを加味して治療が進められていきます。
TNM分類では、がんの進行度によりステージ0~IV期の5つに分類されます。0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態、IV期に近いほどがんが広がっている状態(進行がん)です。
・ステージ0:がん細胞が上皮細胞内にとどまっており、リンパ節への転移はない
・ステージI:がんの腫瘍が少し広がっているが、筋肉層でとどまっている。リンパ節への転移はない
・ステージII:小さめ・浅めのがんだがリンパ節に転移がある。または、リンパ節への転移はないが、筋肉の層を超えて浸潤している
・ステージIII:大きいまたは深いところにあるがんが、リンパ節などに転移している。または、がんが局所で進行していたり、リンパ節転移がある程度広がったもの
・ステージIV:離れた別の臓器に転移が認められる
ステージの早い段階で治療できれば、5年生存率は90%以上となりますが、そのような初期のうちは自覚症状がほとんどないのも事実。定期的にがん検診を受け、早く見つけることが大切なのです。
病理医の細胞診検査には、“パパニコロウ分類”という分類法があり、細胞が悪性かどうかをクラスIからVに分類しています。
クラスI:正常細胞
クラスII:異型細胞は存在するが、悪性ではない
クラスIIIa:軽度・中等度異型性(悪性を少し疑う)
クラスIIIb:高度異型性(悪性をかなり疑う)
クラスIV:悪性細胞の可能性が高い、あるいは上皮内がん
クラスV:悪性と断定できる異型細胞がある
このように、細胞診結果としてのクラスI~Vと、がんの病期をあらわすステージI~IVは全く違うものです。主治医の説明をよく聞き、専門用語は一般的に分かる用語に言いかえてもらうのが、インフォームド・コンセントの第一歩。病気を治す主役として、患者本人の正しい理解が何よりなのです。
日本では2人に1人ががんにかかる可能性がある?
1981年以来40年にわたり日本人の死因第1位を占めている「がん」。高齢化に伴い、がんで亡くなる人の数は増え続けています。国立がん研究センターの統計によると、2019年にがんで亡くなった人は37万6425人(男性22万339人、女性15万6086人)。このデータに基づくと、生涯でがんにより死亡する確率は男性4人に1人(26.7%)、女性6人に1人(17.8%)となっています。また、生涯でがんに罹患する確率は、男性65.5%、女性50.2%と、2人に1人はがんにかかるリスクがあるため、まさに他人事ではありません。
一方で、がんの研究と対策は目覚ましく進み、新しい診断・治療法の進歩や普及により、がん患者の5年生存率は向上し続け、現在ではがん全体で約6割が完治できると考えられるようになってきました。
検査の結果、がんと診断された場合、その進行の程度を客観的に示す指標として「病期(ステージ)」も知っておく必要があります。ステージは、がんが体の一部分にとどまったものなのか、広い範囲に広がっているのかを知る目安。これにより、治療方針が定められ、患者の希望やほかの病気の有無などを加味して治療が進められていきます。
がんのステージ分類
がんのステージ分類は、がんの種類や国により異なりますが、代表的なものに“TNM分類”があります。これは、国際対がん連合が提唱した基準で、3つの要素を組み合わせて進行度合いを測ります。T因子はがんの大きさや周囲への直接的な進展、N因子は周辺のリンパ節に転移しているか、M因子は別の臓器に転移しているか、です。TNM分類では、がんの進行度によりステージ0~IV期の5つに分類されます。0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態、IV期に近いほどがんが広がっている状態(進行がん)です。
・ステージ0:がん細胞が上皮細胞内にとどまっており、リンパ節への転移はない
・ステージI:がんの腫瘍が少し広がっているが、筋肉層でとどまっている。リンパ節への転移はない
・ステージII:小さめ・浅めのがんだがリンパ節に転移がある。または、リンパ節への転移はないが、筋肉の層を超えて浸潤している
・ステージIII:大きいまたは深いところにあるがんが、リンパ節などに転移している。または、がんが局所で進行していたり、リンパ節転移がある程度広がったもの
・ステージIV:離れた別の臓器に転移が認められる
ステージの早い段階で治療できれば、5年生存率は90%以上となりますが、そのような初期のうちは自覚症状がほとんどないのも事実。定期的にがん検診を受け、早く見つけることが大切なのです。
ステージとクラスの違いは?
がんの「確定診断」を行うのは、「病理医」という専門の医師です。病理医が行う病理診断と呼ばれる顕微鏡レベルの診断方法こそ、がん医療のなかで最も精度が高いと位置づけられるもの。手術前・手術中・手術後と、あらゆるタイミングで細胞や組織を調べ、手術で摘出された臓器の妥当性評価なども行っています。病理医の細胞診検査には、“パパニコロウ分類”という分類法があり、細胞が悪性かどうかをクラスIからVに分類しています。
クラスI:正常細胞
クラスII:異型細胞は存在するが、悪性ではない
クラスIIIa:軽度・中等度異型性(悪性を少し疑う)
クラスIIIb:高度異型性(悪性をかなり疑う)
クラスIV:悪性細胞の可能性が高い、あるいは上皮内がん
クラスV:悪性と断定できる異型細胞がある
このように、細胞診結果としてのクラスI~Vと、がんの病期をあらわすステージI~IVは全く違うものです。主治医の説明をよく聞き、専門用語は一般的に分かる用語に言いかえてもらうのが、インフォームド・コンセントの第一歩。病気を治す主役として、患者本人の正しい理解が何よりなのです。
<参考サイト>
がんの病期のことを知る│国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/hikkei_03-01-03.html
最新がん統計│国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
がん研究10か年戦略│文部科学省/厚生労働省/経済産業省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/pdf/gan10y.pdf
がんの病期のことを知る│国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/hikkei_03-01-03.html
最新がん統計│国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
がん研究10か年戦略│文部科学省/厚生労働省/経済産業省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/pdf/gan10y.pdf
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