テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.06.20

世界の国別人口ランキング!…日本は何位?

 国連人口基金(UNFPA)より、「世界人口白書2021」が出版されました。2021年の世界人口は78億7500万人、日本は1億2600万人で世界11位をキープしました。人口で見る各国の動向は、どのようになっているのでしょうか。

人口ランキング・ベスト10

 2021年の人口ランキング、ベスト10の順位は2020年と比べて変動がありません。世界人口78億7500万人のうち、41億1200万人がアジア太平洋地域の住人。アフリカが11億人、中南米が6億5600万人となりました。

順位:国/人口(平均余命・男女)
1位:中国/14億4400万人(75/80歳)
2位:インド/13億9300万人(69/71歳)
3位:米国/3億3300万人(76/82歳)
4位:インドネシア/2億7600万人(70/74歳)
5位:パキスタン/2億2300万人(67/69歳)
6位:ブラジル/2億1400万人(73/80歳)
7位:ナイジェリア/2億1100万人(54/56歳)
8位:バングラデシュ/1億6700万人(71/75歳)
9位:ロシア/1億4600万人(67/78歳)
10位:メキシコ/1億3000万人(72/78歳)
11位:日本/1億2600万人(82/88歳)
※世界/78億7500万人(71/75歳)

 2020年と変わらず11位に入った日本ですが、その内訳は「年齢構造の逆転(若者より高齢者の方が多い)」の典型です。65歳以上人口は28.7%(世界平均9.6%、先進国平均19.7%)、14歳以下の子ども人口は12.3%(世界平均25.3%、先進国平均16.3%)。

 同様の傾向を示している国はイタリア(人口6000万人、65歳以上23.6%、14歳以下12.8%)、ギリシア(人口1000万人、65歳以上21.8%、14歳以下13.4%)、ドイツ(人口8400万人、65歳以上22.0%、14歳以下14.0%)、クロアチア(人口400万人、65歳以上21.7%、14歳以下14.5%)など、数えるほどしかありません。

これまでの世界人口の推移は

 国連の予測では、人口は当面伸び続けるものの、2100年に109億人でピークに達する可能性があり、今世紀中に増加が止まったり、減少に転じたりする確率も27%あるといいます。

 直立二足歩行する人類が出現した600万年前から、狩猟採集生活を送る人類は地球全体で100万人程度を超えることはありませんでした。氷河期が終わり、農耕牧畜が始まった1万年前からは人口増に向かったとはいうものの、それでも1000万人規模、現在の800分の1です。人口が急増したのは、およそ150~200年前の産業革命以降。1800年に10億だった世界人口は1900年に16億、2000年に61億という急カーブを示しました。

 2020年には米ワシントン大学の研究チームが、世界人口は国連予測よりも早くピークを迎えそうだと発表しました。出生率の低下、とくにアフリカにおける産児制限や望まない妊娠に対する知識の普及により、世界人口のピークは2064年の97億人となるだろう、というものです。実際、「世界人口白書2021」では164ページ中の140ページ以上を割いて、望まない妊娠・出産を強いられる女性の問題を分析、啓発につとめています。

 英医学誌「ランセット」の予測では、2017年から2100年にかけて最も大幅に人口減少をみるのは、現在1位の中国(14億から7億へ)です。2位のインドも減少傾向ですが、10億台はキープして世界人口の1位に返り咲くとのこと。著しい増加がみられそうなのは、7位のナイジェリア。2億の人口が2100年には8億まで増加し、中国を抜いて世界2位のポジションにつくと予測されています。

人口は増えたほうがいいのか、減ったほうがいいのか

 最近よく聞くことばに「人新世の時代」があります。「人新世」とは地質年代。世界人口の増加と産業の活発化が、新しい地質年代として明記されるほど地球に大きな傷を残している、というものです。

 世界人口が増えれば、労働人口も大きくなるため、GDPは上がり世界は潤います。一方で、化石燃料を使用するために排出される二酸化炭素や、化学肥料が土壌などに残す窒素の量は莫大なものとなり、森林伐採が進んで地球表面が改変されることを歴史が教えています。

 また、日本にみられるような「年齢構造の逆転」は、若者や現役世代に税金・年金の面でとてつもない負担を強います。ふくれあがる医療費は誰が支払うのか、身心ともに衰える高齢者の世話を誰が行うのか。日本は、世界人口の面でも新たなチャレンジの時を迎えているのかもしれません。

<参考サイト>
世界人口白書2021(国連人口基金)
https://tokyo.unfpa.org/sites/default/files/pub-pdf/sowp2021_report_-_en_web_23.3.21.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』

“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23
鎌田東二
京都大学名誉教授
2

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源

中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授
3

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化

大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
田口佳史
東洋思想研究家
4

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担

人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
5

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学

日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14