社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
地球上でいまだ前人未踏の場所6選
前人未踏の地――そう聞くと、なんだかワクワクしますよね。けれども、今や行こうと思えば地球の裏側にでも行けてしまうし、マップアプリやドローンを使えば、誰でも手軽に地球の様子が観測できてしまいます。もう誰も知らない場所なんてないのでは……と思ってしまいますが、実は地球上には未開の地がまだけっこう残っているのです。
今回は数ある“前人未踏の地”の中でも、調べていく中で筆者が特に惹きつけられた場所6つをジャンルに分けてご紹介します!
梅里雪山(ばいりせつざん/メイリーシュエシャン)は、標高6,000mの高さの山が連なる、中国とチベット自治区の州境に位置する連峰です。世界最高峰であるエベレストは8.849m、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロは5,895mなので、高さだけで見れば登頂可能な山に聞こえるかもしれません。
しかし3つの大河によって浸食された極めて険しい崖に加え、モンスーン地帯特有の強い風と猛吹雪がほぼ一年を通して吹き付けています。アメリカ、イギリスなどの登山家がアタックするも、未だ登頂成功者はゼロ。1991年には、日中合同の登山隊17名が就寝中、突然の雪崩に遭い全滅するという大事故も起きています。
2000年には宗教上の理由から登山自体が禁止となり、永遠の未開の地となりました。
【2】ムチュ・チッシュ(パキスタン)
標高7,452mの険峻ムチュ・チッシュは、パキスタン、インド、中国の国境に横たわるカラコルム山脈にある山です。宗教的な制約などもなく自由に登山できる山ではありますが、そもそも登る以前にたどり着くことすら難しいため、アタックは1999年のスペイン、そして2014年のイギリスの登山家の2件のみで、いずれも登頂できていません。後者のイギリス登山家の場合、6,000m地点まで到達したところで惜しくも断念となりました。
【3】カルジャンi峰(チベット)
ヒマラヤ山脈に属するカルジャン山の最高峰・カルジャンi峰は、雪崩が起きやすいうえ予測不能な悪天候が続く超危険地帯。これまで1986年に日本が、2001年にオランダの登山隊が挑戦しましたが、いずれも失敗に終わっています。
日本の登山隊の場合、「カルジャンi峰に登頂成功した」と主張していましたが、記録の内容からカルジャンii峰ではないかといわれているそうです。
ほかにも前人未踏の山としては、ネパールの「キュンガリ」山も有名です。
【4】地球の海底のほぼ全域
未開の地は地上だけではなく海底にもあります。というより、海底こそ究極の未開の地といえるでしょう。実は地球の全海域中80%の海底が手つかずの状態。海底に近づけば近づくほどすさまじい水圧がかかるため、現在の技術ではそれに耐えうる潜水艦がないというのがその理由です。
特に世界最深の海域・マリアナ海峡の「チャレンジャー海淵」は最深で10,920m(音響測深による)といわれ、かかる水圧はなんと1平方インチ(in2)あたり8t。未だ最深まで到達した人はいません。
標高7,570mを誇る山で、ブータン人にとっては侵してはならない“聖なる神域”とされています。1983年に登山解禁され、4回アタックされましたがいずれも失敗。その後宗教上の理由から6000mを越える山への登山は禁止となりました。
1998年、日本の登山隊に一度登山許可が下りるも、政治上の理由から取り消しに。2003年、当時のチベット国王から永久登頂禁止が宣言されました。
ほかにも宗教的に立ち入り不可の山として、チベットの「カイラス」山も知られています。
未接触部族は調査どころかコミュニケーションを取ることすら難しく、また無理に接触することで彼ら独自の文化の崩壊や感染症流行を引き起こす恐れがあることから、国が接触そのものを禁じていることも。
そうした隔絶した地域にいる部族の中でも特に有名なのが、北センチネル島のセンチネル族です。
【6】北センチネル島(インド)
インド領アンダマン・ニコバル諸島にある面積70平方kmほどの小さな島・北センチネル島のセンチネル族は、部外者を決して寄せ付けず、近づいてきた者には敵意をむきだしにして攻撃してくることで知られています。2006年には船の上で睡眠中に北センチネル島に流れ着いた2人の漁師が、2018年には布教のために北センチネル島に赴いたアメリカ人宣教師が島民に殺害されました。
上陸して生きて帰った者がいないため、島にどのような生物がいるのか、センチネル族がどんな言語を話し、どんな生活を営んでいるのか、まったく謎のままです。
前人未踏の地――すべての謎を解き明かすこともロマンですが、謎は謎のままにしておくこと、「侵されない権利」もあってしかるべきかもしれません。
今回は数ある“前人未踏の地”の中でも、調べていく中で筆者が特に惹きつけられた場所6つをジャンルに分けてご紹介します!
チャレンジャーが次々脱落!「危険すぎる」未開の地
【1】梅里雪山(中国)梅里雪山(ばいりせつざん/メイリーシュエシャン)は、標高6,000mの高さの山が連なる、中国とチベット自治区の州境に位置する連峰です。世界最高峰であるエベレストは8.849m、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロは5,895mなので、高さだけで見れば登頂可能な山に聞こえるかもしれません。
しかし3つの大河によって浸食された極めて険しい崖に加え、モンスーン地帯特有の強い風と猛吹雪がほぼ一年を通して吹き付けています。アメリカ、イギリスなどの登山家がアタックするも、未だ登頂成功者はゼロ。1991年には、日中合同の登山隊17名が就寝中、突然の雪崩に遭い全滅するという大事故も起きています。
2000年には宗教上の理由から登山自体が禁止となり、永遠の未開の地となりました。
【2】ムチュ・チッシュ(パキスタン)
標高7,452mの険峻ムチュ・チッシュは、パキスタン、インド、中国の国境に横たわるカラコルム山脈にある山です。宗教的な制約などもなく自由に登山できる山ではありますが、そもそも登る以前にたどり着くことすら難しいため、アタックは1999年のスペイン、そして2014年のイギリスの登山家の2件のみで、いずれも登頂できていません。後者のイギリス登山家の場合、6,000m地点まで到達したところで惜しくも断念となりました。
【3】カルジャンi峰(チベット)
ヒマラヤ山脈に属するカルジャン山の最高峰・カルジャンi峰は、雪崩が起きやすいうえ予測不能な悪天候が続く超危険地帯。これまで1986年に日本が、2001年にオランダの登山隊が挑戦しましたが、いずれも失敗に終わっています。
日本の登山隊の場合、「カルジャンi峰に登頂成功した」と主張していましたが、記録の内容からカルジャンii峰ではないかといわれているそうです。
ほかにも前人未踏の山としては、ネパールの「キュンガリ」山も有名です。
【4】地球の海底のほぼ全域
未開の地は地上だけではなく海底にもあります。というより、海底こそ究極の未開の地といえるでしょう。実は地球の全海域中80%の海底が手つかずの状態。海底に近づけば近づくほどすさまじい水圧がかかるため、現在の技術ではそれに耐えうる潜水艦がないというのがその理由です。
特に世界最深の海域・マリアナ海峡の「チャレンジャー海淵」は最深で10,920m(音響測深による)といわれ、かかる水圧はなんと1平方インチ(in2)あたり8t。未だ最深まで到達した人はいません。
宗教上の理由から進入禁止!「宗教的シンボル」の地
【5】ガンカー・プンスム山(ガンケルプンスム)(ブータン)標高7,570mを誇る山で、ブータン人にとっては侵してはならない“聖なる神域”とされています。1983年に登山解禁され、4回アタックされましたがいずれも失敗。その後宗教上の理由から6000mを越える山への登山は禁止となりました。
1998年、日本の登山隊に一度登山許可が下りるも、政治上の理由から取り消しに。2003年、当時のチベット国王から永久登頂禁止が宣言されました。
ほかにも宗教的に立ち入り不可の山として、チベットの「カイラス」山も知られています。
外部との接触NG!「未接触部族」のいる地域
世界には、外界との接触を避け、独自の文化を築きながらひっそりと暮らす人々がいます。人が住んでいるため正確には前人未踏ではありませんが、そうしたまったく調査の手が入っていない、世界の文明と完全に隔離された部族を「未接触部族」といい、世界に100以上も存在するとか。未接触部族は調査どころかコミュニケーションを取ることすら難しく、また無理に接触することで彼ら独自の文化の崩壊や感染症流行を引き起こす恐れがあることから、国が接触そのものを禁じていることも。
そうした隔絶した地域にいる部族の中でも特に有名なのが、北センチネル島のセンチネル族です。
【6】北センチネル島(インド)
インド領アンダマン・ニコバル諸島にある面積70平方kmほどの小さな島・北センチネル島のセンチネル族は、部外者を決して寄せ付けず、近づいてきた者には敵意をむきだしにして攻撃してくることで知られています。2006年には船の上で睡眠中に北センチネル島に流れ着いた2人の漁師が、2018年には布教のために北センチネル島に赴いたアメリカ人宣教師が島民に殺害されました。
上陸して生きて帰った者がいないため、島にどのような生物がいるのか、センチネル族がどんな言語を話し、どんな生活を営んでいるのか、まったく謎のままです。
前人未踏の地――すべての謎を解き明かすこともロマンですが、謎は謎のままにしておくこと、「侵されない権利」もあってしかるべきかもしれません。
<参考サイト>
・いまだ前人未到の地球にある10の場所(カラパイア)
https://karapaia.com/archives/52295964.html
・超絶! デカい山の世界 PART3 絶対に誰も登れない山「梅里雪山」の正体(BRAVO MOUNTAIN)
https://bravo-m.futabanet.jp/articles/-/92652?page=1
・Q:世界で一番深い海の深さは?(第五管区海上保安本部 海洋情報部)
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN5/soudan/faq_deep_sea.html
・宣教師を殺害したインド孤立部族、侵入者拒む歴史(ナショナルジオグラフィック)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/113000522/
・いまだ前人未到の地球にある10の場所(カラパイア)
https://karapaia.com/archives/52295964.html
・超絶! デカい山の世界 PART3 絶対に誰も登れない山「梅里雪山」の正体(BRAVO MOUNTAIN)
https://bravo-m.futabanet.jp/articles/-/92652?page=1
・Q:世界で一番深い海の深さは?(第五管区海上保安本部 海洋情報部)
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN5/soudan/faq_deep_sea.html
・宣教師を殺害したインド孤立部族、侵入者拒む歴史(ナショナルジオグラフィック)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/113000522/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,400本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
コンプライアンスにも具体的なストーリーが必要だ
「ものがたり」のあるコンプライアンス(7)経営戦略
国広総合法律事務所パートナーで弁護士の國廣正氏が、「ものがたり」のあるコンプライアンスについて解説するシリーズ最終回。コンプライアンスを「やらされ感」のあるものではなく、「元気の出る」ものにするためには、自発的...
収録日:2017/08/24
追加日:2017/10/18
歴史に教訓あり――東西の知恵を融合させた経営論を学ぶ
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
戦争からビジネスへと競争の舞台が移った現代社会。最先端テクノロジーは日進月歩の進展を遂げているが、ビジネスの普遍的なヒントは歴史の中にある。東洋と西洋の知恵を融合させた経営論としてまとめた書籍『オリエント 東西...
収録日:2024/09/17
追加日:2024/12/13
運をよくする秘訣は「自己の最善を他者に尽くしきること」
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(4)運を左右する道徳律
松下幸之助のいう「宇宙の理法」について理解を深めていく。明治・大正の政治家・後藤新平は、「人間自体が倫理的実在」であるとし、だからこの世の道徳律(自然律)に同調することが大切であると言う。人生がうまく回る秘訣や...
収録日:2024/09/19
追加日:2024/12/12
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
「日本の近代を語るとき、アメリカという存在を抜きにしては全く本質が見えてこない」と中西氏は言う。しかし、日本にとって死活的に重要な存在である国にもかかわらず、アメリカがどんな国か、アメリカの原点は何なのかという...
収録日:2024/06/14
追加日:2024/08/20
明智光秀はいつどこで生まれたのか~出生の謎に迫る
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
本能寺の変のイメージもあり、「主殺しの悪人」「謀反人」といった言われ方もする明智光秀。とりわけ前半生など、謎が多い人物でもある。しかし小和田哲男氏は、「非常に真面目で、学識や教養もあり、部下思いのいい武将だった...
収録日:2019/11/22
追加日:2019/12/31