テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.01.15

老後に不安を感じていることランキング

 いつかくる自分の老後の生活、あなたはどのように考えていますか? 昔は「老後は悠々自適に過ごす」なんて言葉も聞かれましたが、最近では高齢化も進んで老後と呼ばれる期間が長くなったり、老後に必要な資金に関する発言が取り沙汰されたり、老後に対して楽観的な気持ちでいられなくなりましたよね。

 今回は2021年7月にセコム株式会社が20代以上の男女500人を対象に実施した「老後の不安に関する意識調査」をもとに、世の中の人がどんなことを不安に思っているかを紹介します。

老後に不安を感じている人の割合は

 調査の結果、「不安を感じる、または感じた」「どちらかといえば不安を感じる」と回答した人は全体の83%に及び、多くの人が老後に不安を抱いていることが分かりました。男性は79%、女性は88%と女性の方がその傾向は強く、特に40代女性(92%)、20代女性(90%)は9割以上が不安に感じていると答えています。では、具体的にどんなところに不安を感じているのか、ランキング形式でご紹介します。

第1位 病気やケガといった健康の不安

 80%の人が不安に感じていると答えたのが、「病気やケガなどの健康について」でした。年齢を重ねると病気やケガをしやすくなるのはやむをえませんが、認知症になってしまったら、何か病気が見つかって思うような生活ができなくなったら、ケガをして寝たきりになってしまったらなど、さまざまな不安を抱えている人が多いことがうかがえます。また、自分の問題だけでなく、病気やケガをすることで家族にも迷惑をかけてしまうという不安を抱えている人もいるようです。

第2位 経済的な不安

 次いで66%の人が不安と答えたのが「経済面について」です。数年前には「老後資金には2000万円が必要」という言葉が話題となりましたが、「老後にはいくら必要なのか?」を考えるきっかけになった人もいるのではないでしょうか。また、少子高齢化が進み将来の社会保障の先行きが見通せずに、年金収入だけで生活していくことができるのかの不安も根強く、働けなくなったあとにお金が足りなくなることへ不安を感じている人は決して少なくないことがうかがえます。

第3位 介護に関する不安

 51%の人が不安に感じているのが「介護について」でした。自分に介護が必要になった時にどんな生活になるのか、介護を誰に頼むのか、施設に入るとしたらどれだけの費用がかかるのかなど、介護に関する不安もさまざまなものがあります。介護は当事者にならないとなかなかその大変さも見えにくいですが、親の介護を経験して自分の老後に不安を抱く人もいるようです。

過半数は対策をしていない

 こうした不安を抱える人は多いものの、59%の人は老後に向けての対策をしていないという結果が出ています。その理由としては「具体的に何をして良いか分からないから」と答えている人が多数でした。一方、老後に向けての対策をしている人は「健康診断や人間ドッグを定期的に受診する」「食べものに気をつける」「貯蓄をする」など、普段の生活からできることを答える人が多くいました。老後に対して漠然とした不安を抱える方は、できるところから対策をしてみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・「老後の不安に関する意識調査」│セコム株式会社
https://www.secom.co.jp/corporate/release/2021/pdf_DL/nr_20210907.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?

「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
柿埜真吾
経済学者
2

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性

アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
3

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。

第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?

今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?

医療から考える国家安全保障上の脅威(3)NBC兵器をめぐる最新情勢

2006年ロシアのKGB元職員暗殺には「ポロニウム210」というNBC兵器が用いられた。これは、検知しやすいγ線がほとんど出ない放射線核種で、監視の目を容易にすり抜ける。また、2017年金正男氏殺害に使われた「VX」は、2種の薬剤を...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/15
山口芳裕
杏林大学医学部教授
5

生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは

生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(9)弥生人の「生の世界」

弥生時代の衣食住には、いったいどんな文化があったのだろうか。土器やスタンプ痕の分析から浮かび上がる弥生人が生きていた世界、その生活をひもとくと、農耕の発展の経路や死生観など当時のさまざまな文化の背景が見えてくる...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/14
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授