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路上の捨て看板に「不動産」が多い理由
電柱や円錐形のコーンに、針金や紐などで結ばれた広告を時折見かけます。特に不動産関係が多いようです。これらの多くは管理する人のいない「捨て看板(ステ看・捨てカン)」と呼ばれるものです。これは名前の通り回収もされない、責任の所在が曖昧といった問題のある違法なものです。では、なぜ「捨て看板」は「不動産」が多く、またなぜなくならないのでしょうか。
多くの場合、景観を損なったまま回収されないといったこともあり、禁止している自治体も多いです。さらに、電柱などの管理者に使用料を払うことなく無断使用している点も問題です。こういった状況によっては軽犯罪法、道路交通法といった法律にも抵触する恐れがあります。また、本来不動産広告には宅地建物取引業の免許番号の記載が必須ですが、捨て看板の場合、掲載されているのは基本的に電話番号のみ。この点から設置者を特定するのが難しく、現行犯でなければ取り締まることもできないといった状況があります。
さらに2021年11月に国土交通省は、業界団体宛に出した「おとり広告の禁止に関する注意喚起等について」といった文書で注意喚起を呼びかけています。ここでは「おとり広告」の事例として、「すでに成約してしまった、突然水漏れが生じたなどの理由で他の物件を案内する」、「成約した物件をすぐに広告から削除しない」といったものが挙げられています。また「物件情報を改ざんして掲載」する「虚偽広告」の事例もあります。つまり、「捨て看板」に掲載されているとおりの物件はあるとは限らず、他の物件に勧誘するための呼び水となっている可能性があるのです。こういった場合なんとか断ったとしても、かなりしつこい勧誘が続くこともあるようです。「捨て看板」をみてちょっと話を聞いてみようと思って連絡しただけのつもりが、やっかいな事態になるかもしれません。
違法な手口で集客する不動産会社であることを考えれば、そこで数千万円の買い物をするリスクはかなり高いと言えます。もちろん、成約までは大金を払う顧客を逃すような態度を取るはずはありません。またもし「おとり広告」でなかったとして、不動産会社が破格というその値段で物件を買えたとしても、問題は成約後に起きるでしょう。大きな欠陥がみつかったり、法律上のトラブルが起こったりする可能性もあります。このとき、この不動産会社は誠実に対応すると信じることができるでしょうか。
全体の82%が不動産関連
東京都では定期的に違反屋外広告物の除却キャンペーンを行っています。2021年11月の実施結果を見ると、除却された枚数は1832枚(7区4市)とかなりの量です。令和3年度(2021年度)に除却されたものの内訳としては「はり紙」が1598枚で87.2%と最も多く、ついで「はり札」186枚(10.2%)、「立て看板等」44枚(2.4%)、「広告旗」4枚(0.2%)となっています。また、全体のうち82%を不動産業が占めています。多くの場合、景観を損なったまま回収されないといったこともあり、禁止している自治体も多いです。さらに、電柱などの管理者に使用料を払うことなく無断使用している点も問題です。こういった状況によっては軽犯罪法、道路交通法といった法律にも抵触する恐れがあります。また、本来不動産広告には宅地建物取引業の免許番号の記載が必須ですが、捨て看板の場合、掲載されているのは基本的に電話番号のみ。この点から設置者を特定するのが難しく、現行犯でなければ取り締まることもできないといった状況があります。
不当な表示がされている
表示内容に関しても大きな問題があります。不動産広告には客観的な事実を記載するルールがあります。たとえば「お買い得物件」「マンション価格より断然安い」「格安」「資産価値大」といった表示があったとしたら、不当表示。何と比較して安いのか、何と比較して資産価値があるのか曖昧です。またもし「環境抜群」とあったとしても曖昧です。「公園至近」もNGです。公園に近いことを知らせる場合には「〇〇公園まで50m」といったように具体的に示す必要があります。このように不動産広告には「不動産の表示に関する公正競争規約」に示された厳密なルールがあります。さらに2021年11月に国土交通省は、業界団体宛に出した「おとり広告の禁止に関する注意喚起等について」といった文書で注意喚起を呼びかけています。ここでは「おとり広告」の事例として、「すでに成約してしまった、突然水漏れが生じたなどの理由で他の物件を案内する」、「成約した物件をすぐに広告から削除しない」といったものが挙げられています。また「物件情報を改ざんして掲載」する「虚偽広告」の事例もあります。つまり、「捨て看板」に掲載されているとおりの物件はあるとは限らず、他の物件に勧誘するための呼び水となっている可能性があるのです。こういった場合なんとか断ったとしても、かなりしつこい勧誘が続くこともあるようです。「捨て看板」をみてちょっと話を聞いてみようと思って連絡しただけのつもりが、やっかいな事態になるかもしれません。
「捨て看板」は効率が良い
こういった大きな問題がある捨て看板は、なぜなくならないのでしょうか。一言で言えば捨て看板を見た人からの連絡は話が早く、効果が高いからです。その地域で物件を探している人はその地域に住んでいる人の場合が多いです。不動産は1件の成約で数百万から数千万円が動きます。たくさんの商品をたくさんの人に一気に売るといった商売ではありません。つまり、ネット上に掲載して広い範囲の人に向けて訴求するよりも、その物件の周辺を狙い撃ちして集客した方が、成約しやすくコストもかからない、つまりコスパがいいという背景があるようです。違法な手口で集客する不動産会社であることを考えれば、そこで数千万円の買い物をするリスクはかなり高いと言えます。もちろん、成約までは大金を払う顧客を逃すような態度を取るはずはありません。またもし「おとり広告」でなかったとして、不動産会社が破格というその値段で物件を買えたとしても、問題は成約後に起きるでしょう。大きな欠陥がみつかったり、法律上のトラブルが起こったりする可能性もあります。このとき、この不動産会社は誠実に対応すると信じることができるでしょうか。
<参考サイト>
不動産業者の皆さん ご存知ですか?|東京都都市整備局東京都建設局 東京都住宅政策本部
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/koukoku/pdf/kou_siori_10.pdf
共同除却キャンペーンの除却枚数の推移(令和元~令和3年度)|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/11/30/documents/09.pdf
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|公益社団法人 首都圏不動産公正取引協議会
https://www.sfkoutori.or.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/01/h_sekoukisoku.pdf
おとり広告の禁止に関する注意喚起等について|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001315942.pdf
不動産の捨て看板・電柱広告には要注意! 違反広告の見分け方|suumoジャーナル
https://suumo.jp/journal/2016/02/25/106579/
不動産業者の皆さん ご存知ですか?|東京都都市整備局東京都建設局 東京都住宅政策本部
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/koukoku/pdf/kou_siori_10.pdf
共同除却キャンペーンの除却枚数の推移(令和元~令和3年度)|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/11/30/documents/09.pdf
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|公益社団法人 首都圏不動産公正取引協議会
https://www.sfkoutori.or.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/01/h_sekoukisoku.pdf
おとり広告の禁止に関する注意喚起等について|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001315942.pdf
不動産の捨て看板・電柱広告には要注意! 違反広告の見分け方|suumoジャーナル
https://suumo.jp/journal/2016/02/25/106579/
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