社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
今すぐクリエイティブになれる方法って?
今すぐ、驚くほど簡単にクリエイティブになれる方法がある。そのメカニズムが分かったのは、実は50年ほど前、1960年代のことだ。発見したのは、サルノフ・メドニックという心理学者。
彼は、「創造性とはすばらしくよく働く連想記憶にほかならない」と考えた。つまり、連想がよく働く状態ほど、クリエイティブだと定義したのだ。いまも通用する定義だろう。
彼の研究では、検査前に楽しいことを考えてもらった被験者は、直感の正確性を表す「直感指数」が2倍も上がった。反対に、悲しいことを考えた被験者は、直感的な作業をまったく正確にこなせなくなってしまったという。不機嫌なときや不幸なとき、私たちは直感のきらめきを失ってしまうのだ。
つまり、今すぐ簡単にクリエイティブになれる方法とは、「楽しい気分になること」だ。方法は何でもよい。ウキウキしながら考えれば、きっと良い結果が出るはずだ。
昨日、素晴らしいアイデアを思いついたと思ったのに、今日振り返ってみると、実は大きな問題のあるアイデアだった、という経験はないだろうか。それは、創造性が高まっているときに当然起こりえるリスクである。そのリスクを防ぐには、楽しくアイデアを考えた後、時間を置いて、冷静にアイデアを検証するプロセスが欠かせない。
本当に役立つアイデアを生み出すには、楽しくクリエイティブに考えるだけではダメなのだ。疑い深くなる時間もまた大切なのである。
例えば、「1:眠る/郵便/スイッチ」「2:塩/深い/波頭」の単語群を見た場合、多くは2を見たほうが笑顔になるのだという。なぜなら、意味のつながりが強い(海を連想させる)ためだ。その笑顔の反応から、私たちは「この単語群は関連性が強い」と判断するのである。
つまり、実は私たちは情報をみると、最初に感情が動き、その感情の動きを見て、私たちの脳が関連性の強弱を判断するのである。「楽しいことを考えて、クリエイティブになる」という方法は、この働きを利用している。楽しいとき、私たちは、目の前や頭のなかにある情報同士の関連性が強いと勝手に勘違いし、積極的に関連性を考えてしまうのだ。結果的に、連想力、クリエイティビティが増すというわけである。
彼は、「創造性とはすばらしくよく働く連想記憶にほかならない」と考えた。つまり、連想がよく働く状態ほど、クリエイティブだと定義したのだ。いまも通用する定義だろう。
楽しいと、ひらめく!
彼の研究で分かったのは、私たちは楽しい気分だとよくひらめき、クリエイティブになるということだ。彼の研究では、検査前に楽しいことを考えてもらった被験者は、直感の正確性を表す「直感指数」が2倍も上がった。反対に、悲しいことを考えた被験者は、直感的な作業をまったく正確にこなせなくなってしまったという。不機嫌なときや不幸なとき、私たちは直感のきらめきを失ってしまうのだ。
つまり、今すぐ簡単にクリエイティブになれる方法とは、「楽しい気分になること」だ。方法は何でもよい。ウキウキしながら考えれば、きっと良い結果が出るはずだ。
ただし、楽しいとエラーも増える
しかし、気をつけなくてはならない点もある。それは、上機嫌、直感、創造性、騙されやすさが強くつながっていることだ。ご機嫌だと直感が冴え、創造性が一段と発揮される一方で、警戒心が薄れ、論理エラーを起こしやすくなる。昨日、素晴らしいアイデアを思いついたと思ったのに、今日振り返ってみると、実は大きな問題のあるアイデアだった、という経験はないだろうか。それは、創造性が高まっているときに当然起こりえるリスクである。そのリスクを防ぐには、楽しくアイデアを考えた後、時間を置いて、冷静にアイデアを検証するプロセスが欠かせない。
本当に役立つアイデアを生み出すには、楽しくクリエイティブに考えるだけではダメなのだ。疑い深くなる時間もまた大切なのである。
感情反応が関連性を判断している
ここから先は少し難しい話になるが、なぜこういった方法に効果があるかといえば、私たちの「感情反応」こそが、関連性の判断の基になっているからだ。例えば、「1:眠る/郵便/スイッチ」「2:塩/深い/波頭」の単語群を見た場合、多くは2を見たほうが笑顔になるのだという。なぜなら、意味のつながりが強い(海を連想させる)ためだ。その笑顔の反応から、私たちは「この単語群は関連性が強い」と判断するのである。
つまり、実は私たちは情報をみると、最初に感情が動き、その感情の動きを見て、私たちの脳が関連性の強弱を判断するのである。「楽しいことを考えて、クリエイティブになる」という方法は、この働きを利用している。楽しいとき、私たちは、目の前や頭のなかにある情報同士の関連性が強いと勝手に勘違いし、積極的に関連性を考えてしまうのだ。結果的に、連想力、クリエイティビティが増すというわけである。
<参考文献>
・『ファスト&スロー(上)』(ダニエル・カーネマン著 早川書房)
・『ファスト&スロー(上)』(ダニエル・カーネマン著 早川書房)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
『孟子』に学ぶ、リーダーが過酷な境遇に追い込まれる意味
徳と仏教の人生論(5)陰陽と東洋思想を知ることの意味
宇宙や人生の本質について考察を深めていく今回の講義。前回に続く、宇宙がもう1つの宇宙のような存在をつくりたくて人間を創造したという話は非常に興味深い。陰陽(陰と陽)の両面を理解し、自然の摂理に根差した東洋思想を深...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/07
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
「人的資本経営」という言葉が、よく聞かれるようになりました。端的にいえば、「人材=コスト」ではなく「人材=資本」として捉え、人を大切にしていこうという考え方です。
「人を大切にする」というのは別に新しい...
「人を大切にする」というのは別に新しい...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/11/06
職場への不満は6割以上~ポイントは隠蔽、心理的安全性…
組織心理学~「不満」を生かす(1)不満・相談・予防
「職場に不満を持っている人が6~7割いる」というデータがある。経営者にとっては衝撃的なデータだが、実はリーダーのリーダーシップによってその割合は大きく変わるという。いったいどういうことなのか。不満にも妬み同様「い...
収録日:2023/06/21
追加日:2023/12/08


