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DATE/ 2023.02.08

偏差値では測れない「賢い人」の8つの特徴

 「賢い人」と聞いて思い浮かべるのは、勉強のできる人や頭の回転の早い人など様々です。日本語の「賢い」にはいくつかのニュアンスが含まれていますが、英語にも「賢い人」を表す言葉は2種類あり、「知識豊富・勉強ができる(=book smart)」「経験豊富・臨機応変な行動ができる(=street smart)」と区別して表現されます。

 社会に出てから重要視されるのはこの後者である「経験豊富・臨機応変な行動ができる(=street smart)」。偏差値や学歴だけでは測れない実践的な賢さを知り、身に付けておきたいところです。

社会で賢く生きる人の行動や思考パターンとは

 学力や偏差値では測れない、「street smart」な賢さを持つ人を観察してみると、以下のような特徴的な考え方や言動があります。

・先を見通す能力や計画性がある
 賢い人はまるで将棋の駒のように次に起こることを想定して行動し、後先考えずに動きません。時間やスケジュールを把握し組み立てるので、トラブルや遅刻なども少なく冷静で余裕があります。

・人の話をよく聞く
 人の話にしっかり耳を傾けるので、要点を理解するのが早く相手にも良い印象を与えます。ただ聞くだけでなく「こういうことで合っていますか?」と内容確認をするのも賢い人の特徴のひとつです。

・簡潔に整理して話せる
 聞く人のことを考え、わかりやすく簡潔に話せるのも賢い人の特徴。相手の理解度に合わせた例え話や言葉を使用し、難しい専門用語等を使わなくても伝わりやすさを第一に話せる人が多いです。

・客観的な視点がある
 行動力や推進力には勢いやスピードも大切ですが、賢い人は周りや自分が見えなくなる程の行動はあまりしません。自分の言動や全体像を俯瞰で見ることができる客観性も備えています。

・感情に流されない
 円滑な人間関係のために衝動的な言動を抑えられるのも賢い人の特徴です。アンガーマネジメント研修を取り入れる企業も増え、感情のコントロールができるかどうかでも賢さが測られます。

・優先度を判断できる
 仕事や物事のスムースな進め方を考え、順番や優先度を意識して行動できるのが賢い人。不測の事態やトラブルに見舞われた時も、何から対処したらいいのかをすぐに判断できます。

・コスパを見極めムダが少ない
 賢い人は自分なりの価値基準をしっかり確立しており、仕事でも買い物でもレジャーでもコスパを考えて満足を引き出します。合理的な思考ができるためロスやムダも減らすことができます。

・疑問を疑問のままにしない
 分からないことや疑問があると、即座に調べたり質問したりできるのが賢い人。聞けば分かる、調べれば分かることをそのままにしておく事が気持ち悪い、という人も多いです。

 同じような学歴、似たような経歴の人であっても、それぞれの「賢さ」には差があるもの。そこには上記のようなポイントを実践できているかどうか、また、何となく日々や情報に流されるのではなく、自分で考えて行動する過程を大切にしているかという違いがあると思います。日本語には「小賢しい(こざかしい)」と言う言葉もありますが、頭でっかち、聞き齧りの知識、小手先のテクニックなど、それは本当に身に付けた「賢さ」とは区別されてしまうのです。

 もちろん知識や勉強はムダにはなりませんが、社会に出てからの賢い生き方は座学だけで学べるものではありません。知識や経験や実践を積み重ね、それを自分なりに「活かす」こと。本当の賢さとは、成長の道程で獲得できるものなのではないでしょうか。
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松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授