社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
都道府県別「年金受給額ランキング」
都道府県によって年金に格差がある?と驚かれるかもしれません。公的年金受給者が受け取る年金額は人によって違います。まずは年金支給の基本的な仕組みから、一体どのぐらいの差が生じるのか、どの県が高く、どの県が低いのか、その原因は、といったことを、厚生労働省年金局が令和4年12月に発表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から読み取っていきましょう。
令和3年度時点で老齢年金を受給しているのは、厚生年金保険(第1号)受給者が約1562万人、国民年金受給者が約3304万人、のべ4866万人となります。
厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は145,665円、国民年金の平均年金月額は56,479円。ところが、支給されている厚生年金保険(第1号)の平均月額を都道府県別にみると、最も多い県と最も少ない県では43,210円、年間では518,524円もの差が出ています。
国民年金の方はそこまでの差ではありませんが、最多の県は60,034円、最少の県は52,112円。月額で7,922円、年額で95,064円の差があります。
では、47都道府県の年金平均受給額トップ10とワースト10のリストをご覧ください。
順位:都道府県:厚生年金保険(第1号)受給額
1位:神奈川:165,321
2位:千葉:160,017
3位:東京:158,661
4位:奈良:157,601
5位:埼玉:156,319
6位:愛知:154,984
7位:兵庫:154,247
8位:大阪:151,568
9位:滋賀:148,822
10位:茨城:147,004
(厚生年金受給額ワースト10)
順位:都道府県:厚生年金保険(第1号)受給額
1位:青森:122,111
2位:秋田:122,914
3位:宮崎:123,220
4位:沖縄:123,755
5位:山形:124,517
6位:岩手:126,262
7位:熊本:126,589
8位:高知:126,784
9位:鳥取:127,450
10位:島根:127,819
(国民年金受給額トップ10)
順位:都道府県:国民年金受給額
1位:富山:60,034
2位:福井:59,339
3位:島根:59,276
4位:長野:59,050
5位:石川:58,997
6位:香川:58,950
7位:岡山:58,836
8位:新潟:58,725
9位:鳥取:58,585
10位:三重:58,493
(国民年金受給額ワースト10)
順位:都道府県:国民年金受給額
1位:沖縄:52,112
2位:青森:53,933
3位:大阪:54,335
4位:和歌山:54,794
5位:高知:55,129
6位:東京:55,381
7位:京都:55,395
8位:大分:55,448
9位:福岡:55,472
10位:北海道:55,509
格差が生じるのは、現役時代の雇用形態や収入の差によるものです。厚生年金保険料は標準報酬額によって割り出されるので、生涯収入が多く収めた保険料の高かった人ほど、多くの年金を支給されることになります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、雇用形態別の賃金は、正社員で約323,400円、それ以外では約216,700円。これまで厚生年金に加入しにくかった非正規労働者への門戸は段階的に開いていますが、同額の年金が保障されるわけではありません。
これらを考えあわせると、厚生年金受給額の高い都道府県は、比較的大きな企業で生涯勤務してきた人(主に男性)が多いことが分かります。
国民年金の保険料は原則として全員が定額を支払っていますが、受給額に都道府県差が生じる理由については、県別納付率の差があることが日本年金機構から発表されています。
平成30年度の調査では、納付率トップ3県が島根、新潟、富山、ワースト3県は沖縄、大阪、東京です。
今後もらえるようになる年金と、従来支払われてきた年金の間に「世代間格差」があることも大きな問題になっており、もう年金保険料は払わない、という人もいますが、受給資格がなくなってしまうと、老後に大きな悔いを残します。
1位と47位では、年間52万円もの格差?
日本の公的年金は「2階建て」とよく言われます。1階部分は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」、2階部分は会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」によるものです。令和3年度時点で老齢年金を受給しているのは、厚生年金保険(第1号)受給者が約1562万人、国民年金受給者が約3304万人、のべ4866万人となります。
厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は145,665円、国民年金の平均年金月額は56,479円。ところが、支給されている厚生年金保険(第1号)の平均月額を都道府県別にみると、最も多い県と最も少ない県では43,210円、年間では518,524円もの差が出ています。
国民年金の方はそこまでの差ではありませんが、最多の県は60,034円、最少の県は52,112円。月額で7,922円、年額で95,064円の差があります。
では、47都道府県の年金平均受給額トップ10とワースト10のリストをご覧ください。
受給額トップとワーストは?
(厚生年金受給額トップ10)順位:都道府県:厚生年金保険(第1号)受給額
1位:神奈川:165,321
2位:千葉:160,017
3位:東京:158,661
4位:奈良:157,601
5位:埼玉:156,319
6位:愛知:154,984
7位:兵庫:154,247
8位:大阪:151,568
9位:滋賀:148,822
10位:茨城:147,004
(厚生年金受給額ワースト10)
順位:都道府県:厚生年金保険(第1号)受給額
1位:青森:122,111
2位:秋田:122,914
3位:宮崎:123,220
4位:沖縄:123,755
5位:山形:124,517
6位:岩手:126,262
7位:熊本:126,589
8位:高知:126,784
9位:鳥取:127,450
10位:島根:127,819
(国民年金受給額トップ10)
順位:都道府県:国民年金受給額
1位:富山:60,034
2位:福井:59,339
3位:島根:59,276
4位:長野:59,050
5位:石川:58,997
6位:香川:58,950
7位:岡山:58,836
8位:新潟:58,725
9位:鳥取:58,585
10位:三重:58,493
(国民年金受給額ワースト10)
順位:都道府県:国民年金受給額
1位:沖縄:52,112
2位:青森:53,933
3位:大阪:54,335
4位:和歌山:54,794
5位:高知:55,129
6位:東京:55,381
7位:京都:55,395
8位:大分:55,448
9位:福岡:55,472
10位:北海道:55,509
年金受給額に「格差」が生じる理由は?
リストはあくまで平均ですから、厚生年金に加入していた人が同じように年金保険料を納めてきた場合、もらえる年金は受給時にどこに住んでいようと差はありません。格差が生じるのは、現役時代の雇用形態や収入の差によるものです。厚生年金保険料は標準報酬額によって割り出されるので、生涯収入が多く収めた保険料の高かった人ほど、多くの年金を支給されることになります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、雇用形態別の賃金は、正社員で約323,400円、それ以外では約216,700円。これまで厚生年金に加入しにくかった非正規労働者への門戸は段階的に開いていますが、同額の年金が保障されるわけではありません。
これらを考えあわせると、厚生年金受給額の高い都道府県は、比較的大きな企業で生涯勤務してきた人(主に男性)が多いことが分かります。
国民年金の保険料は原則として全員が定額を支払っていますが、受給額に都道府県差が生じる理由については、県別納付率の差があることが日本年金機構から発表されています。
平成30年度の調査では、納付率トップ3県が島根、新潟、富山、ワースト3県は沖縄、大阪、東京です。
今後もらえるようになる年金と、従来支払われてきた年金の間に「世代間格差」があることも大きな問題になっており、もう年金保険料は払わない、という人もいますが、受給資格がなくなってしまうと、老後に大きな悔いを残します。
<参考サイト>
・厚生労働省年金局:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(p24)
https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf
・太陽生命:生命保険とは?仕組みや役割、種類などの基礎知識をわかりやすく解説!
https://www.taiyo-seimei.co.jp/net_lineup/colum/basic/008.html
・日本年金機構(令和元年12月):国民年金保険料納付率の地域差について
https://www.nenkin.go.jp/info/johokokai/uneihyogikai/kako/r01/39.files/02.pdf
https://dime.jp/genre/963642/
・厚生労働省年金局:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(p24)
https://www.mhlw.go.jp/content/001027360.pdf
・太陽生命:生命保険とは?仕組みや役割、種類などの基礎知識をわかりやすく解説!
https://www.taiyo-seimei.co.jp/net_lineup/colum/basic/008.html
・日本年金機構(令和元年12月):国民年金保険料納付率の地域差について
https://www.nenkin.go.jp/info/johokokai/uneihyogikai/kako/r01/39.files/02.pdf
https://dime.jp/genre/963642/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
ケルト神話とは…ダーナ神族、アルスター神話、フィアナ神話
ケルト神話の基本を知る(1)ケルト地域と3つの神話群
ケルト神話とは何か。ケルトという地域は広範囲にわたっており、一般的にアイルランドを中心にした「島のケルト」と、フランスやスペインの西北部などに広がった「大陸のケルト」があるが、神話が濃厚に残っているのはアイルラ...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/07/23
横井小楠が説く「世界の幸せのお世話係」こそ日本の使命
徳と仏教の人生論(4)克己と天壌無窮
西郷隆盛が悟った「克己」、『日本書紀』に出てくる「天壌無窮」、これらの重要性をはじめ、東洋思想における欲望と肉体の関係については、まさに宇宙との対話につながる論理である。また、儒・仏・道・禅・神道の5つの東洋思想...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/01
「土地勘のあるところ、自分たちの武器を持っていく」
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(5)「チーム戦と新規ビジネス」の要点
経営は個人戦でなくチーム戦であり、経営メンバーは「人材の組み合わせ」が大事である。かつて本田宗一郎には藤沢武夫、井深大には盛田昭夫がいたからホンダもソニーも大きくなれた。また、新規ビジネスを始めるときは大事なの...
収録日:2025/05/08
追加日:2025/11/03
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06


