テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.11.19

お葬式で絶対にしてはいけないこと5選

 お葬式やお通夜といった儀式では、遺族と参列者が気持ちを共有します。つらい気持ちを共有することで、人は少しずつ喪失感を受け入れていくことができます。このときマナーに沿った行動をとることは、お互いの悲しみを尊重する行為といっていいでしょう。ではどういったマナーに気をつければいいのでしょうか。ここではお葬式でやってはいけない行為について知っておきましょう。

1. 電話をかけてお悔やみを述べる

 電話は状況にお構いなく相手の時間を奪います。特に葬儀を控えた親族は、現実をうまく受け入れられないまま、葬儀会社とやりとりしていたりさまざまな手続きのことを考えなければならなかったりします。こういった親族の忙しい状況を顧みない電話でのお悔やみは、大きな迷惑になります。もし遠方で参列できないといった場合、弔電を打ってお悔やみを伝えましょう。

2. お通夜などで長居する

 お通夜などで、長らく会っていなかった知人、友人、親族と顔を合わせることもあるでしょう。たくさん話したいことも出てくるでしょうし、落ち込んでいる人を元気づけてあげたいという気持ちになることもあるかもしれません。しかし、遺族は緊張や悲しみで疲労しています。よく眠れない日々を過ごしているかもしれません。知人や友人と話したいなら場所を変えましょう。親族にはお悔やみだけ述べたら「また後日お話ししましょう」と言って、早めに引き上げる配慮を。

3. 死因や亡くなった経緯を訊く

 どういった死因であれ遺族はつらい思いをしています。死因や亡くなった経緯に踏み込むことは、状況によっては遺族のつらさを引き出すことになりかねません。もちろん遺族が話したいようであれば、聞いてあげた方がいいでしょう。相手の話を聞くことには、気持ちを共有する意味でも一定の効果があります。しかし参列者側から訊くことは相手を困惑させます。

4. お葬式にそぐわない服装などで参列する

 お葬式での服装は場を尊重する意思を示す意味でも、ブラックフォーマルウェアや喪服にしましょう。肌の露出が多い服装、光沢が目立つ服装、派手なアクセサリー、サンダル、ピンヒール、スニーカーなどは避けます。お葬式などの儀式は周囲の悲しみに連帯し、お互いの気持ちに寄り添う場です。その場を乱さない服装を心がけましょう。

5. 静粛さを破る

 お葬式やお通夜は、みなが静かに心を落ち着けることのできる場所にしましょう。スマホで通話したり、スマホのカメラで音を立てて撮影したり、周囲の人と世間話したりすることは避けましょう。また小さな子供がいる場合は、あらかじめ静かにするようにゆっくり話しておく、トイレを済ませておく、絵本やおもちゃ(音の出ないもの)で静かに過ごせるようにしておくといった工夫をするといいかもしれません。もちろん状況によって途中で席を外しても問題はありません。

 他にも「香典はある程度きれいなお札に折り目を付けて入れる」「通夜振る舞いは断らない」「地域の風習を守る」などマナーとされるものはいくつか考えられます。しかし大事なことは、なによりもその場にいる人々への思いやりのある態度ではないでしょうか。儀式には、故人とゆかりがあった人が集っています。誰かが現実からいなくなることは、だれにとっても受け入れがたいことです。みなどこかに喪失感や悲しみ、孤独を抱えています。遺族をはじめとして自分以上につらい気持ちを抱いた人が集まっている場であることを頭に置いて振る舞いましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために

硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将...
収録日:2025-07-09
追加日:2025/08/15
門田隆将
作家 ジャーナリスト
2

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

DEIの重要性と企業経営(2)人的資本経営とウェルビーイング経営

今、企業の中に「人的資本経営」が急速に浸透している。経産省の定義によると、人的資本経営とは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のこと。類似する概念と...
収録日:2025-05-22
追加日:2025/08/15
山本勲
慶應義塾大学商学部教授
3

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地

世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注...
収録日:2025-06-23
追加日:2025/08/14
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授
4

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来

日本陸軍は戦前の歴史をどう動かしたのか。シリーズでは陸軍の皇道派と統制派がどのような考えのもとに動いたかを論じる。第1話の今回はまず、第一次大戦が世界史的にいかなる意味を持ったかについて解説する。(全7話中第1話)
収録日:2018-12-25
追加日:2022/08/12
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(3)夜型人間と社会的時差ボケの関係

「夜型人間ほど社会的時差ボケは大きい」――つまり社会的時差ボケには、いわゆる夜型の生活習慣が大きく関わっているということだ。また、実はそうした睡眠のリズムは、持って生まれた遺伝子の影響も無視できないという。クロノ...
収録日:2025-01-17
追加日:2025/08/16
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長