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日本語に“化けた”外来語たち
日本語は昔からさまざまな言語を取り入れてきました。「パン」や「ビスケット」はポルトガル語から、また「ガラス」「ビール」「アルコール」「レンズ」といった言葉はオランダ語から日本語に入ってきました。もっと古くは「旦那」という言葉も、「布施をすること、布施をする人」を意味する仏教用語(サンスクリット語)の「ダーナ」が語源とのことです。このように、日常的に使っていても意外と知らない外来語はまだまだ眠っています。ここではあまり知られていない外来語について取り上げてみます。
「天ぷら」
今や寿司、天ぷらといえば日本を代表する食として有名ですが、「天ぷら」の元になった言葉は、ポルトガル語で「調理」を意味する「tempero(テンペーロ)」です。
「かぼちゃ」
かぼちゃは天文年間(1532年から1555年)に日本にやってきました。ポルトガル船がカンボジアで入手したものです。この船が漂流して大分に到着しますが、この時かぼちゃをポルトガル人が「Cambodia(カンボジア)」と呼び、その音から日本語で「かぼちゃ」となったようです。
「たばこ」
「tabaco」の表記はポルトガル語の綴りです。タバコに関する記録が見られるようになるのは1596年(慶長元年)以降とのこと。つまり戦国時代末期に日本に入ってきたとされています。
「エキス」
「抽出物」を意味するオランダ語の「エキストラクト(extract)」が由来です。遅くとも江戸時代後期には使われており「越幾斯」という漢字が当てられたようです。
「メス」
オランダ語でナイフを意味する「メス(mes)」が由来となっています。他にも医学的な分野からは「ピンセット(pincet)」、「スポイト(spuit)」、「アルコール(alcohol)」、「レンズ(lens)」、「オブラート(obraat)」などが入っています。
「ハツ」
「ハツ」は焼き鳥や焼肉のメニューなどで見かけますが、これは英語の「ハーツ(herts)」つまり心臓の意味です。
「ミシン」
「ミシン」は英語で言うと「ソーイング・マシン(sewing machine)」ですが、この「マシン」が変化して「ミシン」となっています。
「簿記」
英語での簿記は「ブック・キーピング(bookkeeping)」です。このことばが「簿記」になったとのことです。現在の複式簿記を日本に伝えたのは福沢諭吉です。
「背広」
これには諸説あるようですが、「市民服」を意味する英語の「シビル・クロウズ(civil clothes)」が語源という説が有力です。
他にも番外編としては、アルバイト(ドイツ語)、ズボン(フランス語)、ロボット(チェコ語)、襦袢(アラビア語→ポルトガル語)、カンパ(ロシア語)、ノルマ(ロシア語)なども外来語です。
今続々と入ってきている新しい外来語は今後定着し、これが外来語だったことも忘れる日が来るかもしれません。ただし、定着するまでは、世代間コミュニケーションを阻むリスクがあるともいえます。また原語から外れた使い方がなされることで和製英語となるリスクもあります。このように外来語は日本語の柔軟性を支えるものではありますが、使いすぎは思わぬ障壁となる可能性があることも、今後は意識する必要がありそうです。
ポルトガル語由来の外来語
漢語以外で日本語に外来語が入ってきたのは、キリスト教の伝来以降のことです。キリスト教を日本にはじめに紹介したのはポルトガルでした。このとき新しいモノや概念が入ってきてそのまま日本語になっています。「天ぷら」
今や寿司、天ぷらといえば日本を代表する食として有名ですが、「天ぷら」の元になった言葉は、ポルトガル語で「調理」を意味する「tempero(テンペーロ)」です。
「かぼちゃ」
かぼちゃは天文年間(1532年から1555年)に日本にやってきました。ポルトガル船がカンボジアで入手したものです。この船が漂流して大分に到着しますが、この時かぼちゃをポルトガル人が「Cambodia(カンボジア)」と呼び、その音から日本語で「かぼちゃ」となったようです。
「たばこ」
「tabaco」の表記はポルトガル語の綴りです。タバコに関する記録が見られるようになるのは1596年(慶長元年)以降とのこと。つまり戦国時代末期に日本に入ってきたとされています。
オランダ語由来の外来語
17世紀前半に江戸幕府は鎖国体制に入ります。貿易相手はオランダに絞り込まれ、その先の200年余りをオランダとのみ交易します。特にこのとき蘭学として西洋医学がもたらされ、医学分野の外来語がオランダ語から入ってきました。「エキス」
「抽出物」を意味するオランダ語の「エキストラクト(extract)」が由来です。遅くとも江戸時代後期には使われており「越幾斯」という漢字が当てられたようです。
「メス」
オランダ語でナイフを意味する「メス(mes)」が由来となっています。他にも医学的な分野からは「ピンセット(pincet)」、「スポイト(spuit)」、「アルコール(alcohol)」、「レンズ(lens)」、「オブラート(obraat)」などが入っています。
英語由来の外来語
19世紀後半の明治維新以降になると英語から入ってくる外来語が多くなります。その中でも意外性のあるものをいくつかピックアップしてみましょう。「ハツ」
「ハツ」は焼き鳥や焼肉のメニューなどで見かけますが、これは英語の「ハーツ(herts)」つまり心臓の意味です。
「ミシン」
「ミシン」は英語で言うと「ソーイング・マシン(sewing machine)」ですが、この「マシン」が変化して「ミシン」となっています。
「簿記」
英語での簿記は「ブック・キーピング(bookkeeping)」です。このことばが「簿記」になったとのことです。現在の複式簿記を日本に伝えたのは福沢諭吉です。
「背広」
これには諸説あるようですが、「市民服」を意味する英語の「シビル・クロウズ(civil clothes)」が語源という説が有力です。
他にも番外編としては、アルバイト(ドイツ語)、ズボン(フランス語)、ロボット(チェコ語)、襦袢(アラビア語→ポルトガル語)、カンパ(ロシア語)、ノルマ(ロシア語)なども外来語です。
外来語で世代間ギャップが生まれるかもしれない
外来語はそのとき新しく外国から入ってきた物事や概念です。歴史を振り返れば、大正初期には社会思想用語などで外来語が多く入っています。たとえば、ヒューマニズム(人道主義)、キャピタリズム(資本主義)、アナーキスト(無政府主義者)といったように、外来語はその時代の日本に入ってきた新しいものを写す鏡と言えるかもしれません。現代では昔と比べものにならないくらい、外来のあらゆる概念が飛び交っています。今続々と入ってきている新しい外来語は今後定着し、これが外来語だったことも忘れる日が来るかもしれません。ただし、定着するまでは、世代間コミュニケーションを阻むリスクがあるともいえます。また原語から外れた使い方がなされることで和製英語となるリスクもあります。このように外来語は日本語の柔軟性を支えるものではありますが、使いすぎは思わぬ障壁となる可能性があることも、今後は意識する必要がありそうです。
<参考サイト>
英語から日本語になった言葉だった!気づかず使っている意外な外来語|レアジョブ英会話
https://www.rarejob.com/englishlab/column/20220420/
Ⅲ 国際化に伴うその他の日本語の問題|文化庁
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/22/tosin04/13.html
広報紙などでは外来語をどのように使うのが良いでしょうか|ことば研究館
https://kotobaken.jp/qa/yokuaru/qa-97/
英語から日本語になった言葉だった!気づかず使っている意外な外来語|レアジョブ英会話
https://www.rarejob.com/englishlab/column/20220420/
Ⅲ 国際化に伴うその他の日本語の問題|文化庁
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/22/tosin04/13.html
広報紙などでは外来語をどのように使うのが良いでしょうか|ことば研究館
https://kotobaken.jp/qa/yokuaru/qa-97/
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