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DATE/ 2016.02.26

スマホを捨てて筆を持とう!安らぎをもたらす習い事

 上手に生きている人ほど自分のくつろげる場を幾つも持っている。そして、その日の気分によって気まぐれに選定するのではないだろうか? 例えば、お気に入りのカフェ、行きつけの居酒屋、気晴らしに歩く公園、ぼんやりとするための水族館など、とにかく自分が安らげるところを多く持つことである。そのような安らぎの場としての習い事を始めてみるのはどうだろうか?

習い事から始める束の間の安らぎ

 近頃、忙しく仕事している社会人が、余暇を見つけていろいろな習い事を始めている。それによって、日ごろのせわしない時間から逃れることができるし、共通の目的をもった友人と出会うこともできる。ビジネスとは全く関係のない新たなつながりは、学生の頃の出会いや交流を彷彿とさせ、実に新鮮に感じるだろう。

 ちなみに、どのような習い事を始めるかはあなた自身の関心や趣味に照らし合わせて、料理、英会話、スポーツ、読書会、ハイキングなど自由に選べばいい。その中で注目すべきは絵画教室だ。

安らぎをもたらす意外な習い事の絵画教室

 「絵画」というと、意外に敷居が高く感じられ、絵を嗜んだことがない人にとっては尻込みしてしまうかもしれない。しかし、そう思う必要は一切ない。気晴らし程度の習い事と考えると、絵画教室は信じられないほどの安らぎを与えてくれる。

油絵の特性とは

 油絵とは、絵描きが見た世界(風景や人やモノ)を感じるままにキャンバスに描き込むものである。つまり人それぞれの感性がおもむろに介在する。それゆえ抽象的な世界を受け入れるだけの余地があるし、何をどのように描いても許される。そして、自分が捉えた世界へと没入するように羽を伸ばすことが可能だ。無限大の自由が描き手であるあなたの手に委ねられている。

 どのようなモノを描くにしても、大切なことがひとつある。それはあまり深く考えず、あなたがその日の気分で使いたい絵の具を選び、感じるままに描くことだ。そして出来上がってゆくものをぼんやりと眺め、気が済むまで、色をあれこれ足してゆこう。すると不思議とその日の気持ちや感情が自然と反映されることがある。

 そして人はそれに癒される。実際、芸術療法の一環として、人は絵を描くことで自分の気持ちを自由に表現して気持ちをリラックスさせることがある。また、絵の具の匂いには人を癒す力があると、多くの絵描きが言っている。おそらくその匂いもまた絵の世界へと導く大切な要素であるだろう。

スマホを捨てて筆を持とう

 一度、何も考えずに絵画教室へと歩んでみてはいかがだろうか。毎日、スマホを片手に液晶の画面を眺めていては目も疲れるだろうし、神経も電磁波を受けて意外に緊張する。そこから離れる時間を持つことだ。

 ちなみに、もし通うなら、大手の企業が経営するカルチャースクールよりも、町の片隅で見かけるような古いアトリエの教室をおススメしたい。時の止まったようなアトリエには人の気持ちを安らかにさせる不思議な空気がひっそりと流れているからだ。

 さぁ、絵画教室へのソフトトリップの旅に出よう。

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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授