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DATE/ 2016.05.19

恋を長続きさせるのに必要な「距離間」とは?

 みなさん、恋していますか?

 付き合い始めは誰でも楽しい気持ちになります。毎日連絡をとりあって、いろんな場所に行って、いつでもどこでも一緒。
 でも、そのラブラブぶり、ちょっと待ってください。もしかすると、知らず知らずのうちにお互いの気持ちを冷めさせる方向に進んでいるのかもしれません。

近くにいることが愛情ではない

 できるだけ好きな人のそばにいたいという気持ちは誰にでもあります。しかし、近くにいることだけが愛情とは限りません。つねに携帯電話で連絡をとることを義務づける、誰とどこにいるかを知らせるなど、相手に行動をしばりつけることにつながっていきます。

 恋人は自分ではありません。プライベートな時間がそれぞれに必要なのです。だから、自分と同じ領域にいつも相手を置いておこうとすると、相手にプレッシャーを与えるのはもちろん、相手に依存する自分の行動さえも制限されていきます。

ふとしたときに熱は冷める

 お互いの熱量が大きいときは、自分を良く見せようと努力しますし、相手の悪いところが見えにくくなります。しかし、あまりにも燃え上がりすぎるカップルは、相手をどんどん理想化していく傾向にあります。

 恋は盲目、というように、相手が良く見えるということに越したことはありませんが、自分の体調や精神状態が悪いとき、ふと熱がおさまってきたときに、相手の悪いところが見え始めます。そのときの失望感は、強く燃える愛情を持つ人ほど、冷めるときの落差が激しいのです。

異性と交流すること

 また、絶対にほかの異性とは会ってほしくない、私だけを見てほしいという人もいます。そんな方は、自分もほかの異性とは会わないと固い約束をしてしまっていませんか。いい出会いというものは、人生をより楽しいものにしてくれます。多くのことを学び、それがあなたの知性を磨き、経験によって得たものが魅力となってあなたを輝かせてくれるのです。

 自分のものだけにしたくて相手をしばるのは、とてももったいないことです。もし心身ともに健康ならば、どんどんと人と会って、相手に気が配れる人間になったほうが、恋人も自分の相手を離したくないと思う気持ちが強くなるのではないでしょうか。

距離をとるという行為は冷たくすることではない

 では恋人とはどんな距離感がいいのでしょうか。

 手をつなぐという行為についていえば、手をつなぎたがる異性よりも、ひとりで颯爽と歩いていく異性に、好意を持ってくれる人は多いようです。

 一方で、手をつなぐ恥ずかしさから相手を突き放す、ぞんざいに扱うといった行為をしてしまう人がいます。それは距離をとっているということにはなりません。相手のことを考えず、見えなくなるまでどんどん先に行ってしまう、ということになります。

 とはいえ、ずっと手をつなぎ続けていると、何か興味のあるものを見つけたときに立ち止まったり、近くまで見に行ったりできなくなります。そこで、相手の隣を、もしくは、少しだけ後ろを歩いていくことが、ちょうどいい距離感なのではないでしょうか。

 カップルには色んな形があり、性格も個々で違うものです。幸せな形というものを追い続け、理想像を相手に求め続けても意味がなく、これがいいという距離感に正解はないということです。それぞれの付き合いのなかで、自分でつかんでいくことが大事なのです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授