社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
真冬になぜ熱中症?意外なところに潜む罠
もう春を迎えようとしているのに、まだまだ寒い日が続きますね。こんなとき、気をつけたいのが熱中症。「え?夏でもないのに熱中症?信じられない」という方もいるかと思います。産経ニュースでは今年(2017年)1月、「冬でもかかる熱中症 まさか、●●●の中で」と題して熱中症のことが取り上げられており、60歳の男性会社員が熱中症に苦しんだという記事が載っていました。
いったいなぜ冬に熱中症が起こるのでしょう?実は思いもよらないところに原因がありました。
気づかないうちに脱水になっている――この症状のことを「かくれ脱水」と呼ぶそうです。医学博士で兵庫医科大学小児科学教授の服部益治先生を委員長とする『教えて!「かくれ脱水」委員会』のサイト「かくれ脱水JOURNAL」では、「熱中症の背景に『かくれ脱水』が潜んでいる」と指摘した上で、冬場の脱水について次のように注意を促しています。
「カラダにとって快適な湿度は50~60%ですが、冬場の湿度は50%以下になることが少なくありません。外気が乾燥すると、知らない間にカラダから水分が失われやすくなります」
では、どういう場所で「かくれ脱水」が起きているのでしょうか。まず意識すべきは室内です。「かくれ脱水JOURNAL」には、「冬の室内は屋外よりも10~20%も湿度が低下する傾向があります。したがって屋外よりも乾燥している室内の方が不感蒸泄は増えます」とあります。不感蒸泄(ふかんじょうせつ)とは、呼吸するとき呼気に含まれる水分と、皮膚から蒸発していく水分のこと。つまり、一見関係ないと軽視されがちな室内の湿度ですが、実は湿度が下がり乾燥すると、皮膚、粘膜からの蒸発、呼吸によっても、体から失われる水分が増えていくということです。
続いて、こたつや電気カーペットなど冬の必需品といえるものがさらに体から水分を奪うとのこと。まだお使いになっている方はご注意ください。
そのほか、気にすべきところとして車の中が挙げられます。冬の車内で熱中症に苦しんだというケースもあるそうです。エアコンを使用すると車内はとても乾燥した状態になるため、特に渋滞時などでは同乗者への配慮もふくめ、「かくれ脱水」にならないよう注意することが大事です。
また、汗をかかなくなれば良いのかというと、そうではありません。「かくれ脱水JOURNAL」では、熱中症が発生することによって起こる負の連鎖について以下のように説明されていました。
「発汗で体液が失われると、水分の不足から栄養素、酸素、老廃物の出し入れが滞り、電解質の不足から障害が起こります。さらに発汗が続き、体液が失われると、カラダは体液のそれ以上の喪失にブレーキをかけるために、発汗にストップをかけます。すると発汗で体温が下げられなくなり、体温上昇で障害が起こります」
つまり、汗をかかなくなってしまうころには、危険な状態になりつつあるのです。この悪しきサイクルが熱中症のおそろしさといえるでしょう。「ちょっと暑いかな、でも我慢できる」という状態は、実はよくないのです。汗が止まったからといって安心するのは禁物ということですね。
また、湿度に気を配ることも大事です。どうしても乾燥しがちなこの季節、加湿器を置く、また洗濯物を部屋干しするなどして、空気中の水分量を増やしましょう。これだけでもかくれ脱水を防ぐことができます。
季節外れだからこそ、油断して起こる熱中症。大事になる前に危機意識を持つことが大切ですね。
いったいなぜ冬に熱中症が起こるのでしょう?実は思いもよらないところに原因がありました。
体は意外に脱水している
夏に脱水を起こさないよう、よく水を飲む方は多いと思いますが、冬までそこに気をつかっているという方はどれくらいいるでしょうか。「冬はほとんど汗をかかないから」と言って水分を摂らない方、「かくれ脱水」になっているかもしれません。気づかないうちに脱水になっている――この症状のことを「かくれ脱水」と呼ぶそうです。医学博士で兵庫医科大学小児科学教授の服部益治先生を委員長とする『教えて!「かくれ脱水」委員会』のサイト「かくれ脱水JOURNAL」では、「熱中症の背景に『かくれ脱水』が潜んでいる」と指摘した上で、冬場の脱水について次のように注意を促しています。
「カラダにとって快適な湿度は50~60%ですが、冬場の湿度は50%以下になることが少なくありません。外気が乾燥すると、知らない間にカラダから水分が失われやすくなります」
では、どういう場所で「かくれ脱水」が起きているのでしょうか。まず意識すべきは室内です。「かくれ脱水JOURNAL」には、「冬の室内は屋外よりも10~20%も湿度が低下する傾向があります。したがって屋外よりも乾燥している室内の方が不感蒸泄は増えます」とあります。不感蒸泄(ふかんじょうせつ)とは、呼吸するとき呼気に含まれる水分と、皮膚から蒸発していく水分のこと。つまり、一見関係ないと軽視されがちな室内の湿度ですが、実は湿度が下がり乾燥すると、皮膚、粘膜からの蒸発、呼吸によっても、体から失われる水分が増えていくということです。
続いて、こたつや電気カーペットなど冬の必需品といえるものがさらに体から水分を奪うとのこと。まだお使いになっている方はご注意ください。
そのほか、気にすべきところとして車の中が挙げられます。冬の車内で熱中症に苦しんだというケースもあるそうです。エアコンを使用すると車内はとても乾燥した状態になるため、特に渋滞時などでは同乗者への配慮もふくめ、「かくれ脱水」にならないよう注意することが大事です。
汗をかかなければ良いわけではない!熱中症の怖さを再確認
では改めて、熱中症がどんなに危険かを見ていきましょう。まず、症状ですが、めまいや立ちくらみに始まり、頭痛、吐き気、さらには意識障害を引き起こします。命をおびやかすこともある怖い症状ですね。また、汗をかかなくなれば良いのかというと、そうではありません。「かくれ脱水JOURNAL」では、熱中症が発生することによって起こる負の連鎖について以下のように説明されていました。
「発汗で体液が失われると、水分の不足から栄養素、酸素、老廃物の出し入れが滞り、電解質の不足から障害が起こります。さらに発汗が続き、体液が失われると、カラダは体液のそれ以上の喪失にブレーキをかけるために、発汗にストップをかけます。すると発汗で体温が下げられなくなり、体温上昇で障害が起こります」
つまり、汗をかかなくなってしまうころには、危険な状態になりつつあるのです。この悪しきサイクルが熱中症のおそろしさといえるでしょう。「ちょっと暑いかな、でも我慢できる」という状態は、実はよくないのです。汗が止まったからといって安心するのは禁物ということですね。
予防に努める~水分補給と危機意識が大事~
寒い季節の熱中症は、急激な外的要因から来るものではないので、対策をすれば防げます。まず大事なことは、水分補給。電解質を摂るようにするといいとのこと。スポーツドリンクで手軽に摂ることができますが、手近にない場合は塩を水と一緒になめるだけでも違うそうです。また、湿度に気を配ることも大事です。どうしても乾燥しがちなこの季節、加湿器を置く、また洗濯物を部屋干しするなどして、空気中の水分量を増やしましょう。これだけでもかくれ脱水を防ぐことができます。
季節外れだからこそ、油断して起こる熱中症。大事になる前に危機意識を持つことが大切ですね。
<参考サイト>
・産経ニュース:冬でもかかる熱中症 まさか、●●●の中で
http://www.sankei.com/life/news/170101/lif1701010020-n1.html
・教えて!「かくれ脱水」委員会・かくれ脱水JOURNALホームページ:「かくれ脱水」って何?より(以下全て)
※脱水症予防が熱中症予防につながる
http://www.kakuredassui.jp/whatis5
※知っておくと安心。「冬のジンワリ脱水」が起こる理由
http://www.kakuredassui.jp/whatwin1
※深刻な症状につながる脱水症。症状が出る手前「かくれ脱水」の状態で対処するのがベスト
http://www.kakuredassui.jp/whatis6
・産経ニュース:冬でもかかる熱中症 まさか、●●●の中で
http://www.sankei.com/life/news/170101/lif1701010020-n1.html
・教えて!「かくれ脱水」委員会・かくれ脱水JOURNALホームページ:「かくれ脱水」って何?より(以下全て)
※脱水症予防が熱中症予防につながる
http://www.kakuredassui.jp/whatis5
※知っておくと安心。「冬のジンワリ脱水」が起こる理由
http://www.kakuredassui.jp/whatwin1
※深刻な症状につながる脱水症。症状が出る手前「かくれ脱水」の状態で対処するのがベスト
http://www.kakuredassui.jp/whatis6
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは
地政学入門 ヨーロッパ編(9)EUの深化・拡大とトルコの問題
国際政治の理論として国同士の経済交流、相互依存が安全保障、つまり平和を維持できると伝統的に考えられてきたが、今般の国際政治ではそれは必ずしも当てはまらないようだ。そこでEUの問題である。国の垣根を越えて世界国家に...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/30
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
昨今、生成AIに代表されるようにAIの進化が目覚ましく、「AIに代わられる仕事、代わられない仕事」といったテーマが巷で非常に話題となっている。では、AIに代わられない事とは何であろうか。そこで、『江藤淳と加藤典洋』(文...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/25
寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
私たちに欠かせない「睡眠」。そのメカニズムや役割についていまだ謎も多いが、それでも近年は解明が進み、私たちの健康に大きく関与することが明らかになっている。まずは最新情報を盛り込んだ睡眠が果たす5つの役割を紹介し、...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/06/05