ウズベキスタン訪問に学ぶ
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
イスラム・カリモフ大統領の政治方針が経済成長を阻害
ウズベキスタン訪問に学ぶ(2)カリモフ大統領の政治方針
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ウズベキスタンはなぜ経済発展がなかなか進まないのか。その理由は、25年目に入ったカリモフ大統領の政治方針にあると、千葉商科大学学長・島田晴雄氏は喝破する。シリーズ「ウズベキスタン訪問に学ぶ」第2回。(全3話中第2話目)
時間:12分58秒
収録日:2015年8月20日
追加日:2015年10月1日
≪全文≫

●アゼルバイジャン独立の際に悲劇が起きた


 前回からたびたび、カリモフ大統領と言っていますが、本名はイスラム・カリモフという方です。1991年にいわゆるゴルバチョフ革命があり、旧ソ連が崩壊します。14の民族共和国が手を挙げ、いち早く独立に走りましたが、この時に悲劇が起きています。この10MTVでも、一度アゼルバイジャンの話をしたことがあると思いますが、アゼルバイジャンでは社会学の大学教授が手を挙げ、大変な人気ですぐさま大統領となって「反ソ連」を打ち出したために、とんでもないことが起きてしまいました。

 この時はミハイル・ゴルバチョフなのです。ウラジーミル・プーチンではありません。ゴルバチョフは温厚な人といわれており、ノーベル平和賞も受賞しましたが、実はこの時はたちどころに恐ろしいことをしました。アゼルバイジャンにナゴルノ・カラバフという地域があります。日本でいうと近畿地方のようなところで、近畿地方に韓国の方が多いように、ナゴルノ・カラバフにはアルメニア人がたくさん住んでいます。彼らは何百年も前から、ここはアルメニアの土地だから独立したいと言ってきたのですが、アゼルバイジャンが抑えてきた経緯があります。

 しかし、この時、ソ連軍がバックアップして、彼らを事実上独立させてしまったのです。そのため、100万人ほどのアゼルバイジャン人がナゴルノ・カラバフから逃避しなくてはならなくなりました。アゼルバイジャン人にとっては心臓を取られるようなつらい思いだったそうで、そのトラウマはいまも続いています。


●オレンジ革命やバラ革命を避けたい


 いま中央アジア地域の政府が一番気にしているのは情報で、民衆がいわゆる「言論の自由」を求めてくることを最も恐れています。彼らは、とにかくオレンジ革命やバラ革命のような事態を避けたいのです。

 オレンジ革命とは、2004年のウクライナで起きた一連の政治運動のこと。ご存知のとおり、ウクライナは新進の若手政治家がタッグを組んで、「自由を」「民主主義を」と叫び、ロシアから派遣された大統領を争乱で倒してしまいました。それが今日のウクライナ問題につながっています。プーチンが手を突っ込んできて、クリミアを独立させ、東ウクライナを制圧しました。ロシアは、実行しているのは親ソ派だと主張していますが、親ソ派がなぜ戦車や爆撃機を持っているのか。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(2)図書館「レファレンス」の活用
図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
デカルトの感情論に学ぶ(2)感情をコントロールするには
恐怖をなくす方法と感情のコントロール…デカルトの考え方
津崎良典
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(5)徳は孤ならず
敬天愛人…一人ひとりを大切にしながら宇宙を相手に生きる
田口佳史
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通