メコン川の恵みとラオス経済
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ラオス発展の鍵は「企業内教育」と「ブランド化」にあり
メコン川の恵みとラオス経済(4)発展の現状と今後の課題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ラオス経済の課題は、人材教育と電力問題、そして地下経済にある。ラオス経済が今後発展していくためには、メコン川流域開発計画の一翼を担う存在として、小国なりの存在意義を見出さなければならない。千葉商科大学学長・島田晴雄氏が、今回のラオス訪問を総括し、その現状と課題を分かりやすく伝える。(全4話中最終話)
時間:16分38秒
収録日:2016年1月18日
追加日:2016年4月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●ラオス人は気質が良い


 最後に、私の感想をいくつかの点に分けてお話ししたいと思います。

 一つは、ラオスの人々の礼儀正しさ、それから寛容さや優しさです。ラオスの人は決して言葉を荒立てないのですね。一方、タイはすごいです。私はタイに何度も行っていますし今回もタイから行ったのですが、タイの人たちは同じ仏教国で、手を合わせて人前で挨拶をします。これはラオスも同じですが、タイはその代わりガーっと強く言いますし、相当強気な行動を取ります。

 そのために、ラオスの人は本当に押し込まれてしまうのですね。私は相当短気で、ホテルでもきついことを何度か言いましたが、「それはお客さんのせいでしょう」といったことは、一言も返ってきませんでした。「はい、分かりました。ちょっと時間はかかりますが、やります」と言う。おとなしいというか、そういう人たちなのですね。歴史的に見ると、タイやミャンマーに攻め込まれています。かつてのラーンサーン王国の領土は、3分の2がタイに取られていますから。にもかかわらず、小国で今日のここまで来たわけで、戦争のような荒立ったことはやらない国なのです。


●ラオスは「平和の配当」に包まれている


 2番目に申し上げたいのは、「平和の配当」がこの東南アジアを包んでいるということです。1964年のトンキン湾事件から73年まで、ベトナム戦争がありました。アメリカ軍は、枯葉作戦でベトナムを全て焼き払おうとしたほどの戦争です。ラオスも、その戦争で山岳地帯がほとんどやられて、ひどい目に遭いました。南のカンボジアでは、ポルポトが何百万人も殺す殺戮があったのです。

 東南アジアは、第二次世界大戦時に日本が進駐し、それを今度はフランスとイギリスが取り返して、ずっと戦闘が続くという状況にありました。戦後は冷戦構造の中にあり、ベトナムはずっとソ連の支援を得ていましたから、米軍が徹底的に攻撃しました。ラオスはまさに冷戦の被害者でした。結局、これらが終わるのが73年で、そこからラオスがようやく75年に独立します。

 80~90年代に入った後の25~30年ぐらいでしょうか。東南アジアは、平和で穏やかな時代が続いているのです。ここがASEAN諸国の中核ですから、いろいろな相違はあるでしょうが、この時に、皆さんで力を合わせ、国境を越えた交通網を展開し、電力もお互いにやり取りしてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎