ビッグデータの実用化~その課題と効果
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ビッグデータの活用が教育業界に革新をもたらす
ビッグデータの実用化~その課題と効果(3)教育分野への展開
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏が、教育現場でのビッグデータの活用について解説する。従来、良い教え方は、個々の先生の経験と勘に依存してきた。子どものタブレット学習を通じて、学習プロセス自体がビッグデータ化されれば、教え方だけでなく、テキストやアプリの改善も可能になる。(全3話中第3話)
時間:12分17秒
収録日:2017年6月29日
追加日:2017年8月6日
≪全文≫

●データと学習プロセスは、先生の頭の中だけで完結している


 ビッグデータを用いたビジネスチャンスは、今後多様な形で登場するでしょう。私が最近目にして、面白い、発展性があると思っているのは、教育分野です。教育はITやIoT(モノのインターネット)、AIによってかなり大きく変わろうとしています。特に重要なパーツになるのは、ビッグデータを活用した教育の革新・改善です。

 どのように教えれば子どもが分かるようになるか、子どものつまずきをどのように解消できるかといったことは、伝統的には、各先生の経験に基いて培われてきました。ベテランの先生は、子どもがつまずくところをよく分かっているため、適切な教え方ができます。間違ったり、悩んでいる子どもがいれば、適切なアドバイスをすることができるということです。こうしたことは、ベテランの先生の長年の経験に基づくものです。長年の経験、言い換えれば、その先生の頭の中にたまってきたデータに基づいて、教え方を工夫しているのです。非常にプリミティブな形ですが、データに基づいて、個々の先生が教え方を工夫し、その中で教え方がうまい先生は良い先生だと評価されてきました。

 つまり、データと学習のプロセスは、先生の頭の中だけで完結しており、かなり属人的にデータが処理されてきたのです。もちろん、先生同士で教え方についてディスカッションをしたり、先輩教の先生が後輩の先生に教え方をアドバイスすることもあるでしょう。それにしても、教え方は属人的なものでした。この意味で、情報やデータはもったいない使われ方をしています。つまり、他の先生のところで蓄積されたデータを、十分活用できていないということです。これは今までの教え方の技術における限界です。


●タブレットを用いて、きめの細かい教育ができる


 ところが、こうした状況がコンピュータの発達によって、かなり大きく変わろうとしています。今では、タブレットにアプリを入れて、アプリを通じて子どもに学習させるという仕組みが、随分普及しています。子どもたちは一人一人、自分のタブレットのカリキュラムに基づいて、学習することができます。こうした取り組みが非常に注目されています。

 タブレットを使えば、面白く学べるので、やる気が出ます。また、タブレットを使って、一人一人に応じたカリキュラムを組むことができます。例えば、1番と2...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二