フィンテックと金融革命
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フィンテックで注目!クラウドファンディングの仕組み
フィンテックと金融革命(2)異業種による金融業界参入
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
法律・制度の規制が壁となっていた異業種による金融業界参入。それが今、大きく動き始めている。それを可能にしたのが、インターネットによる情報技術の革新だ。ビッグデータ時代の情報技術によって、金融ビジネスに今、何が起こっているのか。東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏によるフィンテック解説第2話。(全5話中第2話)
時間:9分05秒
収録日:2016年10月17日
追加日:2017年1月9日
≪全文≫

●技術革新が新規参入のコストを下げた


 では、このように金融に関して規制があるにもかかわらず、なぜ今、急に産業の垣根を動かすような大きな動きが出てきているのかを、経済学者の立場から整理したいと思います。

 その大きな動きの源泉は何かというと、いろんなコストが下がってきたことが挙げられます。技術革新によって、会社を興すコスト、他産業から金融業に新たに参入するコストが随分下がってきていて、これが現在の垣根を壊したり低くしたりする動きが起きている大きな理由だと思います。言い換えると、そういうコストを下げるような動きほど、フィンテックのブームに対しては大きなチャンスになる、つまりそういうことがどれだけできるか、そこに大きなチャンスがあるということです。

 例えば、フィンテックで注目されている一つの分野にクラウドファンディングがあります。当初はネットを通じて寄付を集めるものでしたが、だんだんと寄付だけでなく、やや投資型のクラウドファンディングも出てきました。いずれにしてもクラウドファンディングは少額のお金をたくさんの人から集めるというモデルで金融ビジネスをしようというものです。

 インターネットがなければ、例えば1,000円や500円といった金額を何千人、何万人かから集めるのは、非常にコストがかかることでした。仮に現金書留で1,000円ずつ送ってもらったとすると、郵送費や、開封してお金を整理し、口座に預けに行く手間の方がずっとコストがかかってしまいます。ですから、例えばボランティアで寄付を集めるとき、現金書留での送金で多数の人から少額を集めるということはとてもやっていけるものではなかったのです。

 ところが、インターネットを通じて少額の送金をしてもらうとなると、送金コストがほとんどかかりません。その結果、クラウドファンディングが成り立つことになり、それをビジネスにすることができるようになったのです。

 こうしたネットのテクノロジーは、今申し上げたような新しいビジネスモデルを可能にするだけではなく、例えば新規参入のコストも大きく下げました。例えば、クラウドコンピューティングといわれるサービスがあります。通常いろんなデータを集めようとすると、巨大なコンピューター、サーバーが必要になります。そうしたものを自前で購入したり整備したりするとなると、大変なコストがかかります。そ...

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