ファミリービジネスとAI
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人工知能(AI)の苦手なことは「言語理解」
ファミリービジネスとAI(6)人間がAIより有利な点
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
AIと人間を分けるのは「言語理解」だ。言語を理解するためには単語の意味だけでなく、それが使われている背景や文脈の理解も必要になるため、その全てをAIに理解させることは難しい。これはイラストの理解にもいえることだ。よって、今後人間がAIに勝つとすれば、コミュニケーション分野にあると、東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏は指摘する。(2016年7月25日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「ファミリービジネスと産業構造の変化」より、全8話中第6話)
時間:10分32秒
収録日:2016年7月25日
追加日:2016年10月28日
≪全文≫

●人工知能に対して人間が有利な点は何か


 では(AIに対する)人間の相対的な有利性は何なのか。人間の強みはどこにあるのかに関する解説です。これについては、本当ならAIの専門家にきちんと聞いた方がいいのですが、社会科学者なりの私の理解を申し上げます。現状でのAIの強みは、ビッグデータにあります。すなわちデータの蓄積が重要なのです。ディープラーニングは必要なデータ量を大きく下げることに成功し、比較的少ないデータでもたくさんのことが分かるようになってきました。しかしそれでも、データの蓄積が命です。

 そう考えるとデータの蓄積が使えない、データの蓄積による学習が使えない分野は、人間の方が相対的に強みがあることになります。それは、「全く新しい組み合わせを考える」ことです。つまり、過去のデータがないため、全く新しい組み合わせを考えようとしても、それらの個別性が強く、過去のデータがデータとして使えない。こういう問題に関しては、人間の方が相対的に有利性を持つということが分かっています。

 その中で、相当大きな課題が人間の言葉を理解することなのです。これについては、AIの専門家が今かなり苦労していろいろやっています。私の友人で、一緒に研究している新井紀子さん(国立情報学研究所情報社会相関研究系教授)という方がいらっしゃいます。ご存じの方もいるかと思いますが「ロボットは東大に入れるか」といって、東ロボくんをつくるというプロジェクトを進めています。そういう意味で彼らも、AIを必死に研究して、入試問題を解かせている研究者です。

 驚くべきことに、中堅クラスの大学は現在完全にコンピュータの実力で入学できます。つまり中堅クラスの大学入試のレベルは、コンピュータに負けています。かなり上の方の大学は、まだ勝てません。勝てない理由は、実は本当の意味の学力の問題ではありません。コンピュータが勝てない理由が別にあります。それは言語の話です。


●人工知能には言葉の理解が難しい


 言語を理解することはとても難しい。それに関していえば、実は単純な翻訳技術の精度は相当上がっています。例えばGoogle翻訳ですが、細かいところまでは分からないけれども、おおよそ何を言っていることか分かります。実はこれがかなりできるようになりました。精度が相当上がっているはずなので、ドイツ語やフランス語の文章などを日本語に翻...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗