ディープラーニング最前線
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「大人のAI」ではなく「子供のAI」に日本は投資すべき
ディープラーニング最前線(4)日本のAI戦略
松尾豊(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻長 教授)
人工知能にとってのボトルネックは、「子どものできることほど難しい」ということだった。それを「子どもの人工知能」と呼ぶ東京大学大学院工学系研究科准教授・松尾豊氏は、それがディープラーニングによって可能になった現在こそ、その技術的なブレークスルーの時期だと展望を語る。今後、AIは社会をどう変えていくのか。未来に向けて日本が取るべき戦略、その方向性を、松尾氏に示唆いただいた。(全4話中最終話)
時間:9分08秒
収録日:2016年4月20日
追加日:2016年8月23日
≪全文≫

●「大人の人工知能」と「子どもの人工知能」


 以前にもお話ししましたが、僕は人工知能を「大人の人工知能」と「子どもの人工知能」に区別しています。

 これまで、コンピュータにやらせるのは子どものできることほど難しいという時期が何十年も続いてきたのですが、今は変わりつつあります。子どもができるような認識や運動の習熟、言葉の意味理解などができるようになりつつあるということで、こちらを「子どもの人工知能」と呼んでいます。

 一方でビッグデータ全般やIoTに代表されるように、今までデータが取れなかった領域でデータが取れるようになってきました。ここに旧来からある人工知能の技術を使うと、いろいろなことができます。こちらを「大人の人工知能」といっています。

 今の動きの中で、僕が一つ非常に気を付けるべきだと思っているのは、「人工知能」という言葉が独り歩きしていて、いろいろな技術を人工知能と呼んでいる点です。

 大人の人工知能の世界は「データを活用していきましょう」ということなので、これは当たり前のことです。昔からデータの重要性はありましたし、活用した方がもちろん良かったのです。これはもう10年も20年も前からそうです。日本はそこのところの理解がなかなか進んでおらず、むしろ遅れているので、今頃になってようやく「データを活用した方がいい」「情報技術を活用した方がいい」と多くの人が思うようになってきたということです。


●今、日本が賭けるべきは「子どもの人工知能」


 ですから、これは当然やった方がいいのですが、既に10~20年も遅れをとっています。一方で子どもの人工知能、すなわちディープラーニングをベースにする技術は、技術的なブレークスルーの時期に当たり、ここ2~3年で、急激にできるようになってきたのです。これをどのように産業競争力につなげていくか。そこに日本の戦略的なチャンスがあると思います。ですから、この二つは分けて考えた方がいいと、僕は思っています。

 プレイヤーについても、大人の人工知能をやろうとしている人の方が今は多いのです。大手の電機メーカーもそうだし、研究者にも大人の人工知能系、つまり情報(データ)を使おうとか、先端の情報技術を使おうという技術を研究している人が多いのです。ですから、今はこちら(大人の人工知能)の方が声が大きく、国レベルで「人工知能...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
小宮山宏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔