ドローンが拓く「空の産業革命」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ドローンの安全上のリスクとその規制のあり方
ドローンが拓く「空の産業革命」(3)リスクと規制
鈴木真二(東京大学名誉教授/東京大学未来ビジョン研究センター特任教授/福島ロボットテストフィールド所長)
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授の鈴木真二氏が、ドローンの安全上のリスクとその規制のあり方について解説する。近年、航空法が改正され、ドローンの空域と飛行法に規制がかけられた。旅客機との衝突やニアミスなど、ドローンのリスクを考慮した上で、技術発展を阻害しない、規制のあり方を考える必要がある。(全6話中第3話)
時間:11分15秒
収録日:2017年7月10日
追加日:2017年8月29日
≪全文≫

●災害地の被害状況調査に、ドローンが活用されている


 今度は、私たちの研究室でこれまでに行ってきた、いくつかの活用事例をご紹介しましょう。これは、東京大学とブルーイノベーションが共同で、海岸線の砂の浸食状況をモニターする実験を行ったものです。海岸の様子や波の発生状況を、定期的に、安価に空撮することができました。

 また、山の中での植生観察にも、空撮が利用できるのではないかと、実験を行っています。この実験は、東京大学と広島県、三菱電機によって、10年にわたって行われました。上空から精密な写真を撮影することによって、自然再生事業が行われた、広島県八幡湿原での植生の変化を、定期的に観察したものです。

 同じような機体ですが、東京大学とブルーイノベーション、早稲田大学は、2011年東日本大震災の際に、津波の被害のあった千葉県の飯岡海岸で、被害状況の調査を行いました。小型のドローンを正確に飛行させることによって、こうした災害状況のモニタリングをいち早く行うことができます。現在、災害地の被害状況調査にドローンが活用されているということは、よくご存じでしょう。

 第1回の講話でご覧いただいたAEDの搬送は、ドローンの、物を運ぶという機能の実験でした。さらに2017年3月に、私たちは、国土交通省とブルーイノベーションとともに、長野県伊那市で、道の駅から高齢者の専門住宅まで、物を運ぶという実験を行いました。まだ実証実験の段階ですが、技術と制度を整備することによって、特に物の運搬が困難な被災地や離島、過疎地の物流に、ドローンが貢献するのではないかと期待されています。


●安全上の理由から、ドローンの規制が強まっている


 しかし、ドローンの活用については、2015年4月、首相官邸の屋上でドローンが発見されたため、安全上の理由から規制を導入しなければいけないという動きが出てきました。2015年9月には、航空法が改正され、同年12月から施行されています。ドローンが飛行できる空域と、その飛ばし方について規定がなされました。さらに、2016年4月には、国会議事堂などの重要な施設の周辺において、小型無人機の飛行を禁止する法律もできました。

 ただ、このように規制が強まる一方、安倍晋三総理は、ドローンによる配送を3年以内に実現すると、2015年11月に明言しています。これを受けて同年12月には、ドローン活用を検討する...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ